2018年度工学院大学 第1部機械工学科 エコエネルギーコース
△政治システム論(Political Systems)[2C01]
2単位 小野 一 教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ◎ | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 選挙制度の比較論的考察を通して、変動著しい現代政治の問題状況を理論的・実証的に分析する。
- <受講にあたっての前提条件>
- 特になし。
- <具体的な到達目標>
- 本講義における具体的な達成目標は以下のとおり。
(1)現代社会の問題状況を知悉し、新しい政治的テーマの出現とその政策的展開を論理的に考察する。 (2)授業で学んだ知見を基に、現代社会の問題状況に対し自ら問いを設定し、批判精神をもって現実を読み解く思考態度を養う。 (3)社会科学の学修の基本である、分析力、論理的思考力、表現力を養う。
- <授業計画及び準備学習>
- (1) イントロダクション
【第1部 選挙制度】 (2) 小選挙区制と比例代表制:二大政党制と多党制の問題にもふれて(第1章) (3) 英国:小選挙区制の古典的モデル:それにもかかわらず近年は多党化傾向 (4) ドイツ:小選挙区比例代表併用制:ワイマールから現代まで(第12章) (5) 日本:挫折した選挙制度改革「政権交代のある二大政党制」 【第2部 政党政治】 (6) スウェーデン:比例代表制と政党デモクラシー:特異なモデル?(第11章) (7) イタリア:小選挙区制と政党ブロック(選挙協力):補論・ポピュリズム (8) 日本:55年体制とその崩壊:政治的対立軸をめぐる問題 【第3部 大統領制】 (9) 米国:二大政党制の下での大統領選挙(第10章) (10) フランス:第五共和制:「半大統領制」と大統領権限強化 (11) 韓国・台湾・イスラエル:大統領制と民主化(第13、14章) 【第4部 新しい問題】 (12) 投票率をめぐる問題:政治参加を高める工夫?(第4〜6章) (13) マイノリティの代表権をめぐる問題:何を、どこまで保護するのか?(第2〜3章) (14) 学習成果の確認 ※ 各回の授業計画の末尾に記されているのは、下の参考書の該当箇所であるので、準備学習の参考にすること。その表示がない場合には、前回の授業の復習をした上で授業に臨むこと。具体的な課題が指示されている場合は、それに従うこと。
- <成績評価方法>
- 授業時間中に小レポートを適宜実施する。最終的な成績は学期末の教場試験を主たる評価基準とし、平常点を含む総合評価において60点以上を獲得した場合に合格とする(2015年度以降の入学者については、GradeD以上の者に単位を認める)。詳細は初回講義時に説明する。
- <教科書>
- 教科書は指定しない。ただし理解を助けるため、以下の参考書欄を参照のこと。
- <参考書>
- 岩崎正洋編『選挙と民主主義』(吉田書店、2013)。この本の対応箇所を上の授業計画の欄に明示してあるので、自主学習の参考として役立てること。その他の参考書は講義中に指示する。
- <オフィスアワー>
- 八王子校舎1号館1E-310号室:木曜日12:30〜13:30
新宿校舎27階2744号室:火曜日11〜12時 上記以外にも、事前に協議の上で研究室来訪の日時を予約することができる。休暇中は必ず事前に予約した上で来室すること。
- <学生へのメッセージ>
- 「政治的無関心」ということを聞いたことがあると思います。ただ投票率の低下を「よくない」ことだと言っても、ほんとうの意味で問題解決にはならないでしょう。もっと深いところに根本的な原因があるのかもしれません。例えば、複雑化する問題状況に対して既存の政治が応えきれず、有権者か無力感に陥っているのかもしれません。
選挙は、私たち市民が政治に参加する最も身近な機会でしょう。いかに公平で効率的な選挙を行うかは、単なる技術的な問題ではなく、民主主義の理念に関わることです。今学期の授業では、選挙制度の比較を通して、変貌著しい現代政治で何が問われているのか、考えていきたいと思います。
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