2018年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科
オブジェクト指向プログラミング演習(PBL)(Exercises in Object-oriented Programming)[2P10]
1単位 倉林 有 非常勤講師
- <学位授与の方針>
◎ | 1. 基礎知識の習得 | | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
以下を目標とする。
● Java を用いて簡単なプログラミングができる
● Java プログラミングを通じて、オブジェクト指向プログラミングの基本的な概念を理解する
- <受講にあたっての前提条件>
● 履修登録と出席に関する条件
オブジェクト指向プログラム (4 限) とオブジェクト指向・演習 (5 限) 両方の出席を必須とする。即ち、片方のみの出席は認めない。
ただし、過去に片方を履修し、単位を取得している場合、もう片方のみの履修登録で良いものとする。その場合でも、両方への出席を必須とする。
● 受講上の条件
この授業では、以下を前提とする。
1. 学生が「自ら学習する」ことにより内容を理解する。
2. 教員は、単純に「教える」という行為を注意深く避け、「アドバイス」を行うように努める。
3. 分からないことがあれば、学生は教員に必ず「質問」しなければならない。
3-1. 質問は、どのように些細なことであっても構わない。
3-2. 質問したからと言って、答や解法が得られるとは限らない。
3-3. それでも学生は、角度を変えた質問を続けることによって、問題解決の道を探らなければならない。
- <具体的な到達目標>
● クラスの作成と利用
● オブジェクト指向プログラミングの基本的な概念の理解と、Java による実現
- <授業計画及び準備学習>
● 授業の特徴
この授業では、教科書の内容を丁寧に理解しながらプログラミングすることにより、学習を進める。
● 準備学習
余裕をもって下記予定に追従できるよう、教科書を適宜利用して準備学習をすること。
● 予定
これまで習得してきたはずの言語と共通する内容が多いため、教科書の 5 章までは、進行速度を速くしている。一方で、6 章以降はオブジェクト指向言語、あるいは Java 特有の事項が増え、内容の密度も濃くなるので、5 章以前よりは遅くしている。
以下が、オブジェクト指向プログラム、オブジェクト指向・演習共通の予定となる。左端の数字は基本的に授業回数を示しているが、進行状況により適宜調整する。各回の 3 行めには、その回の終了時までに学習を済ませるべき教科書の節とページを示している。
01: Java 事始め プログラムの実行、式、演算子 〜 2.9 節 (〜 p. 096)
02: 処理の流れを操り同種のデータを扱う 条件分岐、繰返し、配列 〜 4.10 節 (〜 p. 168)
03: 処理のまとめ方 メソッド 〜 5.9 節 (〜 p. 208)
04: 複数人で開発するための仕組 クラス、ソースファイル分割、パッケージ、名前空間、API 〜 6.10 節 (〜 p. 265)
05: オブジェクト指向事始め、雛形としてのコード オブジェクト指向の効果と本質、クラス定義 〜 8.3 節 (〜 p. 316)
06: 処理のための実体、実体の目印と初期化 インスタンス、参照、コンストラクタ 〜 9.2 節 (〜 p. 360)
07: データの隠蔽 static、アクセス制御、アクセサ 〜 10.8 節 (〜 p. 405)
08: 仕様変更に対応するための仕組 継承 〜 11.7 節 (〜 p. 442)
09: 知識確認課題 (〜 9 章)、継承のあれこれ is-a、抽象クラス 〜 12.3 節 (〜 p. 472)
10: 共通の処理や命令が使えるようにする インターフェース、多態性 〜 13.3 節 (〜 p. 513)
11:多態性のメリット、日付の処理 クラスのキャスト、java.util.Date 〜 14.1 節 (〜 p. 540)
12: 知識確認課題 (〜 12 章) 、標準機能の紹介、不測の事態への対応 java.lang.Object、ラッパークラス、例外 〜 15.2 節 (〜 p. 570)
13: 例外に関する処理 チェック例外、try-catch、例外の生成 〜 15.10 節 (〜 p. 599)
14: 知識確認課題 (〜 14 章) 学習内容の振返り
- <成績評価方法>
以下の 2 点に基づき、オブジェクト指向プログラム、オブジェクト指向・演習共通の成績評価を行う。
● 試験期間に実施する、それまでの授業内容すべてを範囲とする学期末試験 (40%)
● 知識確認課題 (60%)。
A+、A、B、C、D、F の 6 段階で成績を評価し、D 以上の者を合格とする。
- <教科書>
中山 清喬 他, "スッキリわかる Java 入門 第 2 版," 株式会社インプレス, 2014. https://book.impress.co.jp/books/1113101090
- <参考書>
【演習書】
Java プログラミングの演習書は意外と少ない。ここでは、比較的最近に出版され、内容もある程度評価できるものを紹介しておく。
大森 俊太郎, "Java 8 問題集," 株式会社 SCC, 2016. https://www.scc-kk.co.jp/scc-books/book_data/B-388/B-388.html
中島 雄洋, "Java の手ほどき 学習編," 株式会社誠文堂新光社, 2015. http://seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=4497
中島 雄洋, "Java の手ほどき 演習編," 株式会社誠文堂新光社, 2015. http://seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=4496
【リファレンス】
それぞれ性格の異なる内容のリファレンスを紹介しておくので、必要に応じて内容を確認した上で入手してほしい。
熏] 賢, "[改訂新版] Java ポケットリファレンス," 株式会社技術評論社, 2016. http://www.sbcr.jp/products/4797380149.html
Cay S. Horstmann, "Java SE 8 実践プログラミング," 株式会社インプレスジャパン, 2014. http://book.impress.co.jp/books/1114101010
Ken Arnold 他, "プログラミング言語 Java 第 4 版," 東京電機大学出版局, 2014. http://www.tdupress.jp/books/isbn978-4-501-55260-2.html
- <オフィスアワー>
非常勤のため、基本的に授業前後に教室にて、もしくは、メールでの対応となる。
- <学生へのメッセージ>
この授業では、教科書に記された内容を理解することに、集中することになる。
そのため、授業が始まる前に教科書の中身を確認し、それを用いて学習することに納得した上で授業に参加してほしい。
また、学習内容をより理解するために、各自には以下の行動を求める。
● 授業中に分からないことがあれば、とにかく教員に質問して解決すること。 ● 授業には必ず教科書を持参すること。 ● このシラバスを参考に、上記「予定」に後れを取らないよう学習すること。
授業中、分からないことが生じたにもかかわらず質問しない者は、合格が特に難しくなるだろう。
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