2018年度工学院大学 第1部機械システム工学科

応用解析学(Applied Analysis)[4L13]

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2単位
木村 哲士 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
工学の基礎的な法則は微分方程式で表現される。本講では、常微分方程式の復習から始め、偏微分方程式とその解法に必要な数学的手法を理解する。講義の大部分は、基本的でしかも広く現れる二階線形微分方程式(双曲型、放物型、楕円型)の初期値問題・境界値問題にあてられる。また、この解法に関連して、直交関数展開やフーリエ級数展開についても学ぶ。本講では解の存在や級数の収束性に関する詳細な議論は行わず、解を求めることや、その物理的意味に主眼を置く。

<受講にあたっての前提条件>
実数関数の微分、積分の初等的な知識を前提とする。
常微分方程式についても初歩的な知識は仮定する。
三角関数の知識を前提とする。
複素数の知識があると好ましいが、前提とはしない。

<具体的な到達目標>
物理法則が微分方程式で記述されることを理解する。
ラグランジュ偏微分方程式や全微分方程式を解けるようになる。
直交関数展開およびフーリエ級数展開を理解する。
簡単な場合の波動方程式・熱伝導方程式・ラプラス方程式を解けるようになる。
(JABEE学習・教育到達目標)
「機械システム基礎工学プログラム:D〇」

<授業計画及び準備学習>
1. 序論:微分方程式を諸条件
2. 1階偏微分方程式(1):ラグランジュの偏微分方程式
3. 1階偏微分方程式(2):完全解・一般解・特異解
4. 双曲型・放物型・楕円型(1):2階線形偏微分方程式の分類
5. 双曲型・放物型・楕円型(2):ラプラス方程式・熱伝導方程式・波動方程式
6. 変数分離法(1):固有値と固有関数
7. 変数分離法(2):解の重ね合わせ
8. 波動方程式(1):極座標における微分・ベッセルの微分方程式
9. 波動方程式(2):直交関数展開
10. ラプラス方程式の解(1):複素関数・オイラーの微分方程式
11. ラプラス方程式の解(2):ポアソンの積分公式・ルジャンドルの微分方程式
12. 固有関数展開法:非同次偏微分方程式
13. フーリエ変換とグリーン関数(1)
14. フーリエ変換とグリーン関数(2)
15. 学習成果の確認(期末試験)

<成績評価方法>
原則毎回の授業毎に宿題を実施する。宿題の提出具合と試験によって成績を評価する。
Grade D以上(2015年度以降の入学者)、成績評価C以上(2014年度以前の入学者)を合格とする。

<教科書>
「キーポイント 偏微分方程式」河村哲也 (岩波書店,理工系数学のキーポイント・10)

<参考書>
「偏微分方程式キャンパス・ゼミ 改訂2」馬場敬之 (マセマ出版社)
ほかに必要に応じ、講義中に適宜紹介する。

<オフィスアワー>
質問等は、講義中およびその前後に講義の教室にてお願いします。

<学生へのメッセージ>
講義中わからないことがあれば、すぐ質問してください。単に講義を聴いているだけで、よく理解することは容易ではありません。自ら問題意識をもって、学ぶよう心がけてください。


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