2017年度工学院大学 学芸員課程科目

博物館展示論(Display for Museum)[8019]

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2単位
太田 美喜子 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/09/28

<授業のねらい>
展示資料は、たとえその所有者が公的機関であっても個人であっても人類の貴重な財産です。それら資料の種類や特性によって展示の仕方は異なり、学芸員たちはより良い展示のために日々試行錯誤をしています。本講義では、学芸員の展示活動の実際を知り、展示資料に対する理解を深めることで、学芸員や博物館・美術館の社会的役割を考えます。

<受講にあたっての前提条件>
学芸員課程に登録していること。

<具体的な到達目標>
博物館・美術館(=ミュージアム)のはじまりや歴史をふまえ、ミュージアムの存在が当たり前となった現在、学芸員がどのようにして展示資料を見せているかを理解します。

<授業計画及び準備学習>
1日目(1-2) イントロダクション ガイダンス、展示の概念とその歴史
2日目(3-4) 展示の役割と種類
3日目(5-6) 展示の計画と手順
4日目(7-8) 展示の方法と実際
5日目(9-10) 展示空間の形成と
6日目(11-12)展示の今後と課題、まとめ

準備学習:
1-2 ジャンルを問わず(博物館、美術館、文学館、科学館、動物園、水族館など)なるべく多くのミュージアムを見学しておくこと。
3-6 ミュージアムを見学した際、展示物そのものはもちろんのこと、それらがどのように展示されているかをよく観察し、その意図や気づいた点、気になった点をまとめておくこと。
7-8 キャプションや解説パネルなどの言葉の使い方、文字の大きさや余白等、具体的な点も含めて展示物を鑑賞する際の補助となるものにも目を向けること。
9-10 展示全体を把握し、展示の構成や順路についてどのような意図があるのかを考えてみること。
11−12 日頃、新聞や雑誌の文化欄を中心に掲載されるミュージアムに関する記事を読み、自分なりに考えてみること。

<成績評価方法>
講義の出席状況=30点(5点×6回)
講義内での積極的な発言=10点
毎講義内でのリアクションペーパーの提出=60点(10点×6回)
合計100点満点で評価することとします。
リアクションペーパーの記述内容は、設問の意図を理解していない場合は評価できませんので、注意してください。

<教科書>
講義ごとにプリントを配布します。

<参考書>
藤原工『学芸員のための展示照明ハンドブック』講談社 2014年
君塚仁彦、名児耶明編『現代に生きる博物館』有斐閣ブックス、2012年
大堀哲、水嶋英治編著『博物館学2 博物館展示論 博物館教育論』学文社、2012年
日本展示学会出版事業委員会編『展示論-博物館の展示をつくる』雄山閣、2010年 など

<オフィスアワー>
授業の前後、休み時間(非常勤講師控え室、または教室)

<学生へのメッセージ>
日頃、博物館や美術館を訪れていますか。色々な制約のある中、展覧会の会場構成、作品の展示方法には、来館者に何を伝えたいか、そのための学芸員のアイデアや苦労がつまっています。展示物そのものを楽しむと同時に、どうしてこのような展示になっているか、気にしながら観覧してみてください。
また、一般的に学芸員の仕事については、誤解されている、また知られていない部分が多くあります。展示論を通じて、その実際を知っていただきたいと思います。


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