2018年度工学院大学 第1部機械システム工学科

プログラミング演習(Seminar in Programming)[3A10]

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1単位
佐藤 光太郎 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/12/14

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
プログラミング技術の習得をねらいとする演習形式の授業である.言語はMATLABを使用する.MATLABは,行列計算や制御系に強い応用範囲の広い言語である.1年で学習したプログラミング言語VBAを踏まえ,実際に機能するプログラムを作成できるようになることを目標とする.以下に具体的な到達目標を示す.
(1) MATLABによるプログラミングの基礎を習得し,使用することができる.
(2) プログラムの構造要素を理解し,プログラムを設計できる.
(3) 実際に機能するプログラムを作ることができる.

<受講にあたっての前提条件>
本科目を履修する前に,「情報処理入門」で情報処理に関する基礎的事項をしっかり身につけ,「情報処理演習」のVBAの演習でVBAの使用法とプログラミングの基本を身につけておく必要がある.また微分・積分や行列の取り扱いなど数学の基本事項について習得しておくこと.また「線形代数学I」,「工業数学A」と同時進行であるが,関連する部分が多い.さらに「工業数学B」にもつながる.
 修得後は,「数値計算法」「制御工学I・II」「デジタル制御」「機械力学及演習」「機械振動学」で工学問題に重要な役割を持つ数値計算や制御系の科目を学習することになる.また,「機械システム実験及演習」「機械システム設計総合演習」ではMATLABを用いた課題がある.これらの科目では,課題を解くためにプログラムを組むことができるようになっていることが期待される.さらに,「応用プログラミング演習」で他の言語やより高度なプログラミングについて学習し,最終的に卒論においてデータ処理や数値解析に利用することになる.また,他の専門科目の授業でも利用することができる.卒業後も現場で利用できる有益な言語である.

<具体的な到達目標>
機械システム基礎工学プログラムの学習・教育到達目標の(C)機械システム工学分野の技術者に求められる数学及び自然科学等の基礎知識と方法論を身につけ,(D)機械工学ならびにシステム工学とそれらの融合領域に体系づけられた専門知識とそれらを応用できる能力を身につけた技術者を育成するため,以下のことを具体的な到達目標とする.これは,学位授与の方針の(1-1)数学,自然科学および情報技術の基礎知識を身につけていることの,情報技術の基礎知識を身につけることに対応する.また(2-1)学部学科毎に示された専門分野の基礎知識を修得していることの,専門分野の基礎知識を修得することにも対応する.
(1) MATLABによるプログラミングの基礎を習得し,使用することができる.
(2) プログラムの構造要素を理解し,プログラムを設計できる.
(3) 実際に機能するプログラムを作ることができる.
<JABEE学習・教育到達目標>
「機械システム基礎工学プログラム」(C-2)○ (D-1)◎ (D-2)○
<学位授与の方針>(1-1)○ (2-1)◎

<授業計画及び準備学習>
1. [ガイダンス]授業ガイダンスとMATLABの基本操作 資料に従ってMATLABの起動と基本操作を実際に行う.
2. [スクリプトの記述]MATLABでスクリプトを記述する際の基本的なルールとスクリプトファイル(Mファイル)について学習する.
3. [変数と行列]MATLABの変数の種類と特徴,その扱いについて学習する.【演習1】
4. [行列の演算]MATLAB特有の演算と組み込み関数を使った演算を学習する.【演習2】
5. [要素の操作]行列・配列の要素の操作,組み込み関数を使った要素の並べ替えを学習する.【演習3】
6. [流れの管理]繰り返し構文,条件判断を使ったプログラムの流れの管理と,デバッグモードの使用法を学習する.【演習4】
7. [関数(ファンクション)]関数(ファンクション)を作成し,複雑な流れのプログラムを簡潔に記述することを学習する. 【演習5】
8. [学習内容の振り返り]ここまで学習したことの総復習を行う.ベクトル化に関するTipsを紹介する.【演習6】
9. [グラフィックス@]MATLABで提供されているグラフィックス機能を使用し,グラフの作成について学習する.【演習7】
10. [グラフィックスA]グラフィックのハンドル機能の構造を理解し,グラフの見た目を調整することについて学習する.【演習8】
11. [ファイル操作]MATLABのファイル操作の基本を,Excelファイルの編集を対象に学習する.【演習9】
12. [最終課題]最終のまとめの演習課題を行う.【演習10】
13. [最終課題の確認]最終の演習課題の問題点を確認し,修正する.修正した内容をレポートにまとめて提出する.必要と判断された場合には授業内試験を実施する.
14. [振り返り]今までの課題の内容を確認し,授業の振り返りを行う.

