2017年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

固体物理学II(Solid State Physics II)[2H36]

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2単位
尾沼 猛儀 准教授  
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
固体物理学とは、身近にある物質の熱伝導や電気伝導などのマクロな現象をミクロな視点で解く学問である。本講義では、初めに金属の自由電子模型を取り扱うことで、電気を運ぶ伝導電子の状態を記述する手法を述べる。そして、周期的な結晶格子における電子状態に対するブロッホの定理、クローニッヒ・ペニイ模型、そして空格子近似を述べ、エネルギーバンドの形成されるイメージを掴む。続いて、これらの概念を金属や半導体に適用し、エネルギーバンドの中で電子がどのように分布するか統計的手法から導く。最後に電子比熱、電気伝導率について理解することを目標とする。

<受講にあたっての前提条件>
熱・統計力学、電磁気学I,II、量子物理学、量子力学I、固体物理学Iを修得していることを前提とする。

<具体的な到達目標>
金属の自由電子模型、ブロッホの定理、クローニッヒ・ペニイ模型、空格子近似を理解し、具体的な事例に適用することができる。金属や半導体のエネルギーバンドの中で電子がどのように分布するか統計的手法から導くことができる。電子比熱、電気伝導率について説明できることを目標とする。

<授業計画及び準備学習>
毎週、課題プリントを出します。復習・予習に活用すること。
第1週 ガイダンス、エネルギーバンド
第2週 金属の自由電子模型
第3週 クローニッヒ・ペニイ模型
第4週 状態密度、フェルミエネルギー
第5週 自由電子に近い電子モデル
第6週 空格子近似
第7週 中間試験
第8週 半導体のエネルギーバンド、有効質量
第9週 金属における電子統計
第10週 真性半導体における電子統計
第11週 不純物半導体における電子統計
第12週 電子比熱
第13週 電気伝導率とオームの法則
第14週 期末試験
第15週 学習内容の振り返り

<成績評価方法>
中間テストと演習・レポート課題(20-40%)及び期末テスト(60-80%)の結果により、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。テストでは教科書、ノートの持ち込み不可。

<教科書>
特に指定しない。必要に応じてプリントを配布する。

<参考書>
「キッテル 固体物理学入門 上 第8版」 C. Kittel著、宇野良清・津屋昇・新関駒二郎・森田章・山下次郎共訳(丸善出版)
「半導体の物理」 御子柴宣夫著(培風館)

<オフィスアワー>
毎週木曜の16:00〜17:00間、新宿校舎A2168室にて。
八王子校舎での面会を希望する場合には、毎週月曜16:00〜17:00の間、4号館705室にて。

<学生へのメッセージ>
必ずノートをとり、レポート課題を自分で考えること。
本科目を履修することにより、これまで学んだ基礎物理とこれから学ぶ応用物理の接点を見出してください。


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