2018年度工学院大学 先進工学部生命化学科

生命化学実験III(Experiments of Chemistry and Life Science III)[3H19]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

1単位
油井 信弘 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
小山 文隆 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
坂口 政吉 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
物質を認識するタンパク質(酵素や輸送体など)は生体内で様々な役割をもち,ネットワークを築いている.本実験では,タンパク質の構造や基本的な性質を学び,その機能(酵素活性,物質輸送,センシングなど)を理解するために,タンパク質を分離・精製し,分光学的および電気化学的に機能を評価する.

<受講にあたっての前提条件>
生命化学基礎実験,生化学実験,生命分析化学実験等を受講していることを望む.

<具体的な到達目標>
●タンパク質を扱う実験方法の理解とその進め方,および結果の解釈方法を身に付ける.
●測定機器の測定原理を理解し,操作方法を修得する.

<授業計画及び準備学習>
1. 遺伝子操作(アガロースゲル電気泳動法)
酵素遺伝子が挿入されたプラスミドDNAを,種々の制限酵素で処理し,アガロース電気泳動法で検証する.
2. タンパク質の精製 (クロマトグラフィー法)
大腸菌で発現した組換え酵素を,アフィニティクロマトグラフィーにより精製する.各画分の紫外吸収結果を基に,タンパク質濃度を測定,算出する.
3. 酵素活性測定と精製の検証(SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法)
アフィニティクロマトグラフィーにより得られた精製画分の酵素活性を測定する.タンパク質濃度および酵素活性の結果を基に,比活性,収率,そして精製度を算出する.また,その精製度をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で視覚的に検証する.
4. 酵素反応を利用した糖質量測定(紫外・可視分光法)
グルコースオキシダーゼとペルオキシダーゼの共役反応を利用し,グルコース濃度を紫外・可視分光光度計で定量し,酵素の基質選択性について評価する.
5. グルコースセンサの作製およびその性能評価(電気化学測定法)
グルコースオキシダーゼとフェロセン修飾ポリイオンを用いて交互積層法によりグルコースセンサを作製する.そのバイオセンサの性能を電気化学的に評価し,電子メディエータの役割について考察する.
6. 糖輸送体によるグルコースの細胞内への取り込み評価(蛍光分光法)
蛍光ラベルグルコースを用い,グルコースの細胞内への取り込みを蛍光分光光度計で測定し,糖輸送体の機能について検討する.
7. 学習内容の振り返り

<成績評価方法>
出席は全出席でレポートも全提出を原則とする。授業回数の1/3以上の欠席をした者は未履修とし,レポート未提出の者は単位を認定しない.A+〜Fの6段階評価でD以上の者を合格とする.

<教科書>
「生命化学実験」工学院大学先進工学部生命化学科編

<参考書>
「指定参考書なし」

<オフィスアワー>
小山:水曜日12時から13時,20階2068室
坂口:水曜日12時から13時,20階2068室
油井:水曜日12時から13時,20階2065室
急な用事で在室していないこともあります.事前にメールなどで連絡してください.

<学生へのメッセージ>
実験にあたっては,テキストに書いてある通り機械的に実験してレポートを書くというのではなく,記述されている実験の内容について,自分で必要な試料・器具・手順を考えて,問題点がないかどうかを確認したのち,実験ノートに記入し,当日の実験に備えることが必要である.また実験における諸注意を守り,事故を起こさぬように注意しなければならない.危険性のある試薬等を扱う場合は安全メガネ(またはメガネ)をかけることが必要である.


ナンバリングはこちら
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2018 Kogakuin University. All Rights Reserved.