2018年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科
△情報ネットワーク論(Information Network Theory)[4D34]
2単位 小野 諭 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 本講義では、インターネットを中心とする情報ネットワークの基礎概念を理解し、その構成と動作原理、セキュリティについて学ぶ。
また、モバイル通信やクラウドなど、この分野に関連する新しい動向について知る。
- <受講にあたっての前提条件>
- 前提となる科目は特にない。ただし、「離散数学」を履修していることが望ましい。
(ただし、履修の必須要件ではない。)
- <具体的な到達目標>
- 以下の各項目について、体系的な知識を理解し習得するとともに、事例分析を通して比較的単純な事例について、自ら考察・適用できるようにする。
*インターネットの基礎 *情報ネットワークの基礎技術 *情報ネットワークの設計・構築 *情報ネットワークの運用・保守 *情報ネットワークのサービスと応用 *情報ネットワークのセキュリティ
- <授業計画及び準備学習>
- 1. オリエンテーション、情報ネットワークの歴史と変化
– ネットワークとセキュリティに関連した講義の相互関係 – 本講義の目的・内容と成績評価方法 – 情報学実験の内容との関係
2. 基礎技術: - データ通信の仕組みと働き – 情報システムをとりまく環境の変化 – インターネットの歴史と変化 – 「ネットワークのネットワーク」とは – ネットワーク・アーキテクチャの概要
3. 基礎技術: - プロトコルの階層と TCP/IP – ネットワークのプロトコルとレイヤー – 「ネットワークのネットワーク」とサブネット( L2 / L3 ) – TCP/IP プロトコルファミリの構成 – TCP/IP ファミリの主要プロトコル
4. 基礎技術: - ネットワークの接続形態・構造と機器 – 組織ネットワークのアーキテクチャの概要 – ネットワークの相互接続とセキュリティに用いる機器・サービス – 組織で重要な接続機器 ・L2 スイッチと L3 ルータ ・ファイアウォールと侵入検知システム ・Proxy と Reverse Proxy ・NAT / NAPT (Network Address and Port Translation)
5. 基礎技術: - パケット転送とサブネット – パケット転送におけるサブネットの位置づけ – サブネット内のパケット転送 – サブネットをまたがるパケット転送 – サブネット分割 – 事例研究: ロケーション/組織によるサブネット分割
6. 基礎技術: - ネットワーク基本サービス – ネットワーク基本サービス – DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) – DNS (Domain Name System) – ネットワーク認証 (例: Active Directory)
7. 基礎技術: - ルーティング・プロトコル – ルーティング・プロトコルの種類 – ルーティング・アルゴリズム – ルーティングのトラブル
8. 設計・構築 - 組織のネットワークの要求分析と設計事例 – ネットワークの分類と品質・セキュリティ – 企業の ICT アーキテクチャとネットワークとの関係 – 組織で重要な接続技術・サービス ・VLAN と 802.1p/Q ・802.1X セキュア無線LAN ・VPN,リモートアクセスの応用 ・クラウドサービスとの接続方法
9. 設計・構築 - 組織のネットワークの構築技法と構築・問題対応事例 – 組織内ネットワークの構築プロセス – 組織内ネットワークセグメントとその接続 – 各種の広域ネットワーク通信サービス – ネットワークの監視と問題対応
10. 運用・保守 - ネットワーク障害や災害時における対応方法 – ネットワーク障害とは – ネットワークへの攻撃 – 災害対策と情報ネットワーク – 事例検討: 他社の誤操作により自社の大規模なサービス停止を招いた事例
11. サービスと応用 - 公衆有線通信網サービスのアーキテクチャと技術 – アクセス網・集約網と基幹網 – アクセス網・集約網を支える技術 – 基幹網を支える技術 – 国際海底ケーブル網
12. サービスと応用 - モバイル通信網サービスのアーキテクチャと技術 – モバイル通信網サービス – モバイル通信におけるアクセス網とコアネットワーク – 3G/4Gモバイル通信サービス – 5Gモバイル通信サービス
13. セキュリティ - ネットワークセキュリティ リスクと対応策 – ネットワークセキュリティ – ネットワークへの攻撃と対策 – 事例検討: 大規模なネットワーク攻撃の事例
14. 全体のふりかえり
- <成績評価方法>
- 定期試験期間に試験を実施します。
到達目標に照らして6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し,D以上の者に単位を認めます。
ただし、単位取得には、授業の 2/3 以上の出席が必要です。 (教職介護などの実習で届け出があったもの、初回および補講(実施した場合)は出席とみなします。)
試験では下記のもののみ持ち込みできます。 - 講義ファイルを印刷したもの、 - 自筆ノート (手書きのものに限る。) 試験時間中、講義ファイルをスマホ・PCなどを使って閲覧することはできません
- <教科書>
- 事前に資料を kuport にて電子配布する。
必要に応じて、印刷プリントを配布することがある。
- <参考書>
- 講義の中で、適宜、参考となる資料を紹介する。
- <オフィスアワー>
- 毎週木曜3限
新宿キャンパス A1577
- <学生へのメッセージ>
- 情報ネットワークは、我々の日常生活に欠かすことができないものになっています。講義を通じて、経済的・快適で安全なネットを構成したり利用する方法を知ってもらいたいと思います。
単に利用するだけではなく、「その後ろ側はどうなっているのだろう」と好奇心をもって受講することを希望します。 また、情報ネットワークの知識は、セキュアシステムや高信頼性システム、安全なシステムについて学ぶ際の基礎となるので、3年次以降で当該分野を学びたい学生は、可能な限り、本講義を受講してください。
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