2018年度工学院大学 情報学部システム数理学科

システム数理セミナーII(k)[S023]

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1単位
三木 良雄 教授  
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
システム数理学科の教員が指導するセミナー分かれて,データ科学,ITインフラ,経営情報に関する専門的知識やこれからの課題などについて,文献調査,データ分析,課題解決等を通じて理解する.それらは,研究室毎の4年次ゼミナール形式を踏まえて行われ,研究推進能力、プレゼンテーション,ディスカッション能力の向上も目的とする.

<受講にあたっての前提条件>
セミナーでは課題解決の実践的教育を実施するために前提となる科目知識は既に理解していることを前提に進める.したがって,2年次および3年次前期までの必修科目をできるかぎり履修済みとしておくこと.

<具体的な到達目標>
専門知識ならびにその活用方法の理解,プレゼンテーション能力など,講師ごとに到達目標を設定し、基本的に4年次の卒業研究に着手可能な能力を身に着ける。

<授業計画及び準備学習>
このセミナーは各研究室に分かれて実施され,4年次卒業研究の準備の位置づけで実施されるため各講師によって内容は異なる。
ここでは,代表:三木良雄のセミナーを例に説明する.

システムエンジニア、コンサルタント、企業IT部門ではITシステムの構築だけでなく、ICTを活用していかに社会や企業の課題を解決するか、その方法を構築する能力が求められる。本セミナーでは社会における実際の問題を研究課題とし、実在する企業の実際の事業課題とデータ分析、ICTとの関連性を探求する。現在研究室で取り扱っている実データに基づいて具体的な検討を行い、検討結果を毎回発表する

第1回 対象テーマのガイダンス
研究室で取り扱っている実問題を踏まえて研究課題、技術課題、解決法を検討するにあたって調査するべき範囲、関係する知識の分野について解説する
事前準備:前期セミナーTの内容を復習しておくこと

第2回 高齢化社会における交通手段
人口動態を調査と、地域住民の交通に対するニーズを文献、インターネットで調査し課題を定量的にまとめる
事前準備:課題を明確にするために、住民視点だけでなく、事業運営側の視点からも調査しておくこと

第3回 移動需要と採算性のモデル化
前回調査した需要と事業者の採算性をバランスさせるためにこれらを定式化しICT活用可能なモデルを検討する
事前準備:モデル化とそれに必要なパラメータについて検討すること

第4回 需要と供給のバランス化方法
前回調査した需要と事業者の採算性をバランスさせるためにICTを活用する方法アルゴリズムを検討する
事前準備:社会現象をシミュレーションしたり予測するための手法について調査しておくこと

第5回 製造業の構造と国際競争力
現在日本が置かれている国際的ポジションと製造業の果たす役割、課題について調査しまとめる
事前準備:経済状況、産業構造、大企業と中小企業の役割などを調査しておくこと

第6回 製造現場とデータ分析
製造装置から出力されるデータに基づきどのような事実が抽出可能かを検討する
事前準備:セミナーTで取り扱った手法について復習しておくこと

第7回 生産効率向上方法
分析結果に基づいた生産性改善方法について検討する
事前準備:Industrial Engineering, Taguchi Method, IoTなどの手法や考え方を調べておくこと

第8回 食品産業を中心とした採算性の課題
食品産業における製造から販売までの状況を考えた場合、収益性の課題がどこにあるかを調べる
事前準備:課題となる現象や要因を調査しておくこと

第9回 売上予測モデル化
具体的な製造販売を考えた場合、どの程度の損害、収益のブレが発生するのか要因とモデル化を検討する
事前準備:経営学、経済学の分野でどのような検討がなされているかを調べておくこと

第10回 予測システム
時間毎、日毎、週毎の予測を想定し、どのような予測モデルが可能かを検討する
事前準備:時系列データの分野でどのような予測モデルが存在しているかを調べておくこと

第11回 自己テーマの課題整理
自分のテーマを選定し、その社会的課題、技術的課題について文献調査を実施し整理したものを発表する
事前課題:分野の調査だけでなく、最終に自身が解決する課題と背景を十分に分離しておくこと

第12回 自己テーマにおける技術的解決方針
前回調べた課題の根本原因を明らかにし、それを解決できる方法を見出す
事前課題:同じ問題に取り組んできた研究や取り組みとの違いだけでなく、なぜ今まで解けなかった問題が解けるようになるのかの観点を考察すること

第13回 解決方法の試行
前回調べた課題の解決方法に関して試行的に実行した内容を発表する
事前課題:単に作業するだけでなく、自身の方法選択の妥当性もチェックしておくこと

第13回 自己テーマのまとめ
自己テーマに関して前回までの結果整理する。その際、結果から逆に思考し、何が解決法として新規性があったのか、最初に掲げた課題は解決に至ったのかを振り返り、最終レポートにまとめる準備を行う
事前課題:最終的な結果とそこに至るまでの過程に論理的矛盾が無いことをチェックしておくこと

第14回 自己テーマの結果発表
最終レポートに沿って自己テーマの総括的まとめを発表する
事前課題:期限までに最終レポートを提出しておくこと

<成績評価方法>
それぞれの講師がセミナーのなかで提示するので,その指示に従うこと.
具体的には,調査,分析,発表,発表資料,プログラム,ゼミにおけるディスカッションおよびレポートなどにより,総合的に判断する.
到達目標に照らして,6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し,D以上の者に単位を認める.

<教科書>
それぞれの講師がセミナーのなかで提示するので,その指示に従うこと.

<参考書>
それぞれの講師がセミナーのなかで提示するので,その指示に従うこと.

<オフィスアワー>
それぞれの講師がセミナーのなかで提示するので,その指示に従うこと.
代表教員の三木良雄のオフィスアワーは,火曜日3限,三木良雄居室(A2367)で行う.
あるいは、mikiyo@cc.kogakuin.ac.jpに連絡し,日程を調整すること

<学生へのメッセージ>
4年次の卒業研究を事前に体験することができます.積極的な姿勢での受講を求めます.


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