2018年度工学院大学 第1部機械システム工学科
複素関数論(Elementary Complex Function)[4P11]
2単位 木村 哲士 非常勤講師
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 複素関数論について学ぶ。複素数は実軸と虚軸を持つ2次元複素平面上の点として表現される。我々が自然界で出会う量はすべて実数や実関数であるが、実関数を複素関数に拡張することで、より豊かな世界が広がる。そこから実関数を眺めることにより、深い理解に到達することができる。複素関数の微分・積分を通して、複素関数論自体の数学的美しさが明らかになるが、それが流体力学・電磁気学・量子力学など現代の物理学や工学における種々の応用に欠かせないものとなっていることを理解する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 実数積分を行えること。
三角関数を理解していること。
- <具体的な到達目標>
- 複素数を自在に使えるようになる。
複素積分を実際に実行できるようになる。 実数積分に複素積分を応用できるようになる。 (JABEE学習・教育到達目標) 「機械システム基礎工学プログラム:D〇」
- <授業計画及び準備学習>
- 1. 複素数・複素平面
2. 複素関数 3. 複素関数の微分 4. コーシー・リーマンの方程式 5. 正則関数 6. 指数関数・対数関数・三角関数 7. べき乗根とリーマン面 8. 複素関数の積分 9. コーシーの積分定理 10. テイラー展開・ローラン展開・特異点 11. 留数と極、留数定理 12. 実関数の定積分計算への応用 13. 等角写像 14. 複素関数論のまとめ 15. 学習成果の確認(期末試験)
- <成績評価方法>
- 原則毎回の授業毎に宿題を実施する。宿題の提出具合と試験によって成績を評価する。
Grade D以上(2015年度以降の入学者)、成績評価C以上(2014年度以前の入学者)を合格とする。
- <教科書>
- 「理工系の数学教室2 複素関数とその応用」河村哲也(朝倉書店)
- <参考書>
- 具体的な計算を意識した参考書には「テキスト複素解析」小寺平治(共立出版)や「複素関数キャンパス・ゼミ 改訂3」馬場敬之(マセマ出版社)がある。
さらに系統的な教科書としては次を紹介する。 「複素解析」V.L.アールフォルス 著、笠原乾吉 訳 (現代数学社)。 「複素関数論講義」野村隆昭(共立出版)。
ほかに必要に応じ、講義中に適宜紹介する。
- <オフィスアワー>
- 質問等は、講義中およびその前後に講義の教室にてお願いします。
- <学生へのメッセージ>
- 講義中わからないことがあれば、すぐ質問してください。単に講義を聴いているだけで、よく理解することは容易ではありません。自ら問題意識をもって、学ぶよう心がけてください。
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