2018年度工学院大学 情報学部システム数理学科

機械学習(Neural Network)[3E17]

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2単位
大和 淳司 教授  
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
機械学習は、人間の学習機能を数理的にモデル化し、状況に応じたモデルのパラメータ更新により、汎化性に優れた判断を機械に行わせる計算理論である。本講義では、未知の入力に対する判断を学習する階層型ニューラルネットワークと、クラス未知のデータ分類を行うクラスタリング、時系列の行動に対する状態変化から目標達成に適した行動を学習する強化学習を、実践的な例題を通して理解する

<受講にあたっての前提条件>
既習科目指定は特にないが、線形代数の知識は必須。Pythonの基礎が理解できていることが望ましい。

<具体的な到達目標>
世の中の情報システムや社会システムから得られる大量データの解析に有効な機械学習の基礎理論を実践的なデータ解析を交えて理解する。機械学習は大別して教師あり学習、教師なし学習、強化学習の三種類に分けられる。それぞれの目的と代表的な手法を理解し、実践的なデータ解析においてそれぞれの機械学習手法の有効性と適用限界を判断できることを到達目標とする

<授業計画及び準備学習>
<授業計画>
1. 様々なシステムと人間の学習、機械学習
機械学習の概要について、人の学習と比較しながら理解する。
2. 強化学習
強化学習の基本的な枠組みとMDPについて学ぶ
3. TD学習とQ学習
強化学習の基本的な手法であるTD学習とQ学習について理解する。
4. Actor-Criticモデル
Actor-Critic法、およびSARSA、方策勾配などについて学習する。
5. 強化学習の最近の発展と応用事例について
DQNなどの最近の発展と囲碁AIなどへの応用事例について学ぶ。
6. 識別関数とニューロンモデル
線形識別関数と基本的なニューラルネットの関係を理解する。
7. 階層型ニューラルネットワーク
多層ニューラルネットワークの学習について最適化と勾配降下の観点から学ぶ。
8. 深層学習とその応用
層を多くすることで可能となった高精度な画像認識を中心に深層学習について学ぶ
9. 再帰ニューラルネットワーク、LSTMとその応用
時系列認識に用いられる再帰ニューラルネットワークと自然言語処理応用について学ぶ。
10. 教師あり学習と教師なし学習
パラメータ推定の枠組みで教師あり学習と教師なし学習を理解する。
11. EMアルゴリズム
EMアルゴリズムとNMF、補助関数法の関係を理解する。
12. マルコフ性と隠れマルコフモデル
隠れマルコフモデルとその応用について学ぶ。
13. クラスタリング
K-meansと凸クラスタリングを中心にクラスタリングについて学ぶ。
14. 機械学習の応用事例
様々な応用事例についての説明および調査事例についての発表を行う。

<成績評価方法>
到達目標に照らして6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し,D以上の者に単位を認める。
各回の課題提出は必須で、試験に対して最大40%分考慮される。

<教科書>
続・わかりやすいパターン認識、石井、上田、オーム社

<参考書>
わかりやすいパターン認識、石井他、オーム社
速習強化学習、Szepesvari、共立出版

<オフィスアワー>
水曜3限A-1511 (八王子移動の場合があるのでなるべく事前メールが望ましい)


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