2018年度工学院大学 第1部機械システム工学科

線形代数学I(Linear Algebra I)[4H09]

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2単位
山崎 浩之 講師  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
理学・工学分野の専門知識を学ぶとき、線形代数の理解が必要となる場面はいたるところに現れる。
この講義では線形代数の基礎となっているベクトルと行列・行列式・連立一次方程式の計算法を、
実数の範囲で身につける。
易しい問題を独力で正確にしっかりと計算できるよう練習し、疑問を残さないことをめざす。

<受講にあたっての前提条件>
高校数学の範囲で、平面や空間の幾何学とベクトルを理解していること。
二元連立一次方程式を手早く確実に解けること。

<具体的な到達目標>
1. ベクトルや行列の加法・乗法が計算できる。
2. 与えられた連立一次方程式を、行列の形式で書き直すことができる。
3. 連立一次方程式の基本変形(掃き出し法)と行列の簡約化の計算が理解できる。
4. 行列の簡約化の計算ができ、それを利用して連立一次方程式を解くことができる。
5. 与えられた行列の正則性を判定でき、正則行列の逆行列を求めることができる。
6. 行列式の対称性が理解でき、行列式の基本変形の計算ができる。
7. 行列式の余因子展開ができ、行列式の値を求めることができる。
8. 連立一次方程式の解の公式(クラメルの公式)が理解できる。

(JABEE学習・教育目標)
「機械工学エネルギー・デザインプログラム」: D-1 ◎
「機械システム基礎工学プログラム」: C-1 ◎

<授業計画及び準備学習>
1. ガイダンス。 数ベクトルと幾何ベクトル。
授業の進め方と成績の評価方法について説明する。
数ベクトルと幾何ベクトルの算法について確認する。
準備学習: 教科書(下記)第1章の1.1〜1.4を熟読する。

2. ベクトルの乗法と面積・体積。
ベクトルの内積・外積の定義と、それらの幾何学的な意味を学ぶ。
平行四辺形の面積と、平行六面体の体積を求められるようになる。
準備学習: 教科書第1章の1.5〜1.7を熟読する。章末問題を解く。

3. 行列とその算法
行列の定義と、算法(和と積)について学ぶ。
行列の積が、行ベクトルと列ベクトルの積より組み立てられていることを、
しっかりと理解する。
準備学習: 教科書第2章の2.1〜2.5を熟読する。章末問題を解く。

4. 転置行列と逆行列。
転置行列と逆行列の定義について学ぶ。2次正方行列の逆行列が求められるようになる。
行列の算法が満たす各種の性質について確認する。
準備学習: 教科書第2章の2.6〜2.8を熟読する。章末問題を解く。

5. 小テスト。  行列の基本変形。
※前回までの範囲について、小テスト形式で理解度を確認する。
後半は、基本行列の定義と、行列の基本変形について学ぶ。
準備学習: 前回までの範囲について、十分に計算練習をしておく。
    : 教科書第3章の3.1〜3.2を熟読する。

6. 行列の階数と逆行列。
基本変形(掃き出し法)を用いて行列を簡約化することと、逆行列を求めることを学ぶ。
3次以上の行列について正則性を判定し、逆行列を計算できるようになる。
準備学習: 教科書第3章の3.3〜3.5を熟読する。章末問題を解く。

7. 連立一次方程式と行列。
行列を用いて連立一次方程式を表現できることを学ぶ。
拡大係数行列を基本変形することで、解が求められることを理解する。
準備学習: 教科書第4章の4.1〜4.3を熟読する。章末問題を解く。

8. 連立一次方程式を完全に解くこと。
連立方程式に解があるかないかを判定できるようになる。
また、解があるときそれが唯一つに定まるか無数に存在するかを見分け、
完全な解(一般解)を適切に書き表すことを学ぶ。
準備学習: 教科書第4章の4.4〜4.6を熟読する。章末問題を解く。

9. 小テスト。  置換。
※前回までの範囲について、小テスト形式で理解度を確認する。
後半は、行列式の定義を理解するために必要な、置換の計算を紹介する。
準備学習: 前回までの範囲について、十分に計算練習をしておく。
    : 教科書第5章の5.1〜5.2を熟読する。

10. 行列式の定義と行列式の性質。
置換の符号を用いた行列式の定義について学ぶ。
行基本変形に関する行列式の性質ついて理解する。
3次以内の行列式について、値を求められるようになる。
準備学習: 教科書第5章の5.3〜5.4を熟読する。章末問題を解く。

11. 行列式の性質と、余因子。
行列式の対称性と、行および列基本変形に関する行列式の性質について、
しっかりと理解する。
基本変形を用い、4次以上の行列式について値を求められるようになる。
行列式について、各成分の余因子について学ぶ。
準備学習: 教科書第5章の5.5〜5.6を熟読する。章末問題を解く。

12. 小テスト。 行列式の余因子展開。
※前回までの範囲について、小テスト形式で理解度を確認する。
後半は、行列式の余因子展開と余因子行列について学ぶ。
余因子行列を用いると、逆行列を書き表せることを理解する。
準備学習: 前回までの範囲について、十分に計算練習をしておく。
    : 教科書第5章の5.6を熟読する。

13. クラメルの公式
連立一次方程式の解の公式(クラメルの公式)について学ぶ。
準備学習: 教科書第5章の5.7を熟読する。章末問題を解く。
    : 期末試験に向けて全範囲を復習し、疑問点があれば質問できるようにしておく。

14. 学習内容の振り返り
準備学習: 期末試験で解けなかった問題を中心に復習しておく。

<成績評価方法>
授業内に行う小テストなどにより平常点 a(40点満点)を算出します。
試験期間内に実施する期末試験の得点を b(100点満点)とし、
c=min(75,a+b) および d=max(b,c) と定めます。
下記 1.〜4.に定めるように評価し、Grade D 以上の者に単位を認めます。
 1.80≦d であれば、Grade(A〜A+)と判定します。
 2.60≦d≦79 であれば、Grade(C〜B)と判定します。
 3.d≦59 であれば、Grade F(不合格)と判定します。
 4.(救済措置)期末試験終了後、希望者だけを対象として2〜3月中に再試験を実施し、
その得点を e(100点満点)とします。この場合、上記3.により不合格であり、
かつ 60≦e であったときに限り、判定結果を Grade D と置き換えます。
(救済措置では、平常点について一切考慮しません)

なお、授業の欠席については、1回あたり2点を平常点より減じます。
正当な理由なく期末試験を受験しなかった者は履修放棄と判断し、Grade F(不合格)
と判定した上で、救済措置の対象から除きます。

<教科書>
「理工系学生のための線形代数」高木悟、長谷川研二、熊ノ郷直人 著(培風館)

<参考書>
指定参考書なし。

<オフィスアワー>
新宿(後期):木曜日 16:00〜18:00 居室:27階 教育推進機構研究室(A-2724)
不在の場合もあるので、事前に連絡することを推奨します。
メールによる連絡は、アドレス ct10634[at]ns.kogakuin.ac.jp まで。
なお、簡単な質問は授業後の教室でも受け付けます。

<学生へのメッセージ>
たくさん問題を解いて、計算に慣れてください。ノートや計算用紙を惜しんで式を小さく書こうとすると、ごちゃごちゃして無駄に難しく感じます。紙を惜しまず大きな字を書いて計算するとよいでしょう。
欠席した場合と、教科書を持参しない場合は、平常点から減点します。


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