2018年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース
△統計学I(Statistics I)[5E01]
2単位 菱田 博俊 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 統計学が工学においてどう役立つかを、実際に自分たちの手で採ったデータを処理する事を通して学ぶ。具体的には、以下の作業ができる様に、理論と実践の両面から勉強する。
1)代表的なデータの分布である二項分布、正規分布の原理を知り、データに適用する。 2)正規分布とカイ二乗分布の関係を知り、正規分布に従うデータの検定を行う。 3)相関係数を理解し、多次元データの相関性について議論する。 4)自分の用意したデータを、実際にEXCEL等を用いて処理する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 真面目に地道に勉強する者のみ来たれ。不真面目だと手に負えない。
- <具体的な到達目標>
- 1)二項分布、正規分布を使える。
2)カイ二乗分布を検定の道具として、ある程度使える。 3)相関係数を理解し、多次元データの相関性を論じられる。 4)EXCEL等を用いて、実際にデータ処理できる。
JABEE学習・教育目標「機械工学エネルギー・デザインプログラム」:(D)◎
- <授業計画及び準備学習>
- 教科書に沿って講義や課題を進める。但し、二項分布だけは正規分布やt分布の後にするので、予習の際には注意する事。
第1日目のガイダンスでは、授業の進め方や単位修得方法等の重要な説明をするので、必ず出席されたい。万一欠席した場合には、必ず友人等に内容を確認しておく事。 各授業の冒頭で、次回までの予習用紙兼データ収集用紙を配布するので、次の講義にそれを埋めて提出する。(第1日目には、当日提出する用紙を配布する。)毎回、前回提出したデータを用いて、そのデータ処理訓練を行いながら講義を進める。また、毎回冒頭で復習問題を解いて貰う。 以下、予定。諸君のレベルに依って、柔軟に変更する。
1日目:ガイダンス、統計学総論、データの獲り方 2日目:度数分布、代表値、平均、分散 3日目:相関係数 4日目(4/27):学習成果の確認 5日目:正規分布(1)確率変数 6日目:二次元確率変数 <試験休み> 7日目:二項分布 8日目:正規分布(2)検定 9日目:様々な確率統計(T検定等) 10日目(6/22):学習成果の確認 11日目:様々な確率統計(ポアソン分布等) 12日目:様々な確率統計(指数分布等) 13日目(7/13):学習成果の確認 14日目(8/3):学習内容の振り返り
- <成績評価方法>
- 3回の学習成果の確認と、毎回のデータ収集やデータ処理訓練(各25%程度)も含めた総合評価とする。詳細な評価方法については初日に説明する。
Grade D以上のものに単位を認める。
- <教科書>
- 菱田博俊:「青少年のための統計学入門」、現代図書.
- <参考書>
- ・レベル1:本当の初心者に例を上げつつ説明している。解らない者向け。
⇒ 石村園子・石村貞夫:”初歩からはじめる統計学”, 共立出版株式会社. ⇒ 小寺平治:”新統計入門”, 裳華房. ・レベル2:これは本来工学部正が対象ではないが、Excelを用いてデータ処理をする実際のノウハウを記しているので、とても有効である。初めてデータ処理をさせられる者向け。 ⇒ 正井栄一・片山納:”医学・保健学の為のやさしい統計学”, 金原出版株式会社. ・レベル3:内容は良いが、レイアウトが圧力的なので、少々慣れた者が演習するのに向いている。演習の解答が充実している。 ⇒ 大橋常道・谷口哲也・山下登茂紀:”初学者にやさしい統計学”, コロナ社. ・レベル4:コンパクトにまとまっている。演習の解答が詳細なので、やはり演習希望者向け。ちょっとした携帯参考書になるだろう。 ⇒ 伊藤正義・伊藤公紀:”わかりやすい数理統計の基礎”, 森北出版株式会社. ・レベル5:本来、統計学と言ったらこのレベルの教科書だろうが、文章が現在の大学生にとっては少々ハイレベルと懸念されるので中級以上向きとしておきたい。図表が完備されている。 ⇒ E.クライスィグ・訳/田栗正章:”確率と統計”, 技術者の為の高等数学7, 培風館. ・ハイレベル:充実した内容なので、もっと統計学を極めたい者はぜひチャレンジされたし。 ⇒ 東京大学教養学部統計学教室:”統計学入門”, 東京大学出版会.
なお、漫画の教科書があるので、紹介する。後半は漫画と言えども結構ついていくのに苦労する。 ⇒ 高橋信:”漫画で解る統計学”, オーム社.
- <オフィスアワー>
- 木曜15:30〜17:00、1714室または人間工学研究室関連各所にいる。メールによる問い合わせは随時受け付ける。
- <学生へのメッセージ>
- 本来数学の座学だが、実際に手を動かして貰う。データ処理を実際にしないと、統計学の有難味や必要性は解らないからである。従って、実際にデータを獲って貰うので、データと言う物にも親近感を持ってもらえれば、卒論にもつながると思う。
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