2018年度工学院大学 第1部機械システム工学科

機械設計学(Machine Design)[6D02]

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2単位
小川  雅 助教  
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
時代の変遷とともに,ものづくりに対する要求や考え方が変わってきている.特に,今世紀の日本においては,厳しい国際競争にさらされ,十分な安全性を確保しつつ,品質や性能の向上,価格の抑制など,相矛盾する複数の要求の最適化が問われている.本講義では,安全設計に携わることのできる技術者としての素養と倫理を身に着けることについて,まずは興味を持ってもらうために,現代のものづくりで必要とされている考え方や強度設計の方法について学ぶ.

(JABEE学習・教育到達目標)
「機械システム基礎工学プログラム」:(D)-(1)◎, (D)-(2)○

<受講にあたっての前提条件>
今日の機械設計においては,過去の経験を活かしながら,製造〜稼働中〜廃棄といった未来を考慮することが重要であり,事故や不具合を予見する力が求められている.そのため,普段の生活においても,先々のスケジュールを見越して行動し,組織と調和して実践する訓練が有効である.また,本講義では,並行科目として「材料力学T及び演習」が深く関係している.

<具体的な到達目標>
構造物の安全性評価の方法論について学び,現代のものづくりにおいて,どのような設計思想に基づいて安全性を確保すべきか,目的や状況に応じたアプローチを考えられるようにする.
(1)機械設計における設計思想・設計支援技術・製造時や維持・管理までを考慮した設計について理解し,実際の問題に照らし合わせて考えることができる.
(2)材料の性質,強度,剛性について理解し,使い分けの選択ができる.
(3)材料や外力のばらつきを考慮した信頼性設計の考え方がわかる.
(4)構造物の強度計算を行うことができ,適切に寸法を決定することができる.

<授業計画及び準備学習>
1.イントロダクション
  安全設計・稼働・検査を取り巻く環境の歴史的変遷

2.現代の機械設計と要求
  公式による設計と解析による設計,予見について

3.構造物の安全とユーザーの安心の科学
  安全から安心・安全へのパラダイムシフト

4.ばらつきと信頼性設計
  強度と外力のばらつき,統計的扱いと信頼性設計,安全率と信頼性,

5.強度設計の手法と変遷
  セーフライフ設計,フェールセーフ設計,損傷許容設計

6.製造物責任法
  製造物責任法の成り立ち

7.荷重,応力とひずみの基礎
  定義,垂直応力とせん断応力

8.応力−ひずみ線図,塑性変形
  材料の特性と変形挙動,0.2%耐力

9.はりのせん断力と曲げモーメントの基礎
  用語と定義,せん断力図と曲げモーメント図

10.はりのせん断力と曲げモーメントの応用
  例題と問題演習

11,学習成果の確認

12.断面二次モーメント,はりの曲げ応力
  断面二次モーメントとはりの曲げ応力との関係

13.軸のねじり
  ねじりとせん断応力,軸のねじりモーメント,

14.学習成果の振り返り(学習成果の確認・総合演習)

<成績評価方法>
定期試験期間内に実施する期末試験(80%),レポート(20%)の成績をもとに理解度をA+, A, B, C, D, FのGradeで評価する.Grade D以上を合格とする.また,レポートの提出と定期試験の受験は必須とする.

<教科書>
「指定教科書なし」,プリント資料配布

<参考書>
「材料強度学」日本材料学会編

<オフィスアワー>
土曜日12:30〜13:30(八王子校舎講師室)
メールでも質問を受け付ける(ogawa-masaru(at)cc.kogakuin.ac.jp)

<学生へのメッセージ>
何かの真似をするだけであれば,知識と理論で機械を設計できるかもしれません.前例のないものづくりをするためには,何が必要とされているのでしょうか?現代の機械設計は,知識や理論だけではできないからこそ,本講義に足を運んでもらう意義があるのです.


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