2018年度工学院大学 情報学部システム数理学科

動的システム(k)[3H16]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
竹川 高志 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
本講義では、物理現象・人口の変動などの社会現象・認知心理のメカニズム・生体内のダイナミクス・ゲーム理論などを例に取り、差分方程式や微分方程式による動的システムの基本的な理解を深めることを目的とする。1次元や2次元の線形システムの具体例を通じて状態空間における不動点・リミットサイクル・安定性などの概念と実際の時間変化の対応関係を理解し、与えられたモデルについてシミュレーションと安定性解析の具体的な手順を学ぶ。また、分岐理論を通じて環境の変化が大域的な安定性に与える影響について理解する。応用発展として制御やカオスの概念を紹介する。

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
・1次元の連続システムに関して、固定点の安定性と時間変化の関係について理解する。
・2次元の線形連続システムに関して、固定点の安定性を固有値を用いて説明することができる。
・様々な振動現象がリミットサイクルにより説明されることを理解する。
・サドルノード分岐とホップ分岐の発生と具体的に生じる現象について理解する。
・フィードバック制御によるシステムの安定化について理解する。
・少数自由度カオスの概念を知る。

<授業計画及び準備学習>
授業計画

第1回:動的システムの定義
 動的システムの基本的な概念であるパラメータ・変数・時間について学ぶ
第2回:1次元の離散線形システム
 1次元の離散線形システムを用いてシステムの収束、発散、振動について学ぶ
第3回:1次元の連続線形システム
 1次元の線形微分方程式の解の性質について学ぶ
第4回:1次元の連続非線形システム
 1次元の微分方程式の解の性質について学ぶ
第5回:分岐理論の基礎
 パラメータの変化による大域的な性質の変化を学ぶ
第6回:2次元の連続線形システム
 2次元の線形微分方程式の解の性質について学ぶ

第7回:学習成果の確認(中間試験)と講評

第8回:ニュートンの運動方程式
 2階微分方程式から2次元の微分方程式に変換することを学ぶ
第9回:線形化と安定性解析
 2次元の固定点に関する線形化方法とその安定性の解析について学ぶ
第10回:リミットサイクル
 ロトカ・ボルテラ方程式などを例としてリミットサイクルについて学ぶ
第11回:断熱消去
 複数の時間スケールを持つシステムを遅い変数を用いて単純化する手法を学ぶ
第12回:力学系による様々な現象の理解
 特徴的な現象を力学系の視点から捉えた例を紹介する
第13回:3次元の非線形微分方程式
 ローレンツ方程式などを例としてストレンジアトラクタについて学ぶ

第14回:学習内容の振り返り

定期試験

<成績評価方法>
授業内試験と期末試験を 3:7 の割合で評価する。

<教科書>
指定教科書なし

<参考書>
笠原 晧司、新微分方程式対話、日本評論社

<オフィスアワー>
火曜日3限 新宿A1516

<参考ホームページアドレス>
http://lec2018.tk2lab.org/


ナンバリングはこちら
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2018 Kogakuin University. All Rights Reserved.