2018年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

人工知能(Artificial Intelligence)[1L12]

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2単位
永野 秀尚 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
これまでのコンピュータの応用が主として数値処理に重点が置かれていたのに対し、人工知能は人間が行なう推論や判断などの高度な知識処理をコンピュータに行なわせることを主眼としている。従って、21世紀におけるコンピュータの応用分野として大きく期待されている。本講義では、人工知能の基礎理論として、問題の表現と解決、解の探索、論理と推論、知識表現、コンピュータがパターンを認識するためのパターン認識、コンピュータがデータから知識を自動的に獲得する機械学習、コンピュータが人の言葉を理解する自然言語処理について、講義と演習を通じて学習する。

<受講にあたっての前提条件>
コンピュータの基本的な概念とアルゴリズムの基本的な考え方を取得していることが望ましい。

<具体的な到達目標>
・人工知能における問題解決の考え方を習得し、代表的な理論を理解する。

<授業計画及び準備学習>
第1回 序論:
 人工知能の基礎概念、定義、歴史、研究対象、近年の状況について学習する。
 事前学習:講義資料の予習
第2回 問題解決の枠組み:
 問題の定式化とその表現方法、問題解決のプロセスについて、AND/OR木などを学習する。
 事前学習:講義資料の予習
第3回 探索(1):
 探索の概念について述べ、幅優先探索、深さ優先探索、分岐限定法などの基本的な探索法について学習する。
 事前学習:講義資料の予習
第4回 探索(2):
 山登り探索、最良優先探索、A*アルゴリズムなどの評価関数を利用した探索法を学習する。
 事前学習:講義資料の予習
第5回 論理と推論(1) 命題論理:
 論理とは、命題論理を用いた問題の表現と解釈、論理式の意味、推論による問題解決について学習する。
 事前学習:講義資料の予習
第6回 論理と推論(2) 述語論理:
 述語論理式の構文(限量記号、自然言語文の述語論理式への翻訳、スコーレム標準形)、述語論理式の意味論(解釈、充足可能性、論理的帰結)について学習する。
 事前学習:講義資料の予習
第7回 論理と推論(3) 推論、論理プログラミング:
 論理式を用いた問題の解決(ホーン節による導出の効率化)、Prologによる問題の解決を学習する。
 事前学習:講義資料の予習
第8回 知識表現(1) 意味ネットワークとオントロジー:
 知識の表現形式、意味ネットワーク(概念の性質、推論)、オントロジー(定義、利点、種類、使用例)について学習する。
 事前学習:講義資料の予習
第9回 知識表現(2) 不確実性の取り扱い:
 ファジー理論(クリスプ集合とファジー集合、ファジー集合の表現方法、ファジー推論)、ベイズ理論(ベイズ確率、ベイジアンネットワークモデル、ベイジアンネットワークによる推論)を学習する。
 事前学習:講義資料の予習
第10回 パターン認識:
 パターン認識の基本概念、基礎となる学習と識別関数、特徴表現について学習する。
 事前学習:講義資料の予習
第11回 パターン認識と機械学習(1):
 機械学習の意義と定義、機械学習の基礎、教師あり学習、教師なし学習について学習する。
 事前学習:講義資料の予習
第12回 パターン認識と機械学習(2):
 機械学習と関連の深いパターン認識技術について学習する。
 事前学習:講義資料の予習
第13回 自然言語処理:
 コンピュータによる自然言語処理に関する最近の話題と、コンピュータによる自然言語処理に必須な形態素解析、構文解析、意味解析について学習する。
 事前学習:講義資料の予習
第14回
 学習内容の振り返り
 事前学習:前回までの復習

<成績評価方法>
・授業にきちんと出席することが成績評価の前提。
・定期試験期間に定期試験を実施する。また、通常の講義において演習課題の提出を求める。
・評価の比率は定期試験50%、演習課題50%とする。
・A+、A、B、C、D、FのGrade評価でD以上の者を合格とする。

<教科書>
指定教科書なし。(講義資料を配布予定)

<参考書>
・馬場口登、山田誠二「人工知能の基礎 第2版」オーム社
・小林一郎「人工知能の基礎」サイエンス社
・太原育夫「新 人工知能の基礎知識」近代科学社
・國藤進、羽山徹彩、中田豊久「知識基盤社会のための人工知能入門」コロナ社
・S. Russel, P. Norvig「Artificial Intelligence: A Modern Approach, Global Edition」Pearson Education Limited
・中川聖一編著「音声言語処理と自然言語処理」コロナ社
・石井健一郎、上田修功、前田英作、村瀬洋 「わかりやすいパターン認識」オーム社

<オフィスアワー>
授業の後に講義場所で。

<学生へのメッセージ>
人間の知能のような高度な機能をコンピュータで実現しようとする人工知能は大変に夢のある学問です。また、人間が取り扱えないような大量のデータの解析など、人間を超えるような機能も現在では実現されてきています。このような人工知能についてわかりやすく解説するのでぜひ受講してください。


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