2018年度工学院大学 工学部電気電子工学科
○化学A(Chemistry A)[4527]
1単位 高見 知秀 教授
- <授業のねらい>
- 本授業は,大学の初年次に習得すべき基礎化学の内容を取り扱う。科学技術に支えられている現代社会は,化学による物質への理解を含む幅広い教養を求めている。本授業は,このような社会で必要とされる現代的な物質の捉え方を習得するために,物質の分類,物質を構成する基本粒子,物質の変化,物質の状態の基礎事項を身につける。また、物質と地球環境との関わりを学び、現代の技術課題と化学の原理を理解する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 高校の「化学基礎」程度の内容を身に着けておくことが望ましい。高校で化学を履修していない場合は,学習支援センターの基礎講座と個別指導を最大限利用することを薦める。各時間に提示される課題は、前回の復習を含むので、到達度を確認できる。新たな課題の予習に取りかかる前に、到達度に応じて複数回の復習を行い、確実な実力を身に付ける。
- <具体的な到達目標>
- 1) 原子の構造を理解し,化学結合の本質を説明できるようになる。
2) 化学反応に関する簡単な化学計算ができるようになる。 3) ミクロな分子とマクロな物質を結ぶ動的平衡の概念を理解する。 (JABEE学習・教育目標) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:D-1◎ 「機械システム基礎工学プログラム」:C-1◎ 「国際工学プログラム」:C-1◎
- <授業計画及び準備学習>
- 第1週:授業計画の説明,単位,数値の扱い,物質の分類,物質量
[学習内容] 授業計画と評価方法等を説明したのち,授業を開始する。 [学習準備] 教科書Aの3〜11ページと教科書Bの1〜5,23〜29,93〜95ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。 第2週:原子の構造とスペクトル、量子数と電子の軌道 [学習内容] 原子中の電子のふるまいと,量子数を基本とした電子殻の構造から電子配置を理解する。 [学習準備] 教科書Aの15〜19,21〜26ページと教科書Bの5〜10,95〜97ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。 第3週:イオン化エネルギーと電子親和力,周期表と周期律 [学習内容] イオン化エネルギーと電子親和力と電気陰性度,そしてそれらと周期律との関係を理解する。 [学習準備] 教科書Aの27〜34ページと教科書Bの7〜13,97〜98ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。 第4週:化学式と化学反応式,物質の三態と化学結合 [学習内容] 化学式と化学反応式の表記法を修得し,物質の状態と原子間結合の本質を理解する。 [学習準備] 教科書Aの37〜42,69〜77ページと教科書Bの14〜22,29〜32,98〜100ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。 第5週:溶液の性質と気体 [学習内容] 溶液の濃度計算、束一的性質や気体の状態方程式を理解する。 [学習準備] 教科書Aの83〜97ページと教科書Bの27〜29,32〜36,100〜101ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。 第6週:反応速度と化学平衡 [学習内容] 反応を原子の離合集散として化学方程式を用いて反応速度と化学平衡を理解する。 [学習準備] 教科書Aの56〜58ページと教科書Bの41〜46,101〜102ページを参考に,演習問題を解いて知識を定着させる。 第7週:学習内容の振り返り [学習内容] これまでの6回の講義内容を復習する。 [学習準備] 定期試験や講義での演習問題で解けなかった問題の解き方を考える。 注)授業内容を統一するため,化学担当教員と協議し上記のシラバスを調整することがある。
- <成績評価方法>
- 定期試験70%と授業中提出課題を30%で最終成績を評価し,Grade D以上の者に単位を認める。
- <教科書>
- A:「大学生の化学 Introduction」佐藤光史監修 河野博之,永井裕己 共著 培風館 ISBN978-4-563-04611-8
B:「大学と高校を結ぶ 化学基礎演習」佐藤光史監修 佐々一治,松山春男,永井裕己,徳永 健,高見知秀,望月千尋 共著 培風館 ISBN978-4-563-04628-6
- <参考書>
- 「エンジニアのための化学」M.J.Shultz 著, 長谷川哲也 訳(東京化学同人)
「化学 基本の考え方を中心に」A.Sherman, S. Sherman, L. Russikoff 著、石倉洋子,石倉久之 訳(東京化学同人) 「視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」(数研出版) 「DVD教材 化学:未来をひらくサイエンス CHEMISTRYシリーズ 第6巻"反応の量的関係" 第9巻"化学平衡"」
- <オフィスアワー>
- 火〜木曜日12:50−13:40(八王子キャンパス4号館3階04-308号室)。在室(八王子;4号館308)時は,いつでも質疑を受け付ける。メールで連絡・質問する場合は、ft13537@ns.kogakuin.ac.jpまで。
- <学生へのメッセージ>
- 情報と化学とは,一見無関係のように見えますが,情報学と実社会との関連を理解するためには,物質に対する根源的な知識,すなわち化学の知識が必要となります。また,理論・計算化学,ケモメトリックス,構造活性相関,バイオインフォマティクスなど,化学と情報の両方に亘る分野もあります。環境問題を含めてグローバルな視点を持った技術者にとって化学を理解することは必須です。
- <備 考>
- 講義で用いるスライドは、KUPORTと学内ホームページ(http://intra.ns.kogakuin.ac.jp/~ft13537/)からダウンロードできます。
- <参考ホームページアドレス>
- http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft13537/index.html
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