2017年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

応用計測(Applied Metrology)[4H47]

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2単位
坂本 哲夫 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
本講義科目では、応用物理分野に関わる計測のうち、新材料・デバイスの開発に不可欠な固体表面分析法について学ぶ。これらの手法は種々の励起源と固体(原子・分子)との相互作用を利用し、その組み合わせによって電子、X線、イオンを用いたものに大別され、それぞれについて、物理的原理、得られる情報ならびに解析方法に対する理解を深める。とくに、応用物理学科の学生はこれらの分析手法を利用する立場だけではなく、分析機器を将来設計・開発することも念頭に、機器に含まれる物理現象、制御回路、信号処理などハードウェアに関する内容にも重きを置くことを特色とする。

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
・電子線励起の代表的な表面分析手法の原理と応用例を理解する。
・X線励起の代表的な表面分析手法の原理と応用例を理解する。
・イオンビーム励起の代表的な分析手法の原理と応用例を理解する。
・プローブ顕微鏡の原理と応用例を理解する。

<授業計画及び準備学習>
第1週 序論:表面分析とは
    固体表面を分析する意義と利用分野など、本講義で学ぶ技術の背景について学ぶ。
第2週 電子線の発生方法
    各種電子線の発生方法(電子源)と原理について学ぶ。
第3週 低速電子線回折法、反射高速電子線回折法
    回折現象を利用した固体表面の周期構造評価方法について学ぶ。
第4週 走査電子顕微鏡、透過電子顕微鏡
    いわゆる電子顕微鏡のうち、よく用いられる手法について学ぶ。
第5週 電子線プローブマイクロアナリシス、オージェ電子分光法
    電子顕微鏡に元素分析機能を付加した代表的手法について学ぶ。
第6週 X線の発生方法
    X線の特徴、発生方法について学ぶ。
第7週 X線光電子分光法、全反射蛍光X線分析法
    X線を用いた表面分析手法の原理と特長を学ぶ。
第8週 イオンビームの発生方法
    イオンビームの発生方法(イオン源)について原理と理論を学ぶ。
第9週 イオン散乱分光法
    イオン励起の表面分析のうち、固体最表層の分析手法を学ぶ。
第10週 二次イオン質量分析法(ダイナミックSIMS)
    深さ方向分析について学ぶ。
第11週 二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)
    有機物やポリマー表面の質量分析について学ぶ。
第12週 電界イオン顕微鏡、アトムプローブ
    原子分解能をもつ分析手法として電界蒸発を利用した二つの手法を学ぶ。
第13週 走査トンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡
    原子分解能をもつ他の手法として走査プローブ顕微鏡2種類を学ぶ。
第14週 期末試験
第15週 学習内容の振り返り

毎回、教科書の該当箇所を読み、特に判りにくい箇所等を踏まえて講義を受ける。

<成績評価方法>
定期試験期間に実施する期末試験の点数(100点満点)により評価する。

<教科書>
吉原一紘著、「入門表面分析」、内田老鶴圃(ISBN:4-7536-5618-7)

<参考書>
特にない。

<オフィスアワー>
火曜日17:00〜18:00、5号館701号室


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