2018年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科
計算言語学(k)[2H22]
2単位 近藤 公久 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 計算言語学は、コンピュータによる文章理解や機械翻訳などに応用される学問である。
本講義では、その基礎部分について学習する。 数学分野における命題や論理のコンピュータ上での扱いや、表現、処理法について学ぶ ことにより、言語をコンピュータで扱う際の理論的背景の基礎を理解した上で実際に応用する力を養う。
- <受講にあたっての前提条件>
- 特になし
- <具体的な到達目標>
- 計算言語学の基本を理解し、その応用力を習得する。具体的には、
数学分野における命題や論理をコンピュータ上で表現し自然言語処理するための基礎知識を身につける。 現在の自然言語処理における各モジュールの仕組みを理解する。 並行して、人間の言語処理過程とその研究手法を修得する。
- <授業計画及び準備学習>
- 1.計算言語学とは
まずは見てみよう。計算機で言語を処理するとは。どんなことに使われているか。 何ができるのか、何が難しいのか。 準備:世の中に存在する自然言語処理技術を用いたサービスについて考えてえてくること 2.命題と述語 記号論理学の基礎として、論理記号体系を習得する 準備:情報数学1(必修授業)の命題の回を復習しておこう 3.命題と真理値 真理値表、論理式の基礎、エクセルで遊ぶ(ノートPCを持っているなら持って来る) 準備:論理回路(必修授業)の復習をしておこう 4.述語と数学的論証 証明、論理式の計算 準備:情報数学1(必修授業)の証明の回を復習しておこう 5.コンピュータ上での命題の扱い 記号表現と記号操作 準備:プログラミングにおける様々な条件文をリストアップしておこう 6.コンピュータ上での命題の表現と処理 真理値と確率、パタン認識、音声認識、そして、AI 準備:確率ってなんだろう 7.コンピュータ上での論理の表現 述語論理、述語論理表現と言語表現 準備:述語論理と言語の関係を考えておこう 8.1−7の復習と課題 正規表現でテキストを解析してみよう 準備:正規表現を使ってみる(使い方の例は前週に紹介) 9.ディスカッション実習(レポート提出)と予習 かな漢字変換から翻訳など、現在とこれからの技術への期待 準備:事前調査必須(前週に指示する) 10.形態素解析 形態素解析の仕組み、辞書、コスト 準備:分かち書きしない日本語を人間はどうやって読んでいるか考えて来る 11.テキスト処理 テキストマイニング、コーパス言語学 準備:テキストから(ビッグデータ)から何がわかるか考えて来る 12.構文解析と文法 構文と文法、構文木、人間の構文解釈(言語心理学I) 準備:人間でも解釈が曖昧になって誤解を招く例を集めておこう 13.意味解析 意味とは、人が意味を理解するとは(言語心理学II) 準備:意味をコンピュータ上で表現するとはどういうことかを考えて来る 人が意味を理解したとはどういうことか考えて来る 14.学習内容の振り返り(最終レポート提出) 準備:授業を振り返りレポートにまとめる。
定期試験期間中に試験を実施する。
- <成績評価方法>
- 定期試験(70%)、中間と最終提出するレポート(30%)
到達目標に照らして、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。
- <教科書>
- 指定しない。
- <参考書>
- 奥村 学 自然言語処理の基礎 コロナ社
グラム・ニュービッグ(著)自然言語処理の基本と技術,翔泳社 徳永 拓之 日本語入力を支える技術 技術評論社 他、適宜紹介する。
- <オフィスアワー>
- A2316で、火曜日、4、5時限目、質問を受け付ける。
また、事前に連絡があれば、上記以外でも受け付けることができる時間がある。 連絡先等は、第一回授業で示す。
- <学生へのメッセージ>
- 自然言語を計算機で扱う基礎を身につけることで、web上や様々な言語データを扱うことができるようになります。
また、人の言語処理過程を知ることで、コミュニケーション研究の礎となります。 言葉を扱う研究を推進する学生だけでなく、様々な領域の学生にぜひ学んで欲しい。
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