2018年度工学院大学 情報学部情報通信工学科
インターネット論(Internet Engineering)[5L09]
2単位 金田 泰 非常勤講師
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- インターネットにおける通信の基盤となるイーサネット,TCP/IP などのプロトコル,それらによるネットワーク構成法や動作,類似点や相違点,利用場面で必要な品質保証の方法などを理解すること.
- <受講にあたっての前提条件>
- 高卒程度の知識以外に必須の知識はとくにありませんが,パソコンにイーサネットやインターネットを接続して通信させ,その動作を理解する経験をしていれば理解のたすけになるとおもいます.
- <具体的な到達目標>
- イーサネットやインターネットによるネットワークのしくみや,そのうえのかんたんなプログラムの動作を理解することができ,単純なネットワークを設計することができるようになること.すなわち,ネットワークに関する専門分野知識を習得するとともに,それを応用できる汎用的問題解決技能を身につけること.
- <授業計画及び準備学習>
- インターネット (IP) とイーサネット,およびそれらの比較を中心として,コンピュータ・ネットワークの基礎を学習します.資料は極力,事前に Kuport に掲載するので,準備学習に利用してください.
1. さまざまなネットワークとその現状 (1 回弱, 第 1 回) コンピュータ・ネットワークだけでなく,それをとりまく携帯電話や,交通・輸送などのネットワーク,複雑ネットワーク,IoT などをみていきます.
2. 通信ネットワークの原理 (1 回弱, 第 1〜2 回) プロトコル,アドレス,1 対 1 の通信と放送,パケット交換と回線交換など,通信ネットワークの基本・原理を学習します.
3. イーサネット (LAN) (2 回くらい [演習つき], 第 2〜4 回) ローカルエリア・ネットワーク (LAN) や広域イーサネットなどでつかわれるイーサネットのしくみやネットワーク構成法などについて学習します.イーサネットの動作とかんたんなネットワークの設計に関するレポートを提出して採点後うけとります.
4. インターネットとインターネット・プロトコル (IP) (2 回, 第 5〜6 回) 世界をつなぐネットワークのネットワークであるインターネットのしくみやネットワーク構成法などについて学習し,その動作とかんたんなネットワーク設計に関する演習をおこないます.
5. インターネットとイーサネット (IP/Ethernet) (1 回, 第 7 回) イーサネットによるネットワークをインターネットにつなぐ方法を学習し,IP とイーサネットを比較し,それらの共通点・相違点に関する演習をおこないます.
6. ネットワーク・サービスの基礎プロトコル TCP と UDP (1 回くらい, 第 7〜8 回) インターネット上でさまざまなサービスを実現する基礎になるプロトコル TCP と UDP について学習します. TCP/IP を使用するネットワークの動作とかんたんなネットワーク設計に関する演習をおこない,レポートを提出して採点後うけとります.
7. インターネット上のネットワーク・サービス (2 回くらい, 第 8〜9 回) インターネット上で実現されているメールや FTP,WWW,IP 電話などのサービスのしくみを学習します.
8. インターネットの QoS (1 回くらい, 第 10 回) インターネットでの通信品質 (QoS) を確保するためのしくみ (IntServ, DiffServ 等) について学習します.
9. プロトコルとネットワークの階層構造 (1 回くらい, 第 11 回) さまざまなプロトコルをかさねて高機能なネットワークをつくったり,ネットワークどうしがつながって複雑なネットワークができるしくみを学習します.
10. プライベート・ネットワークとネットワーク仮想化 (1 回くらい, 第 12 回) インターネットのようなパブリックなネットワークのうえにプライベートなネットワーク (秘密がまもられ,IP にもとづくパブリック・ネットワークにしばられないネットワーク) をつくる方法について学習します.
11. ネットワーク・セキュリティ (1 回, 第 13 回) ネットワーク上での秘密漏洩やサービス妨害などとそれらを防止する方法について学習します.
12. 学習内容の振り返り (定期試験)
- <成績評価方法>
- 最後におこなう試験の成績で 60%,2 回の提出を予定しているレポートで 40%,その合計得点が 60/100 以上の場合に単位を認定します.レポートは採点後返却し,試験に関してもメイル等でできるだけフィードバックします.
- <教科書>
- 教科書は指定しませんが,担当教員の以前の講義で参考書の最初にあげた「新しい情報ネットワーク教科書」を教科書としたので,今年度も講義内容や構成はこの本に比較的ちかくなるとおもいます.
- <参考書>
- 講義内容の概要と一部の図は Kuport に掲載し紙で配布します.極力,事前に Kuport に掲載するので,準備学習に利用してください.井戸 伸彦 著 「新しい情報ネットワーク教科書」の図などを利用します.ネットワークだけでなくコンピュータに関するさまざまな基本知識が凝縮された参考書として,「あなたはネットワークを理解していますか?」 (SoftBank Creative) をあげておきます.読んで損はない本だとおもいます.複雑ネットワークに関する参考書として,増田 直紀,今野 紀雄 著 「「複雑ネットワーク」 とは何か」 (講談社) を推薦します.他の参考書は講義のなかで必要に応じて紹介します.
- <オフィスアワー>
- 毎週金曜日の授業時間の前後.非常勤講師室 (教務課のとなり).
それ以外の日時の連絡先: yasusi@kanadas.com
- <学生へのメッセージ>
- 聞くだけ・うつすだけの授業でなく手をうごかして理解すること,その結果をレポートでたしかめて,試験でみなさんがよい成績をとれるようにすることをめざします (努力しなくてもよい成績がとれるということでは,もちろんありません).
- <参考ホームページアドレス>
- http://www.kanadas.com/kogakuin-cn/ (以前担当していた第 2 部の「コンピュータネットワーク」のブログです.この講義にひきつぐつもりですが,まだ「インターネット論」についてはほとんど書いていません.)
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