2018年度工学院大学 建築学部建築デザイン学科

福祉施設計画(Architectural Planning of Welfare Facilities)[4E11]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
境野健太郎 准教授  
最終更新日 : 2018/12/14

<授業のねらい>
本講義では、日常の学生の生活では馴染みが薄く内容を理解しにくい福祉施設について、福祉施設のもつ機能と役割を総合的に理解した上で、施設計画の基本的な考え方を修得し、これからの福祉施設計画に必要な提案能力を身につけることを目的とする。

<受講にあたっての前提条件>
既習科目、または並行履修科目についての前提条件は特にないが、「ケアと住環境」を修得していることが望ましい。

<具体的な到達目標>
学習の到達目標は、福祉施設は利用する人の立場や場面によって要求が異なることを踏まえた上で、福祉施設のもつ機能と役割を総合的に理解することである。具体的には、福祉施設における生活や要求の多様化・複雑化に対し、建築空間がつくられるときの生活要求の捉え方を理解し、建築すべき空間の目的や機能を正しく把握することであり、設計上の課題を解決するためにさまざまな知識を総合的に活かす視点の重要性を認識することである。また、それぞれの福祉施設の社会的意義と計画の歴史や時代背景を理解した上で、施設計画の基本的な考え方を理解し、これからの福祉施設計画に必要な提案能力を身につけることである。

<授業計画及び準備学習>
下記の内容に加え、講義内容の理解に必要な一般教養や社会常識、あるいは時事問題などを説明するとともに、講義した内容を理解し、敷衍して考える力を身につけられるよう、講義内容へのコメントを求めたり小課題を課したりすることで、講義内容を理解しているか確認する時間を毎回の授業に設けます。
また、修得した知識を用いて分析や評価をすることで、創造的な提案能力を涵養できるよう、教員と学生が双方向で考えや意見を交わし議論する時間をグループワークの授業時間を中心に設けます。

09/13(木)第01回 ガイダンス
 準備学習:高齢者福祉施設の種類と設備基準について調べておく
09/20(木)第02回 超高齢社会と住まい
 加齢による心身の機能低下と住環境課題
 準備学習:高齢期の身体特性の変化と住宅内事故について調べておく
09/27(木)第03回 高齢者施設の設備的配慮
 福祉用具・療養具の利用と高齢者の自立
 準備学習:バリアフリーとユニバーサルデザインについて調べておく
10/04(木)第04回 高齢者施設への転居と環境移行
 高齢者施設を「住まい」にするための取り組み
 準備学習:リロケーションショックについて調べておく
10/11(木)第05回 高齢者施設における個人の尊厳と自己の毀損
 高齢者介護とプライバシー
 準備学習:コンフリクトマネジメントについて調べておく
10/18(木)第06回 ユニット型高齢者施設のハード理論
 個室ユニット型福祉施設の成立と変遷
 準備学習:介護保険3施設と介護保険制度について調べておく
11/01(木)第07回 高齢者施設におけるリスク・マネジメント
 要介護者の暮らしと危険予知
 準備学習:「医療の質」(ドナベディアン)について調べておく
11/08(木)第08回 高齢化に対応した魅力的なまちづくり
 地域包括ケアシステムとリタイアメントコミュニティ
 準備学習:日本版CCRCについて調べておく
11/15(木)第09回 グループワークによる福祉施設の事例調査
 福祉施設の事例を複数収集し、施設特性の違いと計画内容について分析・考察を行う
 準備学習:福祉施設の事例を収集し、整理してまとめておく
11/29(木)第10回 グループワークによる福祉施設の提案
 現状や将来予測を踏まえ、グループごとにこれからの福祉施設計画案を発表する
 準備学習:福祉施設の計画案を各自作成し、自分の提案の強みと弱みを確認しておく
12/06(木)第11回 グループワークによる福祉施設計画の総合討論
 福祉施設計画案について相互に議論し、講評をおこなう
 準備学習:さまざまな福祉施設の計画案をみて、自分の提案の強みと弱みを分析する
12/13(木)第12回 障害者の自立とノーマライゼーション
 障害者の社会参加と共生
 準備学習:国際生活機能分類(ICF)をもとに「障害」の定義について調べておく
12/20(木)第13回 障害者福祉の理念と障害者福祉施設
 障害者福祉施設の成立と関連法規
 準備学習:社会福祉施設の種類と設備基準について調べておく
01/17(木)第14回 学習内容の振り返り
 準備学習:前回までの総復習を行う

<成績評価方法>
評価はレポート、演習(発表)により行う。
講義の3分の2(9回)以上の出席をもって、成績評価の対象とする。成績評価は、レポート(50%)、演習発表(50%)を目安に判断し、総合的に評価する。

<教科書>
指定教科書なし。

<参考書>
指定参考書なし。参考となる文献については、講義の中で適宜紹介する。

<オフィスアワー>
毎週木曜日13:00〜13:30、新宿キャンパス25階 A-2573号室
講義の前後、または事前に sakaino☆cc.kogakuin.ac.jp まで連絡があった場合は、この限りではない。(☆を@に直してください)


ナンバリングはこちら
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2018 Kogakuin University. All Rights Reserved.