2018年度工学院大学 情報学部情報通信工学科

情報社会と情報倫理(k)[3B21]

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2単位
林  真理 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
情報社会の現状を学ぶとともに、そこで生じうる倫理的問題や情報社会のあるべき姿について考察を深めます。
 実際に起こったできごと、具体的な事例をもとに、問題点は何であるかを考えていきます。具体的な解決策よりも、問題の本質をつかむことが重要となります。その場限りの解決策を考えて満足するのではなく、今後の情報社会で起こりうる新たな問題に対処する力をつけることがねらいです。
 さまざまな問題に関心をもち、自分なりに考察し、意見をもてるようになることも重要です。

<受講にあたっての前提条件>
特にありません。

<具体的な到達目標>
常に進化し続ける情報社会を理解するための重要な考え方を知る。
情報倫理に関する重要な問題についてそれぞれ、基本的な知識を参照しながら、異なる意見の存在にも配慮した上で、自分の考えを述べることができる。

<授業計画及び準備学習>
1. 情報社会がもたらす様々な倫理的・社会的問題
本科目の学習内容、到達度、学習方法、課題等について理解する。授業理解の前提となる知識として、情報社会とは何か、倫理とは何かについて簡単に理解する。
準備学習:シラバスを読んでくる。
2. 倫理の前に:常識・マナー
世の中で情報倫理と呼ばれることもある常識、マナーレベルのことに関して確認をする。また、それと同時に、その背後に、情報社会の特質や情報倫理の問題が存在していることを知る。
準備学習:毎週出る課題を提出する。
3. メディアリテラシー(1)メディアリテラシーの基礎
メディアリテラシーの基本的な考え方を知り、ポスト真実時代におけるメディアリテラシーのあり方について考える。
準備学習:毎週出る課題を提出する。
4. メディアリテラシー(2)具体例について考察する
メディアリテラシーの考え方を踏まえた上で、インターネット上のフィルターバブル、サイバーカスケード状況のもとで、コミュニケーションが可能なのかを考える。
準備学習:毎週出る課題を提出する。
5. 有害情報と倫理
情報通信メディアの発展に伴う有害情報の広がりについて知る。また、有害情報から子どもを守る技術と社会のあり方について考える。
準備学習:毎週出る課題を提出する。
6. 個人情報・プライバシー情報の倫理(1)
プライバシー権と個人情報の基礎知識を理解する。
準備学習:毎週出る課題を提出する。
7. 個人情報・プライバシー情報の倫理(2)
プライバシーをめぐる新しい問題と言われる「忘れられる権利」を事例として考察する。
準備学習:毎週出る課題を提出する。
8. 監視社会という問題
監視社会の意味と問題点を考える。
準備学習:毎週出る課題を提出する。
9. 人を対象とする実験と倫理
研究活動に伴う一般的な倫理問題について理解する。また人を対象とした実験の倫理について考える。
準備学習:毎週出る課題を提出する。
10. 知的財産を巡る情報倫理
知的財産の基本的な考え方を理解する。プログラミングやその他情報技術の開発、活用において重要となってくる知的財産の問題の所在について理解し、基本的な考え方とのつながりを考える。
準備学習:毎週出る課題を提出する。
11. 情報技術者の倫理
技術者倫理の基本的な考え方を理解する。情報技術に関わる専門職業人としての責任にはどのようなものがあるかを学び、また考察することによって知識を深める。
準備学習:毎週出る課題を提出する。
12. 人工知能のもたらす社会的問題
人工知能技術をめぐって生じている倫理問題を考察し、新しい技術を社会が受け入れることに伴う問題を考える。
準備学習:毎週出る課題を提出する。
13. 情報通信メディアと社会
情報技術の発展が明らかにしてきた社会の問題点を理解し、情報技術が作り出す新しい情報社会の未来像について考察する。
準備学習:毎週出る課題を提出する。
14. 学習内容の振り返り
準備学習:これまでの課題を振り返っておく。

<成績評価方法>
毎週、授業内容と関連したレポートを課します(36%)。また、授業内容に関する質問やコメントを求めます。さらに、授業内に演習を行い、ディスカッションに参加して、その結果を残してもらいます(64%)。それらの合計点に基づいて6段階のグレードで評価します。試験期間中の試験はありません。

<教科書>
なし。プリントおよび電子教材で資料を配布します。

<参考書>
特にありません。ただし授業中に参考書籍を指示します。

<オフィスアワー>
前期は水曜日の11:00-11:30、後期は月曜日の9:30-10:00。新宿キャンパス27F2714室。その他の時間を希望する場合は、ft12153@(以下皆さんと同じ)のアドレスまでメールで問い合わせて下さい。疑問や相談のある場合は、積極的に問い合わせて下さい。

<学生へのメッセージ>
すばらしい技術であればあるほど、それが引き起こしかねない問題も重大なものになります。工学院大学で学ぶ皆さんには、人間や社会に関する深い洞察を持ち、技術のすばらしさと問題点の両方を見きわめられる知性を身につけた社会人として巣立って欲しいと思います。

<参考ホームページアドレス>
http://intra.ns.kogakuin.ac.jp/~ft12153/ 授業アンケート結果とそれに対するコメントなどを公表しています。


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