2018年度工学院大学 建築学部
○西洋建築史(History of Western Architecture)[5106]
2単位 中島 智章 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 西洋は「建築」という概念のふるさとである。その歴史について、各時代の装飾やデザインの特徴のみならず、どのような人々がどのような状況下でどのような意図を持ちどのような建築を建設していったか、多角的に学び理解する。さらには近現代の建築やわが国の伝統的な建造物とは異なる背景を持つ近代以前の西洋建築のあり方を学ぶことにより、近現代建築の真の革新性とわが国の伝統的な建造物の特質に対する理解を深める。
- <受講にあたっての前提条件>
- 既習科目、または並行履修科目についての前提条件は特にないが、高校の世界史の教科書を復習し、古代から近代までのヨーロッパ史の基本をおさえておくことが望ましい。
- <具体的な到達目標>
- 1)古代から近代初頭までの西洋建築の歴史の流れを理解し、自らの知識とする。
2)古代から近代初頭までの各建築様式、古典主義建築のオーダー、教会堂などに関連する、構造・構法、建築計画、建築意匠などの専門用語、建築家や建築作品などの固有名詞を理解し、自らの知識とする。 3)上記の知識を適用して西洋建築の様式・特徴などを分析できるようになる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. a)古代ギリシア建築−パルテノン神殿(アテネ)
b)古代ローマ建築−コロッセウム(ローマ) 古代ギリシア・ローマ建築の理論、形式、用語について 準備学習:教科書 pp.9-15、第1回授業レジュメを熟読し、該当する過去問を解く。 2. a)初期キリスト教建築−サン・ヴィターレ教会堂(ラヴェンナ) b)ロマネスク建築−サント・マリー・マドレーヌ教会堂(ヴェズレ) 初期キリスト教建築、ロマネスク建築の形式、用語について 準備学習:教科書 pp.16-39、第2回授業レジュメを熟読し、該当する過去問を解く。 3. a)ゴシック建築の誕生−ノートル・ダム司教座聖堂(パリ) b)ゴシック建築の伝播−カンタベリー司教座聖堂(カンタベリー) ゴシック建築の形式、用語について 準備学習:教科書 pp.16-39、第3回授業レジュメを熟読し、該当する過去問を解く。 4. a)初期ルネサンス建築−ブルネレスキとアルベルティ b)盛期・末期ルネサンス建築−ブラマンテ、ミケランジェロ、パラーディオ イタリア・ルネサンス建築の理論、形式、用語について 準備学習:教科書 pp.48-51 pp.55-57、第4回授業レジュメを熟読し、該当過去問を解く。 5. a)イタリア・バロック建築−サン・ピエトロ使徒座聖堂(ローマ) b)ヨーロッパ各地のバロック教会建築−カールスキルヒェ(ヴィーン) イタリア・バロック建築の形式、用語について 準備学習:教科書 pp.66-67、第5回授業レジュメを熟読し、該当する過去問を解く。 6. a)フランス・バロック建築−ヴェルサイユ宮殿(パリ郊外) b)ヨーロッパ各地のバロック宮殿建築とロココ様式−サン・スーシ宮殿(ポツダム) フランス・バロック建築の形式、用語、インテリアの諸様式について 準備学習:教科書 pp.40-47 pp.52-55 pp.58-65 pp.68-87 pp.94-95、第6回授業レジュメを熟読し、該当過去問を解く。 7. a)新古典主義建築−パンテオン(パリ) b)19世紀の様式建築−パレ・ガルニエ(パリ旧オペラ座) 新古典主義建築、19世紀の様式建築の理論、形式、用語について 準備学習:教科書 pp.88-93 pp.96-117、第7回授業レジュメを熟読し、該当過去問を解く。 8. 地中海世界の世界遺産建築をめぐる旅 〜アドリア海の都市と建築〜 第1回 城壁都市ドブロヴニク(クロアチア) 第1〜7回授業で得た知識を適用して紹介された事例を分析する。 準備学習:第8回授業レジュメを熟読する。 9. 