2018年度工学院大学 第1部機械工学科 メカノデザインコース
○線形代数学I(Linear Algebra I)[4H09]
2単位 山崎 浩之 講師 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 理学・工学分野の専門知識を学ぶとき、線形代数の理解が必要となる場面はいたるところに現れる。
この講義では線形代数の基礎となっているベクトルと行列・行列式・連立一次方程式の計算法を、 実数の範囲で身につける。 易しい問題を独力で正確にしっかりと計算できるよう練習し、疑問を残さないことをめざす。
- <受講にあたっての前提条件>
- 高校数学の範囲で、平面や空間の幾何学とベクトルを理解していること。
二元連立一次方程式を手早く確実に解けること。
- <具体的な到達目標>
- 1. ベクトルや行列の加法・乗法が計算できる。
2. 与えられた連立一次方程式を、行列の形式で書き直すことができる。 3. 連立一次方程式の基本変形(掃き出し法)と行列の簡約化の計算が理解できる。 4. 行列の簡約化の計算ができ、それを利用して連立一次方程式を解くことができる。 5. 与えられた行列の正則性を判定でき、正則行列の逆行列を求めることができる。 6. 行列式の対称性が理解でき、行列式の基本変形の計算ができる。 7. 行列式の余因子展開ができ、行列式の値を求めることができる。 8. 連立一次方程式の解の公式(クラメルの公式)が理解できる。
(JABEE学習・教育目標) 「機械工学エネルギー・デザインプログラム」: D-1 ◎ 「機械システム基礎工学プログラム」: C-1 ◎
- <授業計画及び準備学習>
- 1. ガイダンス。 数ベクトルと幾何ベクトル。
授業の進め方と成績の評価方法について説明する。 数ベクトルと幾何ベクトルの算法について確認する。 準備学習: 教科書(下記)第1章の1.1〜1.4を熟読する。
2. ベクトルの乗法と面積・体積。 ベクトルの内積・外積の定義と、それらの幾何学的な意味を学ぶ。 平行四辺形の面積と、平行六面体の体積を求められるようになる。 準備学習: 教科書第1章の1.5〜1.7を熟読する。章末問題を解く。
3. 行列とその算法 行列の定義と、算法(和と積)について学ぶ。 行列の積が、行ベクトルと列ベクトルの積より組み立てられていることを、 しっかりと理解する。 準備学習: 教科書第2章の2.1〜2.5を熟読する。章末問題を解く。
4. 転置行列と逆行列。 転置行列と逆行列の定義について学ぶ。2次正方行列の逆行列が求められるようになる。 行列の算法が満たす各種の性質について確認する。 準備学習: 教科書第2章の2.6〜2.8を熟読する。章末問題を解く。
5. 小テスト。 行列の基本変形。 ※前回までの範囲について、小テスト形式で理解度を確認する。 後半は、基本行列の定義と、行列の基本変形について学ぶ。 準備学習: 前回までの範囲について、十分に計算練習をしておく。 : 教科書第3章の3.1〜3.2を熟読する。
6. 行列の階数と逆行列。 基本変形(掃き出し法)を用いて行列を簡約化することと、逆行列を求めることを学ぶ。 3次以上の行列について正則性を判定し、逆行列を計算できるようになる。 準備学習: 教科書第3章の3.3〜3.5を熟読する。章末問題を解く。
7. 連立一次方程式と行列。 行列を用いて連立一次方程式を表現できることを学ぶ。 拡大係数行列を基本変形することで、解が求められることを理解する。 準備学習: 教科書第4章の4.1〜4.3を熟読する。章末問題を解く。
8. 連立一次方程式を完全に解くこと。 連立方程式に解があるかないかを判定できるようになる。 また、解があるときそれが唯一つに定まるか無数に存在するかを見分け、 完全な解(一般解)を適切に書き表すことを学ぶ。 準備学習: 教科書第4章の4.4〜4.6を熟読する。章末問題を解く。
9. 小テスト。 置換。 ※前回までの範囲について、小テスト形式で理解度を確認する。 後半は、行列式の定義を理解するために必要な、置換の計算を紹介する。 準備学習: 前回までの範囲について、十分に計算練習をしておく。 : 教科書第5章の5.1〜5.2を熟読する。
10. 行列式の定義と行列式の性質。 置換の符号を用いた行列式の定義について学ぶ。 行基本変形に関する行列式の性質ついて理解する。 3次以内の行列式について、値を求められるようになる。 準備学習: 教科書第5章の5.3〜5.4を熟読する。章末問題を解く。
11. 行列式の性質と、余因子。 行列式の対称性と、行および列基本変形に関する行列式の性質について、 しっかりと理解する。 基本変形を用い、4次以上の行列式について値を求められるようになる。 行列式について、各成分の余因子について学ぶ。 準備学習: 教科書第5章の5.5〜5.6を熟読する。章末問題を解く。
12. 小テスト。 行列式の余因子展開。 ※前回までの範囲について、小テスト形式で理解度を確認する。 後半は、行列式の余因子展開と余因子行列について学ぶ。 余因子行列を用いると、逆行列を書き表せることを理解する。 準備学習: 前回までの範囲について、十分に計算練習をしておく。 : 教科書第5章の5.6を熟読する。
13. クラメルの公式 連立一次方程式の解の公式(クラメルの公式)について学ぶ。 準備学習: 教科書第5章の5.7を熟読する。章末問題を解く。 : 期末試験に向けて全範囲を復習し、疑問点があれば質問できるようにしておく。
14. 学習内容の振り返り 準備学習: 期末試験で解けなかった問題を中心に復習しておく。
- <成績評価方法>
- 授業内に行う小テストなどにより平常点 a(40点満点)を算出します。
試験期間内に実施する期末試験の得点を b(100点満点)とし、 c=min(75,a+b) および d=max(b,c) と定めます。 下記 1.〜4.に定めるように評価し、Grade D 以上の者に単位を認めます。 1.80≦d であれば、Grade(A〜A+)と判定します。 2.60≦d≦79 であれば、Grade(C〜B)と判定します。 3.d≦59 であれば、Grade F(不合格)と判定します。 4.(救済措置)期末試験終了後、希望者だけを対象として2〜3月中に再試験を実施し、 その得点を e(100点満点)とします。この場合、上記3.により不合格であり、 かつ 60≦e であったときに限り、判定結果を Grade D と置き換えます。 (救済措置では、平常点について一切考慮しません)
なお、授業の欠席については、1回あたり2点を平常点より減じます。 正当な理由なく期末試験を受験しなかった者は履修放棄と判断し、Grade F(不合格) と判定した上で、救済措置の対象から除きます。
- <教科書>
- 「理工系学生のための線形代数」高木悟、長谷川研二、熊ノ郷直人 著(培風館)
- <参考書>
- 指定参考書なし。
- <オフィスアワー>
- 新宿(後期):木曜日 16:00〜18:00 居室:27階 教育推進機構研究室(A-2724)
不在の場合もあるので、事前に連絡することを推奨します。 メールによる連絡は、アドレス ct10634[at]ns.kogakuin.ac.jp まで。 なお、簡単な質問は授業後の教室でも受け付けます。
- <学生へのメッセージ>
- たくさん問題を解いて、計算に慣れてください。ノートや計算用紙を惜しんで式を小さく書こうとすると、ごちゃごちゃして無駄に難しく感じます。紙を惜しまず大きな字を書いて計算するとよいでしょう。
欠席した場合と、教科書を持参しない場合は、平常点から減点します。
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