2017年度工学院大学 第2部建築学科

建築経済(Building Economics)[4T11]

試験情報を見る] [授業を振り返ってのコメント(学内限定)

2単位
岩松 準 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/09/28

<授業のねらい>
建築を経済活動の中に客観的に位置づけて考えられるようになるとともに、建築プロジェクトの実現に必要となる基礎知識や技法を学ぶ。また、日本の建設業が置かれている現状を知る。

<受講にあたっての前提条件>
特になし。

<具体的な到達目標>
○建築を経済活動の中に客観的に位置づけて考えられるようになる。(マクロな視点)
・・・例.主な建設統計がどんなものかを知り、それを利用して与えられた問題を考えられる。

○建築プロジェクトを実現するのに必要な基礎知識や技法について学ぶ。(ミクロな視点)
・・・例.簡単な建物の概算ができる。発注者が行う投資判断のポイントは何かを知り、簡単な計算ができる。

○日本や世界の建設業の動向を知る。
・・・例.ローカルな市場とインターナショナルな市場があることを理解する。他産業と比べたときの建設業の特徴をを説明できる。

<授業計画及び準備学習>
1. ガイダンス:建築経済学とは何かについて解説する。続いて、「建設統計」の歴史や具体例、また、それを使った分析の心構えについても簡単に触れます。

2. 建設業と国民経済(1):世界の建設マーケット、日本の建設投資や建設市場について解説する。
  準備学習:日建連発行の『建設業ハンドブック』(http://www.nikkenren.com/publication/handbook.html)をダウンロードし、ざっと見ておくこと。

3. 建設業と国民経済(2):建設業の定義・しくみと建設業者や建設労働者の実態について統計を用いて解説する。
  準備学習:事前にテキストと参考資料をKUPORTで配付します。
  ※ 講義後半で、政府統計を元に表計算ソフトや統計ソフトを使用して回答するレポート課題を出題予定

4. 建物経営計算(1):「分譲事業」に焦点を当て、簡単な計算例を交えつつ解説する。
  準備学習:事前にテキストと参考資料をKUPORTで配付します。

5. 建物経営計算(2):「賃貸事業」に焦点を当て、減価償却の考え方や簡単な計算例を交えつつ解説する。
  準備学習:事前にテキストと参考資料をKUPORTで配付します。

6. 建物経営計算(3):建物の投資意思決定について学習する。現価係数を用いた計算法、DCF法について解説する。
  準備学習:事前にテキストと参考資料をKUPORTで配付します。
  ※ 講義後半で、ここまでの学習内容の理解を確認する計算問題を中心としたレポート課題を出題予定

7. 建築コスト論(1):建築コスト論の始めにあたり、「積算」について概説し、工種別、部分別などの工事費内訳の分類法について学ぶ。
  準備学習:事前にテキストと参考資料をKUPORTで配付します。

8. 建築コスト論(2):建物の建設費を簡単に把握するための「概算法」のいくつかのやり方について解説する。
  準備学習:事前にテキストと参考資料をKUPORTで配付します。

9. 建築コスト論(3):建築コストの変動状況を把握するための「建築費指数」の作り方や使い方、また、「ライフサイクルコスト」とは何かを解説する。
  準備学習:事前にテキストと参考資料をKUPORTで配付します。

10. 建築コスト論(4):発注者・設計者や施工者が行う「コスト管理」とはどんなものかについて解説する。
  準備学習:事前にテキストと参考資料をKUPORTで配付します。

11. 建築コスト論(5):良いものをより安く実現する米国発の技術である「VE」について、ビデオ鑑賞を含めて解説する。
  準備学習:事前にテキストと参考資料をKUPORTで配付します。

12. 建築コスト論(6):建築コストに関わる応用的トピックとして、1990年代の「内外価格差問題」や「生産性」について解説する。
  準備学習:事前にテキストと参考資料をKUPORTで配付します。

13. 建設労働の現状:技能労働や生産組織の現状に焦点を当て、賃金や重層化や外国人技能実習の問題等について考える。
  準備学習:事前にテキストと参考資料をKUPORTで配付します。

14. 建設業の歴史:江戸時代に「請負業」として成立した歴史から説き起こし、近代、現代における建設業の歴史を概説する。最後に、学習内容を振り返る。
  準備学習:事前にテキストと参考資料をKUPORTで配付します。

15. 学習成果の確認(定期試験)

<成績評価方法>
講義後のレポート(適宜)と定期試験で評価する。
レポート:定期試験=40:60の比率とし、60点以上の者に単位を認める。
レポート課題は講義中(上記の授業計画の※印部分を参照)およびKUPORT上で示す。締め切りは明示する。

<教科書>
指定教科書なし。
毎回のパワーポイントPDFと参考資料(適宜)をKUPORT上で事前にアップロードする。
受講者は講義前にダウンロードしてプリントアウト等を行い、持参すること。(特に配布は行わない。)

<参考書>
松村秀一編著「建築生産」(第二版)(市ヶ谷出版社、2010/10)
岩下秀男著「建築経済」(理工図書、1983/1)
「建設業ハンドブック」(冊子を配布予定。日建連ホームページ(http://www.nikkenren.com/publication/handbook.html)でも公開中)
このほか、講義の中で適宜指示する。

<オフィスアワー>
原則的に講義後とする。事前にメールで連絡を入れることが望ましい。
iwamatsu(a)ribc.or.jp  ※(a)は@になおして下さい。

<参考ホームページアドレス>
http://www.ribc.or.jp/index.html


ナンバリングはこちら
このページの著作権は学校法人工学院大学が有しています。
Copyright(c)2017 Kogakuin University. All Rights Reserved.