2018年度工学院大学 建築学部

幾何学I(Geometry I)[3N13]

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2単位
大竹 秀一 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
微分積分T・Uでは時間の制約があり幾何学への応用まで至らないようである。本科目はそれを補い、微分積分の理解を深めることが目標である。主な授業のねらいは
  • 平面曲線・空間曲線の形状を数量的に把握する。
  • 線積分・面積分・体積分の計算を通して、各種積分公式の内容を理解する。

  • <受講にあたっての前提条件>
    微分積分T・Uを単位取得または履修中である。

    <具体的な到達目標>
    1. 平面曲線に対し曲率・曲率円を求めることができる。
    2. 空間曲線に対し曲率・捩率を求めることができる。
    3. 線積分・面積分・体積分の計算ができる。
    4. 各種積分公式(ガウスの定理、グリーンの定理、ストークスの定理等)が理解できる。

    <授業計画及び準備学習>
    1. パラメータ表示された平面曲線の接線・長さ:
      平面曲線が一つの変数(パラメータ)を用いて表されることを紹介し、接線の求め方について学ぶ。特に接線の(微小な)長さを積分することで、曲線の長さが求まることを理解する。
      準備学習:一変数関数の微分と積分について復習しておく。
    2. 平面曲線の弧長パラメータ表示とその性質・曲率:
      平面曲線のパラメータ表示のうち、特に大切な弧長パラメータ表示を紹介する。特に弧長パラメータ表示された曲線の各点での接ベクトルの長さ(その点での速さ)が1となることを理解し、曲率の概念について学ぶ。
      準備学習:曲線のパラメータ表示と微分の公式について復習しておく。
    3. 平面曲線の曲率の性質T(平面曲線に対するフルネ・セレの公式):
      弧長パラメータ表示された平面曲線に対し、曲率の具体的な計算法を学んだ後、平面曲線に対しフルネ・セレの公式を紹介する。
      準備学習:曲線の弧長パラメータ表示について復習しておく。
    4. 平面曲線の曲率の性質U(平面曲線の曲率と曲率円):
      弧長とは限らないパラメータで表示された曲線に対し、曲率の具体的な計算法を学ぶ。また平面曲線に対し、曲率円の方程式も求められるようにする。
      準備学習:前回解いた問題の復習をしておく。
    5. 空間曲線の長さ・弧長パラメータ表示:
      空間曲線の長さを表す公式を紹介し、平面曲線の場合と同様に弧長パラメータ表示を持つことを示す。
      準備学習:平面曲線の長さと弧長パラメータ表示について復習しておく。
    6. 空間曲線の曲率・捩率T(空間曲線の曲率・捩率):
      空間曲線に対し曲率と捩率という概念を導入し、具体的な例について紹介する。
      準備学習:前回解いた問題と平面曲線の曲率について復習しておく。またベクトルの外積についても復習しておく。
    7. 空間曲線の曲率・捩率U(空間曲線に対するフルネ・セレの公式):
      空間曲線の曲率・捩率の具体的な計算法について学んだ後、フルネ・セレの公式(空間曲線の場合)を紹介する。
      準備学習:空間曲線の曲率・捩率について復習しておく。また平面曲線に対するフルネ・セレの公式についても復習しておく。
    8. 曲面と接平面:
      3次元空間内の曲面の表示方法について紹介した後、特にパラメータ表示された曲面に対し、その接平面の求め方について学習する。
      準備学習:空間曲線について学んだことを復習しておく。
    9. 曲面積:
      パラメータ表示された曲面の面積(曲面積)の求め方について学ぶ。また、回転面の面積の求め方についても学習する。
      準備学習:前回解いた問題について復習しておく。また、重積分についても復習しておく。
    10. 線積分:
      平面曲線・空間曲線の長さを表す公式を見直すことで、これらを特別な場合として含む線積分という概念が自然に定義されることを紹介し、その具体的な計算方法について学ぶ。
      準備学習:平面曲線・空間曲線の長さを表す公式について復習しておく。
    11. 面積分:
      曲面の面積を表す公式を見直すことで、これらを特別な場合として含む面積分という概念が自然に定義されることを紹介し、その具体的な計算方法について学ぶ。
      準備学習:曲面積について復習しておく。
    12. 体積分:
      2重積分を見直すことで3重積分も同様に定義されることを復習し、体積分の概念を導入する。またその具体的な計算方法についても学ぶ。
      準備学習:線積分・面積分について復習しておく。
    13. 各種積分公式の紹介:
      これまで学んできた内容を総動員してガウスの定理、グリーンの定理、ストークスの定理等の有名な各種積分公式を紹介する。
      準備学習:線積分・面積分・体積分について復習しておく。
    14. 学習内容の振り返り:
      準備学習:授業中に解けなかった問題の復習をしておく。

    <成績評価方法>
    試験期間に行う試験で評価する.到達目標に照らして6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し,Grade D以上の学生に単位を認める.ただし,2014年度以前に入学した学生については,100点満点で60点以上の学生に単位を認める.

    <教科書>
    • 指定教科書なし
    • 授業中にプリントを配布することがある。

    <参考書>
    • 理工科系一般教育 微分・積分教科書 占部 実・佐々木 右左 編 共立出版
    • じっくりと学ぶ曲線と曲面 -微分幾何初歩 中内 伸光 著 (共立出版)
    • 曲線と曲面-微分幾何的アプローチ 梅原 雅顕 山田 光太郎 著 (裳華房)
    • ベクトル解析入門 小林 亮・高橋 大輔 著 (東京大学出版会)
    • ベクトル解析 H.P.スウ 著 高野一夫 訳 (森北出版)

    <オフィスアワー>
    授業後、教室にて質問を受け付ける。


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