2017年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

宇宙・地球科学(Astrophysics and Geophysics)[1H35]

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2単位
小麦 真也 准教授  
渡部 勇 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
地球から惑星系にいたるまで、物理学のツールを用いて俯瞰する。前半では、地球の大気を題材に、その大局的な構造と運動を物理学の観点から理解することをねらいとする。またその応用として、日々の天気予報の基礎資料となる数値予報が様々な物理学・数学・計算科学上の工夫でなされている事を知る。後半では、広く天体現象を理解するために必要な基礎として惑星系の力学をとりあげる。高校で習う万有引力の法則は2天体の場合は厳密に解くことができるが、3体になると途端に解くことが不可能になる。なぜ天体は楕円運動を行うのか?太陽が死なないとしたら太陽系は永遠に安定か?人工衛星はどこに配置したら静止していられるか?などの問いについて考える。

<受講にあたっての前提条件>
1、2年次の数学、物理学および地学の知識を前提とする。

<具体的な到達目標>
・地球大気の静力学と熱収支について具体的な計算ができる。
・流体力学の方程式を、自転する球座標上で議論できる。
・天気の数値予報を実行する上での物理学上の工夫の知識を得る。
・重力のみが働く場合の2天体の運動を記述できる。
・重力のみが働く場合、重力場中での天体の運動が理解できる。

<授業計画及び準備学習>
1. 惑星とは・大気とは・海洋とは(渡部)
 準備学習: 地球以外のどの星にどの様な大気や海洋があるか調べる。
2. 地球大気の静水圧平衡と熱収支(渡部)
 準備学習: 静水圧平衡で上空の気圧を求める方法を考えておく。
3. 流体力学の基礎方程式(渡部)
 準備学習: 多変数関数の全微分と偏微分について復習しておく。
4. 自転する球座標上の運動学(渡部)
 準備学習: 2次元極座標と3次元球座標について復習しておく。
5. 数値予報の基礎原理(渡部)
 準備学習: 気象庁ウェブで「知識・解説」にある「数値予報」内の各項目を熟読しておく。
6. 数値予報の工夫(渡部)
 準備学習: 気象庁ウェブで「数値予報天気図」を探し、それがどの様に計算されているのか想像する。
7. 前半の学習成果の確認(授業内試験)(渡部)
 準備学習: 第1回から第6回の内容を総復習しておく。
8. 万有引力と2体問題(小麥)
 準備学習: 線形代数1、重積分、物理学2を復習しておく。
9. ケプラーの法則(小麥)
 準備学習: 前回の復習
10.多体問題と安定(小麥)
 準備学習: 「ラグランジュポイント」について調べておく。
11.ポアソン方程式(小麥)
 準備学習: 電磁気学Iを復習しておく
12.ビリアル定理と束縛系(小麥)
 準備学習: 前回までの復習
13. 天体現象への応用(小麥)
 準備学習: 前回までの復習
14. 振り返り(小麥)

<成績評価方法>
随時示される課題(前半・後半各10%)、前半の学習成果の確認(前半40%)および試験期間内に実施する期末試験(後半40%)により評価を行う。
Grade D以上を合格とする。

<教科書>
指定教科書なし。プリントを配布する。

<参考書>
国立天文台編「理科年表」丸善
二宮洸三著「気象がわかる数式入門」オーム社
二宮洸三著「数値予報の基礎知識」オーム社
観山正見他編「シリーズ現代の天文学第11巻 天体物理学の基礎I」日本評論社

<オフィスアワー>
月曜4限に高層棟27階人文物理研究室で受け付ける。
電子メール(前半:kt13229@ns.kogakuin.ac.jp、後半skomugi@cc.kogakuin.ac.jp)でも随時受け付ける。

<学生へのメッセージ>
1、2年次で習得した基礎的な数学や物理学の知識を横断的に使用していくので、適宜見直しをすることを勧める。


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