2018年度工学院大学 建築学部
△微分積分II(Calculus II)[3213]
2単位 陸名 雄一 非常勤講師
- <学位授与の方針>
◎ | 1. 基礎知識の習得 | | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 多変数関数とくに2変数関数の微分(偏微分)と積分(重積分)について学習する。変数の数が増えると数式が複雑になり難しく感じるが、微分の考え方は1変数の場合と同様である。この点を理解し、微分・積分に対する広い視野を得ることを目指す。具体的な内容は、
・偏微分係数・偏導関数、合成関数の微分法とその応用、高階偏導関数、テイラー展開、極値問題 ・重積分と累次(繰り返し)積分、積分順序の交換、重積分の変数変換とその応用 などである。本科目の習得後は複素関数論、ベクトル解析など幅広い応用数学分野を学ぶことができる。
- <受講にあたっての前提条件>
- 微分積分Tで学んだ内容
- <具体的な到達目標>
- 1. 多変数関数の偏導関数を計算することができる。
2. 合成関数の微分法を正しく適用することができる。 3. 2変数関数の極値を求めることができる。 4. 重積分を累次積分に書き直して計算することができる。 5. 変数変換公式を利用して重積分を計算することができる。
- <授業計画及び準備学習>
- 1. 偏微分係数と偏導関数
偏微分の定義と意味を解説し、具体的な計算を行う。 準備学習:「微分積分T」で学習した微分の定義と意味および計算の復習をしておく。 教科書3-1節〜3-2節を熟読し、問題を解いておくこと。 2. 高階偏導関数 高階偏導関数の性質と計算法を解説し、簡単な関数へ適用する。 準備学習:教科書3-3節を熟読し、問題を解いておくこと。 3. 合成関数の微分法 多変数関数の合成関数とその偏微分について解説し、具体的な計算を行う。 準備学習:教科書A-9節を熟読しておくこと。 4. 2変数関数のテイラー展開 関数が無限級数によって表示できることを確認し、その意義を解説する。 準備学習:教科書3-4節を熟読し、問題を解いておくこと。 5. 2変数関数の極値問題 2変数関数の極値問題について解説し、簡単な関数に対して実践する。 準備学習:教科書3-5節を熟読し、問題を解いておくこと。 6. 偏微分法のまとめと演習 2変数関数の偏微分法について演習を行う。 準備学習:2変数関数の偏微分法について復習すること。 7. 中間試験 準備学習:第 6 回の演習で解けなかった問題について検討すること。 8. 単純領域上の二重積分 2重積分の概念を解説し、累次積分との関係について学ぶ。 準備学習:「微分積分T」で学んだ積分公式を十分に復習しておく。 教科書4-1節〜4-4節を熟読し、該当する問題を解いておくこと。 9. 一般領域上の二重積分、累次積分の順序交換 一般領域上の二重積分を累次積分へ帰着させる。二重積分の積分順序交換について学ぶ。 準備学習:教科書4-1節〜4-4節を熟読し、該当する問題を解いておくこと。 10. 累次積分の演習 累次積分の計算について演習を行う。 準備学習:第 8-9 回の内容を復習すること。 11. 変数変換 変数変換とヤコビアンについて解説し、二重積分に適用する。 準備学習:教科書4-5節を熟読し、問題を解いておくこと。 12. 極座標変換 極座標変換の具体的方法を解説し、二重積分に適用する。 準備学習:教科書4-6節を熟読し、問題を解いておくこと。 13. 変数変換の復習 二重積分の変数変換・極座標変換について演習を行う。 準備学習:第 11-12 回の内容を復習すること。 14. 学習内容の振り返り 準備学習:期末試験で解けなかった問題の解き方を教科書で確認すること。
- <成績評価方法>
- 授業にきちんと出席することが成績評価の前提。その上で、中間試験(授業内で実施、50%)と期末試験(試験期間中に実施、50%)の成績を到達目標に照らして、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。
- <教科書>
- 長谷川研二 他「理工系のための微分積分」培風館
- <参考書>
- 高木悟 他「理工系のための基礎数学」培風館
- <オフィスアワー>
- 授業終了後、教室にて質問を受け付ける。
- <備 考>
- 「理工系のための微分積分」「理工系のための基礎数学」の訂正は
http://home.att.ne.jp/air/satorut/book/index.html
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