<成績評価方法>
学習・教育到達目標(1)は,演習課題を行うことで達成できる.(2)はプログラム構造についての演習課題を行うことで達成できる.(3)は授業中のプログラム作成と最終試験の課題を行うことで達成できる.したがって,以下の基準を満たせば目標は達成されたと評価する.
 学習・教育到達目標(1)は,授業の内の演習課題をしっかり行っているかで判断する.目標(2)はプログラム構造についての演習課題をしっかり行っているかで判断する.目標(3)は最終試験の課題を十分に理解しているかで判断する.したがって,原則として授業内の演習を60%,レポート・試験を40%で評価し,以下の基準でGradeを定め,Grade D以上を合格とする.

A+: 授業内の演習をしっかり行い,全ての課題を期日内に提出し,理解も十分である.また,最終試験の課題を提出し,不十分な点については,補足レポートを期日内に提出している.理解度も十分である.
A : 授業内の演習はしっかり行っているが,課題の提出についてやや不十分な点がある.ただし,期日は遅れたが,補足レポートを提出し,理解十分である.また,最終試験の課題を提出し,不十分な点については十分に理解して補足レポートを期日通りに提出している.
B : 授業内の演習は行っているが,課題の提出についてやや不十分な点がある.ただし,補足レポートを提出して理解十分である.また,最終試験の課題を提出し,不十分な点については,補足レポートを提出している.内容も良好な状態である.
C : 授業内の演習は行っているが,課題提出に不十分な点がある.ただし,MATLABによるプログラミングの基礎は理解し,使用できると判断できる.また,最終試験の課題についても不十分であるが提出し,内容を理解した補足レポートを提出し,機能するプログラムを作ることができると判断できる.
D : 授業内の演習は不十分な点はあるが実施し,ほとんどの課題を提出している.やや理解不十分な点はあるが,MATLABによるプログラミングの最低限の基礎は理解し,使用できると判断できる.また,最終試験の課題についても不十分であるが提出し,内容を理解した補足レポートを提出し,機能するプログラムを作る基礎は身についていると判断できる.ただし,習熟を確実にするためには,再度学習内容について確認し,補う必要がある.また,演習課題についても再度実施し,実際に機能するプログラムを作成できる力を確実なものとする必要がある.
F : 上記の評価に満たない場合,理解不十分と判断する.

<教科書>
市販の教科書は利用しないが,参考書があると便利である.

<参考書>
「MATLABプログラミング入門[改訂版]」,上坂吉則・著,牧野書店(2011),ISBN:978-4-434-15591-8

「最新 使える!MATLAB 第2版」,青山貴伸/蔵本一峰/森口 肇・著,講談社 (2016),ISBN978-4-06-156553-1

「最新MATLABハンドブック 第六版」,小林一行 ・著,秀和システム (2017),ISBN-13: 978-4798051598

上記の他にも関連図書は何冊か出版されているので,自分に合ったものを探すと良い.MATLABを用いた専門分野の教科書もある.

<オフィスアワー>
火曜日:13:00〜13:30(八王子校舎11号館365室)
金曜日:13:00〜13:30(新宿校舎1713室)

<学生へのメッセージ>
MATLABは,気軽に利用できる割に,行列計算や制御系に強く,応用範囲の広い言語である.将来に亘って利用が期待できる.しっかり修得しておくことは有益である.その反面,プログラミングの基礎が疎かになってしまう危険がある.そのため,本授業では,例題を入力するだけでなく,プログラムの流れと命令の意味を理解するよう努め,基礎をしっかり身につけることを希望する.そして,例題のプログラムをいろいろと変更し,同様なプログラムを多く作って遊んでほしい.自分でプログラムを作ってみると多くのエラーが発生する.演習の時間はその解決のためにできるだけ時間を割きたい.それらのエラーの経験が諸君のプログラミングの力を飛躍的に伸ばすことになる.また,MATLABは,他の授業でも利用することができる.また,卒論でも大いに役立つ.MATLABの良さを知り,大いに利用してもらいたい.奥は深い言語である.サイトライセンスが確保され,在学中は自宅でも自由に利用できる.この機会を生かしてもらいたい.


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