2018年度工学院大学 情報学部システム数理学科
応用計量経済分析演習(PBL)(k)[3H15]
1単位 矢崎 敬人 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- ○統計分析向けプログラミング言語Rを用いて,社会・経済分野のデータの統計分析を適切に行うことができる力を身につける.
- <受講にあたっての前提条件>
- ○「確率・統計I」,「多変量解析」,「多変量解析演習」を修得していることが望ましい.
- <具体的な到達目標>
- ○Rを用いて,基本統計量の計算,データの視覚化を行うことができる.
○Rを用いて単回帰分析,重回帰分析を行い,結果を適切に解釈することができる. ○どのような場合にランダム化比較試験,差の差分法,回帰分断デザインを使うことが適切かを理解し,Rを用いてこれらの分析を行うことができる. ○Rを用いて,テキスト・データ,ネットワーク・データ,空間データの分析を行うことができる. ○具体的なデータを基に,適切な分析方針を立て,Rを用いて適切な計量分析を行い,分析内容と結果を説明することができる.
- <授業計画及び準備学習>
- ※可能な限り,毎回の授業にノートパソコンを持参すること.
※準備学習のうち,演習問題は,解答をR Markdownで作成してくる(1問につき1ファイル作成する)こと.
1.ガイダンス,社会科学におけるデータ分析,RとRStudioの導入と基本操作,R Markdown,swirlの説明 準備学習:「多変量解析」,「多変量解析演習」で学んだ内容を復習しておく.
2.イントロダクション 準備学習:教科書第1章を読み,すべてのコードを実行する.swirlのINTRO1,INTRO2をやってくる. 演習課題:1.5の練習問題.
3.因果関係 準備学習:教科書第2章を読み,すべてのコードを実行する.swirlのCAUSALITY1,CAUSALITY2をやってくる. 演習課題:2.8の練習問題.
4.測定(1):欠損データ,1変量の分布のビジュアル化,標本調査 準備学習:教科書第3章3.1〜3.4を読み,すべてのコードを実行する.swirlのMEASUREMENT1をやってくる.
5.測定(2):2変量関係の要約,クラスター化 準備学習:教科書第3章3.5〜3.8を読み,すべてのコードを実行する.swirlのMEASUREMENT2をやってくる. 演習課題:3.9の練習問題.
6.予測(1):Rにおけるループ,線形回帰 準備学習:教科書第4章4.1,4.2を読み,すべてのコードを実行する.swirlのPREDICTION1をやってくる.
7.予測(2):回帰分析と因果関係 準備学習:教科書第4章4.3,4.4を読み,すべてのコードを実行する.swirlのPREDICTION2をやってくる. 演習課題:4.5の練習問題.
8.発見(1):テキスト・データ,ネットワーク・データ 準備学習:教科書第5章5.1,5.2を読み,すべてのコードを実行する.swirlのDISCOVERY1をやってくる.
9.発見(2):空間データ 準備学習:教科書第5章5.3,5.4を読み,すべてのコードを実行する.swirlのDISCOVERY2をやってくる. 演習課題:5.5の練習問題.
10.確率(1):確率,条件付き確率,確率変数と確率分布 準備学習:教科書第6章6.1〜6.3を読み,すべてのコードを実行する.swirlのPROBABILITY1をやってくる.
11.確率(2):大標本定理 準備学習:教科書第6章6.4,6.5を読み,すべてのコードを実行する.swirlのPROBABILITY2をやってくる. 演習課題:6.6の練習問題.
12.不確実性(1):推定,仮説検定 準備学習:教科書第7章7.1,7.2を読み,すべてのコードを実行する.swirlのUNCERTAINTY1,UNCERTAINTY2をやってくる.
13.不確実性(2):不確実性を伴う線形回帰モデル 準備学習:教科書第7章7.3,7.4読み,すべてのコードを実行する.swirlのUNCERTAINTY3をやってくる. 演習課題:7.5の練習問題.
14.学習内容の振り返り
- <成績評価方法>
- ○演習課題得点合計点と期末レポート課題得点を6:4の割合で集計し,A+〜Fの6段階評価を行う.D以上を合格とする.
- <教科書>
- ○今井耕介(粕谷祐子,原田勝孝,久保浩樹訳)(2018)『社会科学のためのデータ分析入門(上,下)』岩波書店.
- <参考書>
- ●教科書(本科目の教科書ではなく,一般的に意味での教科書)
○星野匡郎,田中久稔(2016)『Rによる実証分析―回帰分析から因果分析へ』オーム社. 今井(2018)よりコンパクトで経済データの分析に特化している.
○田中隆一(2015)『計量経済学の第一歩―実証分析のススメ』有斐閣ストゥディア. 星野,田中(2016)と類似の内容をカバーしている.本文では統計パッケージStataを念頭に置いた説明を行っているが,ウェブサポートではRも扱っている.
○福地純一郎,伊藤有希(2011)『Rによる計量経済分析』朝倉書店. 今井(2018)や星野,田中(2016)が扱っていない時系列分析も扱っている.
●実証分析を行う際に役立つハンドブック ○山本勲(2015)『実証分析のための計量経済学―正しい手法と結果の読み方』中央経済社. さまざまな具体的な状況と分析課題を念頭に,どのような場合にどのような分析手法を用いるべきかを解説した,いわば実証分析のハンドブック.卒業論文で社会・経済分野のデータ分析を行うおうとする学生には強く推薦する.実証分析の論文を読む際にも大変有用.
●副読本 ○伊藤公一朗(2017)『データ分析の力―因果関係に迫る思考法』光文社新書. ○中室牧子,津川友介(2017)『「原因と結果」の経済学―データから真実を見抜く思考法』ダイアモンド社. 社会・経済分野では介入の効果を知るために実験を行うことが困難な場合が多い.これら2冊は,そのような場合にどのような分析を行うことができるかを分かりやすく説明している.前者の方がやや高度.
●さらに… ○Wooldridge, Jeffrey M. (2015), Introductory Econometrics: A Modern Approach (6th Edition), Boston MA: Cengage Learning. ○Stock, James H. and Mark W. Watson (2014), Introduction to Econometrics (Updated 3rd Edition), Harlow, England: Pearson Education. 計量経済学理論,応用例,データを用いた演習課題のバランスが良い教科書となると,英語で書かれ,世界中で用いられている上記2冊.どちらも優れている.英語に自信があり,計量経済学を本格的に学びたい学生におすすめ.
- <オフィスアワー>
- ○授業後に教室で受け付ける.
○また,新宿校舎で次のオフィスアワーを設定している. [前期](新宿校舎A-2778)金曜日2時限 [後期](新宿校舎A-2778)火曜日2時限 ○その他,上記日時以外でもメールで予約の上で面談可.メールアドレスは情報学部学修ガイダンスに記載.
- <学生へのメッセージ>
- ○授業計画にも書いたように,可能な限り,毎回の授業にノートパソコンを持参すること.
○必ず自分で手を動かすこと! ○卒業論文で社会・経済分野のデータ分析を行おうと考えている学生には本科目の履修を推奨したい.
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