2018年度工学院大学 情報学部システム数理学科
情報とイノベーション(k)[2E21]
2単位 三木 良雄 教授
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ○ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- システム数理学科の”ITインフラ”、”データ科学”、”経営情報”の三本柱を総合的に活用し、実社会の課題解決に向けてどの技術をどのような課題解決に使うのかを学ぶ。ビッグデータ、人工知能、IoTなどの実践的スキルを身につける。
- <受講にあたっての前提条件>
- 前提条件ではないが、実社会の課題を理解するために、企業システム序論、企業システム研究の受講を勧める
- <具体的な到達目標>
- ・ITストラテジストとしての経営戦略立案に必要なICT利活用法を修得する
・上流SE,ITコンサルタントに必要なICTを用いた業務課題抽出方法を修得する ・ビッグデータ、IoT、人工知能などを実務課題の解決に適用する際の技法について修得する
- <授業計画及び準備学習>
- 第1回 ガイダンス
社会システムや企業経営の基本的な意義や意味について解説し、イノベーションを起こす意味やその前に存在する課題とは何かを理解する 事前準備:履修した専門および専門基礎科目を再度良く復習しておくこと
第2回 ビジネスモデル 既存ビジネスモデルのテンプレートとビジネスモデルフレームワークを紹介し、 事前準備:身近な企業がどのようにして成立しているのか事例を列挙しておく
第3回 事業戦略の実現可能性 バランススコアカードやKPI(Key Performance Indicator), KGI(Key Goal Indicator)等の目的を明確化する手法とEA(Enterprise Architecture)との対応関係、ICTの各システムを対応づけ、その機能を理解する 事前準備:前回のビジネスモデルを振り返り何が指標になり得るのかを考えておく
第4回 ビジネスプロセスとICTシステム 各業種別のビジネスプロセスとEDI,SCM,CRM,SFA,ERP等が果たす役割を説明し、それぞれのシステムからどのようなデータが取り出し得るか、またICTでは通常見えてこないデータとはどのようなものかについて学ぶ 事前準備:EDI,SCM,CRM,SFA,ERP等のシステムについて概要を理解しておく
第5回 戦略的ICTシステム Strategic Decision Support Systemなど古くから提唱されてきた経営への戦略的ICT活用の流れと近年のビッグデータ、人工知能活用をBI(Business Intelligence)ツール等を紹介しながら未来への展開方向や応用を学ぶ 事前準備:Excelで可能なデータ分析、視覚化を復習しておく
第6回 主成分分析と因子分析 主成分分析の考え方と実務データへの適用方法について学ぶ。特にしたデータの状態を外観する手法を学ぶ 事前準備:多変量解析の復習または予習(未履修の場合)しておく
第7回 重回帰解析とSVM (Support Vector Machine) 重回帰解析の基本と統計的モデル化手法の基礎を学ぶ。同時にSVMの原理、Deep Learningなどの原理も学び、実際の業務におけるこれら手法の利活用方法を身につける。 事前準備:セミナーTで取り扱った手法について復習しておくこと
第8回 時系列データのモデル化手法 AR、ARIMAなど時系列データのモデル化と統計的予測手法について学ぶ。特にトレンド予測や故障予知など実務的な応用力を身につける 事前準備:事前に時間的な変化をするデータを自分なりに収集しておく
第9回 確率的予測モデル手法 粒子フィルタや強化学習などベイズ統計に立脚して構築されている統計的モデリング手法を外観し、どのような分野のモデル化に有用なのかを学ぶ 事前準備:条件付き確率を復習しておく
第10回 シミュレーション 前回学んだモデル化手法とモンテカルロ法、MCMC法、マルチエージェントなどの基本にも戻って、データ分析に基づいて構築された戦略が経済や実社会の行動としてどのように振る舞うのかをシミュレーションを使って確認する手法を学ぶ 事前準備:システム数理学実験で行ったシミュレーション2の内容を復習しておく
第11回 食品産業の改革 食品産業を例にICTシステムと改善手法について具体的な課題、システムに基づいて学ぶ 事前準備:前回までの手法を実行できるように復習しておくこと
第12回 製造業の改革 生産工学、タブチメソッドの基礎を踏まえてIoTの時代においてさらに何が発展可能かを学ぶ 事前準備:テストデータに基づいて食品産業の課題を解いておく
第13回 IoTとイノベーション インターネットサービスやIoTの普及拡大によって、産業や社会がどのように従来とは違う発展をする可能性を持つのかをこの科目で学修した内容を基に考察する 事前準備:テストデータに基づいて製造業の課題を解いておく
第14回 自己テーマの結果発表 最終レポートに沿って自己テーマの総括的まとめを発表する 事前課題:期限までに最終レポートを提出しておくこと
- <成績評価方法>
- 授業中の課題を40%、最終レポートを60%として数値化し、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し,D以上の者に単位を認める.
- <教科書>
- 特になし
- <参考書>
- 特になし
- <オフィスアワー>
- 授業終了後に教室またはA2376室にて。これ以外の日時についてもメールにて連絡を頂戴すれば調整します。
- <学生へのメッセージ>
- 今、企業が求めている技術や技術者像に沿った授業を行います
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