2018年度工学院大学 先進工学部生命化学科
○生命化学実験II(Experiments of Chemistry and Life Science II)[3H18]
1単位 安井 英子 准教授 [ 教員業績 JP EN ] 南雲 紳史 教授 [ 教員業績 JP EN ] 松野 研司 教授 大野 修 准教授
- <学位授与の方針>
◎ | 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 「生命化学実験」は,1,2年生で履修した実験科目,すなわち,化学実験,生命化学基礎実験,生命分析化学実験,生命有機化学実験,生化学実験,生命物理化学実験で修得した実験操作法や知識をもとに,生命化学の各専門分野の実験を行うことを内容とする.また,これは4年生になったときの卒業論文のための実験の基礎となるものである.
- <受講にあたっての前提条件>
- 3年次履修条件を満たしていること.
1,2年次の必要な実験科目を受講していること.
- <具体的な到達目標>
- (1)一般的な合成手順を読み,安全かつ正確に再現できるようになる.(2)行った反応において,どのような化合物が生成する可能性があるかを,反応機構をもとに推察できる力をつける.(3)化合物の構造を機器分析データによって解析する力を養う.(4)医薬品探索におけるスクリーニングの概念を理解し,簡単なアッセイを遂行できる.(5)スクリーニング結果をもとに,医薬化学(創薬化学)において重要な構造活性相関を解明できる.(6)天然資源から生物活性物質を抽出し単離する手法を身につける.
- <授業計画及び準備学習>
- 授業計画:
1.<フリーデルクラフツ反応の実施> ビニルエポキシドを求電子剤として,フリーデルクラフツ反応を行う.教科書で学んだフリーデルクラフツ反応の反応機構を復習すると同時に,エポキシドに対する付加の位置選択性が何故発現するのかを学ぶ. 2.<シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製> 第1回目の実験で合成した粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する.シリカゲルカラムクロマトグラフィーの原理を学ぶと同時に,目的化合物がどの画分に含まれているかを探し出す手法を身につける. 3.<1H-NMRによる構造解析> 第2回目で精製した目的化合物の構造を,核磁気共鳴装置で測定したデータをもとに確かめる.核磁気共鳴の原理を理解し,データを読み解く力を身につける. 4〜6 第4回から第6回で、以下の内容を扱う. <医薬品候補化合物の探索と構造活性相関の考察> 創薬標的に対する阻害活性を有する化合物をスクリーニングにより探索するとともに,その化合物構造から構造活性相関を議論する. <天然資源からの生物活性物質の抽出・単離> 植物素材を原料に,カロテノイド類の抽出,カラムクロマトグラフィーによる精製・単離,さらに、各種分析法を用いた化合物の同定法を身につける. 7.<学習内容の振り返り>
準備学習:事前にテキストで実験項目を確認し,実験ノートに予習をしてくること.
- <成績評価方法>
- 出席は全出席でレポートも全て提出を原則とする.評価は,出席,実験態度,レポートで評価する.無断欠席をした者,レポート未提出の者は単位を認定しない.
- <教科書>
- 「生命化学実験」工学院大学先進工学部生命化学科編
キューポートから電子教材として各自ダウンロードする.
- <参考書>
- 指定参考書なし.
参考資料はキューポートから電子教材として各自ダウンロードすること.
- <オフィスアワー>
- 南雲:担当実習日の13:00〜13:40,20階2068室
松野:担当実習日の12:30〜13:00,20階2065室 大野:担当実習日の13:00〜13:40,20階2065室 安井:担当実習日の13時から13時40分,20階2068室 急な用事で在室していないこともあります.事前にメールなどで連絡してください.
- <学生へのメッセージ>
- 化学者にとって化学構造式は一種の言語であり,反応性,反応選択性,生物活性などを考える上で欠かせない.有機化学関連の実験を通して,化学構造式に対する造詣を深め実践的に使いこなせるようになれば,無限の可能性が開花するだろう.
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