2018年度工学院大学 情報学部情報通信工学科

通信ソフトウェア論II(Communications Software II)[3E13]

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2単位
水野  修 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
情報通信システム実現のために必須となる,ネットワークソフトウェア開発やプロジェクト管理に関する基本的な知識や手法について学ぶ.同時にJavaを用いた小規模なプログラム開発演習を通じて,オブジェクト指向プログラミングのスキルを身につける。

<受講にあたっての前提条件>
・プログラミングに関する授業などを通じ,C言語の型宣言,配列,繰り返し,条件分岐,関数呼出など初歩的なプログラミングスキルを持っていること.
・「システムソフトウェア」「通信ソフトウェア論I」とは連続しないが,受講していることが望ましい.

<具体的な到達目標>
・ソフトウェア工学の基本を理解し,基本/応用情報技術者資格の関連部分に相当する知識を身につける.
・Javaの,クラスとオブジェクト,継承,マルチスレッド,オブジェクト間通信のプログラムができ,またコードが読めるスキルを身につける.

<授業計画及び準備学習>
1. オリエンテーション,ネットワークソフトウェアとは(座学)
 講義の進め方を説明します.またネットワークソフトウェアやソフトウェア工学について理解します.
 準備:教科書の1章(p1-9)を読んでおくこと.
 復習:不要

2. 通信ソフトウェアプログラミング(1):型変換,制御文,配列)
 Javaの開発環境であるEclipseの操作を覚えます.JavaとCの違いを理解し,Javaの簡単な入出力を行えるようにします.
 準備:C言語のプログラムを復習しておくこと.
 復習:演習課題を期日までに提出すること.

3. 通信ソフトウェア開発手法(1): ネットワークソフトウェアの基礎
 ネットワークソフトウェアとは何かを理解し,簡単な工数計算やプロジェクト管理手法を学びます
 準備:教科書2章(P.11-21)を読んでおくこと.
 復習:講義で指定する演習問題を解くこと.

4. 通信ソフトウェアプログラミング(2): スレッドと共通リソース制御複数のオブジェクトが並行して動作させる”スレッド”を理解し,これを用いた共通リソース管理の簡単なプログラミングができるようにします.
 準備:C言語のプログラムを復習しておくこと.
 復習:演習課題を期日までに提出すること.

5. 通信ソフトウェア開発手法(2):ネットワークソフトウェアアーキテクチャ
 ネットワークソフトウェアのアーキテクチャとは何かを理解し,SIPなど代表的な処理手順を学びます
 準備:教科書3章(P.23-36)を読んでおくこと.
 復習:講義で指定する演習問題を解くこと.

6.通信ソフトウェアプログラミング(3):オブジェクト間のデータ受け渡しとキュー 
 スレッドの実行を条件によって制御する”wait”,”notify”を理解し,これを用いたオブジェクト間のデータ受け渡しを,キューを用いて非同期でできるようにします.

7. 通信ソフトウェア開発手法(3):サービス設計
 サービス設計の上流工程の手法を学び,あわせてオブジェクト指向の動作を学びます
 準備:教科書6章(P.79-90)を読んでおくこと.
 復習:講義で指定する演習問題を解くこと.

8. 通信ソフトウェアプログラミング(4):データベース
 SQLを用いて,データベースを利用できるようにします.
 準備:前回の演習(オブジェクト間のデータ受け渡しとキュー)を復習しておくこと.
 復習:演習課題を期日までに提出すること.

9. 通信ソフトウェア開発手法(4):ネットワークサービスを実現する要素
  ネットワークサービスを実現する要素を学び,あわせて簡単なデータ設計手法について理解します
 準備:教科書7章7.1,7.2(P.91-100)を読んでおくこと.
 復習:講義で指定する演習問題を解くこと.

10. 通信ソフトウェアプログラミング(5):ソケット通信
 回線を通じたメッセージのやり取りを行うために,ソケットを用いた通信方法を理解します
 準備:前回,前々回の演習(キュー,データベース)を復習しておくこと.
 復習:演習課題を期日までに提出すること.

11.通信ソフトウェア開発手法(5):プロトコル設計
  ネットワークサービスを実現するためのプロトコル設計と検証を学び,簡単なプロトコルの設計手法について理解します
 準備:教科書5章5.1〜5.3(P.53-61)を読んでおくこと.
 復習:講義で指定する演習問題を解くこと.

12. 通信ソフトウェアプログラミング(6):通信システムの実現
 通信ソフトウェアプログラミング(2)〜(5)で理解した技術を組み合わせて簡単な通信システムを実現します.
 準備:前回までのの演習を復習しておくこと.
 復習:演習課題を期日までに提出すること.

13.通信ソフトウェア開発手法(6):ソフトウェアの品質管理
 通信ソフトウェアの品質を担保するための品質管理について理解し,幾つかの事例について判断できるようにします.
 準備:教科書8章8.1〜8.4(P.110-121)を読んでおくこと.
 復習:講義で指定する演習問題を解くこと.

14.学習内容の振り返り

<注意>
・各演習課題については,個別にメールにて,受理/要再提出を知らせます.要再提出の場合は,メールで指定する期日までに再提出しなければなりません.
・休講/補講がある場合,演習室の利用可能状況により順序が変わることがありますので,掲示やキューポートで確認してください.

<成績評価方法>
・演習の取り組みと,試験期間に実施する試験により知識の修得度を測定する.
・定期試験(59点満点)+演習課題点(計41点) の合計で,100点中60点以上を合格とする.
  ただし,演習課題が指定された日時から遅延した場合は,演習課題点合計を10点とする.
      指定した最終提出日を過ぎても受理されいない演習課題が一つでもある者は,演習課題点合計を0点とする (試験が満点でもFとなる).

<教科書>
・座学:角田良明(編著)「ネットワークソフトウェア」(共立出版,ISBN978-4-320-12316-8)
・演習では,授業で使う資料をキューポートにアップロードしておくので,必ず事前に入手しておくこと.

<参考書>
小林健一郎”これならわかるJava(改訂版)”,講談社
結城浩 ”[改訂3版]Java言語プログラミングレッスン(上下)”ソフトバンククリエイティブ,ISBN978-4797371253,ISBN978-4797371260
市販のJavaの参考書類(自分に合うと思うもの)

<オフィスアワー>
火曜日11:00-12:30,13:30-15:00  A-2217室

メールでの質問,問い合わせは
omizuno_at_ieee.org (_at_を@に置き換えること)

<学生へのメッセージ>
産業としてのソフトウェア開発を進めたり,道具としてプログラミングを行うための知識や技能を身につけるために,開発支援ツールを活用したJavaプログラミングによる演習を行いながら講義をすすめます.

<備 考>
メールで演習課題の結果を送るので,学籍番号@ns.kogakuin.ac.jpのメールを確実に受け取れるようにしておくこと.


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