地中海世界の世界遺産建築をめぐる旅 〜アドリア海の都市と建築〜 第2回 橋の町モスタル(ボスニア・ヘルツェゴビナ) 第1〜7回授業で得た知識を適用して紹介された事例を分析する。 準備学習:第9回授業レジュメを熟読する。 10. 地中海世界の世界遺産建築をめぐる旅 〜アドリア海の都市と建築〜 第3回 長城の町コトル(モンテネグロ) 第1〜7回授業で得た知識を適用して紹介された事例を分析する。 準備学習:第10回授業レジュメを熟読する。 11. 地中海世界の世界遺産建築をめぐる旅 〜アドリア海の都市と建築〜 第4回 城壁に囲われた港町ブドヴァ(モンテネグロ) 第1〜7回授業で得た知識を適用して紹介された事例を分析する。 準備学習:第11回授業レジュメを熟読する。 12. 地中海世界の世界遺産建築をめぐる旅 〜アドリア海の都市と建築〜 第5回 バロック都市レッチェ(イタリア) 第1〜7回授業で得た知識を適用して紹介された事例を分析する。 準備学習:第12回授業レジュメを熟読する。 13. 地中海世界の世界遺産建築をめぐる旅 〜アドリア海の都市と建築〜 第6回 建築家ジンバロとレッチェ(イタリア) 第1〜7回授業で得た知識を適用して紹介された事例を分析する。 準備学習:第13回授業レジュメを熟読する。 14. 学習内容の振り返り 準備学習:定期試験で解けなかった問題の解き方を考えておく。
- <成績評価方法>
- 定期試験を実施し、それによって最終成績を評価する。2015年度以降の入学生については、定期試験によって、古代から近代初頭までの西洋建築の基本的な建築様式、形式の理解度が十分だと認められる者に単位を授ける。また、古代から近代初頭までの西洋建築の構造・構法、 建築計画、建築意匠などの用語、および、建築家や建築作品などの固有名詞の理解度の度合いに応じてグレードを決定する(定期試験の得点とグレードの関係については上記「試験情報を見る」を参照)。2014年度以前の入学生については、定期試験の得点が60点以上の者に単位を授ける。
なお、再履修2回目の学生は所定のレポートを必ず提出しなければならない。このレポート提出が定期試験採点の前提であり、レポート未提出の者の定期試験答案は採点しない。レポート概要については上記「試験情報を見る」を参照すること。
- <教科書>
- 中島智章: 『図説 パリ 名建築でめぐる旅』、河出書房新社、2008年
上記のほか、各回授業レジュメ、および、「西洋建築史用語ルーブリック」を、キューポートの「共有フォルダ→170建築系学科フォルダ→授業資料フォルダー→西洋建築史」にアップロードするので、あらかじめダウンロードすること。
- <参考書>
- 日本建築学会編:『三訂版 西洋建築史図集』、彰国社、東京、1990年
鈴木博之編:『図説年表 西洋建築の様式』、彰国社、東京、1998年 グルッポ7:『図説 西洋建築史』、彰国社、東京、2005年 陣内秀信等著:『圖說西洋建築史』、蔡青雯訳、臉譜出版、台北、2009年(繁體中文)(上記書籍の繁体字・中国語訳) 中島智章:『図説 キリスト教会建築の歴史』、河出書房新社、2012年
- <オフィスアワー>
- 時間:後期金曜日の17:20〜17:50
場所:新宿キャンパス高層棟26階2676号室 その他、簡単な質問は授業前後に教室でも受け付ける。
- <学生へのメッセージ>
- 学士の学位を持って建築に携わるものとして恥ずかしくない知識は得てほしいが、昔の人がどのように建築物を建てたのかを学ぶことにより、彼らの苦労を身近なものとして感じてくれると幸いである。
- <備 考>
- 授業に関する情報はキューポート経由(メール転送はしない設定)で行うので、随時、個人宛お知らせを確認すること。下記ウェブサイトでも知らせることがある。
- <参考ホームページアドレス>
- https://www.facebook.com/kogakuin.architectural.history
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