2017年度工学院大学 教職課程科目

情報ネットワーク論(Information Network Theory)[9025]

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2単位
小野  諭 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/09/28

<授業のねらい>
本講義では、インターネットを中心とする情報ネットワークの基礎概念を理解し、その構成と動作原理、セキュリティについて学ぶ。
また、モバイル通信やクラウドなど、この分野に関連する新しい動向について知る。

<受講にあたっての前提条件>
前提となる科目は特にない。ただし、「離散数学」を履修していることが望ましい。
(ただし、履修の必須要件ではない。)

<具体的な到達目標>
以下の各項目について、体系的な知識を理解し習得するとともに、事例分析を通して比較的単純な事例について、自ら考察・適用できるようにする。

*インターネットの基礎
*ネットワークのアーキテクチャとセキュリティ
*IP ネットワークの動作のしくみ
*IP ルーティングとトンネリング 
*IP 通信を支える物理インフラ
*ネットワークセキュリティ

<授業計画及び準備学習>
1. オリエンテーション (第1回)
– ネットワークとセキュリティに関連した講義の相互関係
– 本講義の目的・内容と成績評価方法
– 情報学実験の内容との関係

2. インターネットの基礎  (第1〜2回)
– 情報システムをとりまく環境の変化
– インターネットの歴史と変化
– 「ネットワークのネットワーク」とは
– The Internet と internets
– ネットワーク・アーキテクチャの概要
– インターネットサービスプロバイダ

3. ネットワークのアーキテクチャとセキュリティ (第3〜4回)
– 組織ネットワークのアーキテクチャの概要
– ネットワークの分類とセキュリティ
– ネットワークのプロトコルとレイヤー
– 「ネットワークのネットワーク」とサブネット( L2 / L3 )
– ネットワークの相互接続とセキュリティに用いる機器・サービス
– 事例研究: セキュリティレベルに基づくサブネット分割と接続

4. IPネットワークの動作のしくみ (第5〜7回)
– プロトコル階層
– IPネットワークの基本的な要素と機能
– パケット転送 (IP フォワーディング)
– TCP/IP プロトコルファミリの構成
– ネットワーク基本サービス(DHCP, DNS、認証インフラ)
– サブネット分割の目的と方法
- 事例研究: ネットワーク基本サービスの整備 (情報学実験)

5. IP ルーティングとトンネリング (第8〜9回)
– ルーティングとトンネリングの概要
- IPルーティングの目的と方法
- ルーティングを支える最短路木アルゴリズム
- IPトンネリングの目的と方法
- 事例検討: 広域 VPN サービス ( L2 / L3 )

6. IP 通信を支える物理インフラ (第10〜12回)
– LAN (有線) と 無線 LAN
– アクセス網 と 集約網
– 基幹網
- 事例検討: モバイル通信インフラ
- 事例検討: 基幹網によるクラウド拠点間接続

7. ネットワークセキュリティ (第13回)
– ネットワークへの攻撃とリスク
– ネットワークリスクへの対策例
– 事例検討: マルウェアと標的型攻撃

8. 全体の振り返り (第14回)

<成績評価方法>
定期試験期間に試験を実施する。
下記のもののみ持ち込み可:
- 講義ファイルを印刷したもの、
- 自筆ノート (手書きのものに限る。)
講義ファイルをスマホ・PCなどで試験中に閲覧することは許可しない。

講義内容を理解し、簡単な課題に応用できるレベル。
単位取得には、授業の 2/3 以上の出席が必要。
(ただし、初回および補講(実施した場合)は出席とみなす。

<教科書>
事前に資料を kuport にて電子配布する。
必要に応じて、印刷プリントを配布することがある。

<参考書>
講義の中で、適宜、参考となる資料を紹介する。

<オフィスアワー>
毎週木曜3限
新宿キャンパス中層棟 B0530

<学生へのメッセージ>
情報ネットワークは、我々の日常生活に欠かすことができないものになっています。講義を通じて、経済的・快適で安全なネットを構成したり利用する方法を知ってもらいたいと思います。
単に利用するだけではなく、「その後ろ側はどうなっているのだろう」と好奇心をもって受講することを希望します。
また、情報ネットワークの知識は、セキュアシステムや高信頼性システム、安全なシステムについて学ぶ際の基礎となるので、3年次以降で当該分野を学びたい学生は、可能な限り、本講義を受講してください。


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