2017年度工学院大学 先進工学部応用物理学科

量子力学I(Quantum Mechanics I)[1E43]

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2単位
渡部 勇 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
量子力学の数学的・理論的基礎を理解すると共に、代表的な問題を具体的に解ける様になることをねらいとする。

<受講にあたっての前提条件>
「量子物理学」を修得していることが望ましい。「応用力学II」も履修しているとなお良い。

<具体的な到達目標>
・束縛状態に対してシュレーディンガー方程式を適用し、エネルギー固有値を求められる。
・トンネル効果を理解し、1次元散乱問題で透過率と反射率を求められる。
・生成消滅演算子や昇降演算子を用いた解法が理解できる。

<授業計画及び準備学習>
1.シュレーディンガー方程式
 準備学習:「量子物理学」の内容を総復習しておく。
2.井戸型ポテンシャルとパリティ
 準備学習:古典力学の単振動の運動方程式の解法を復習しておく。
      三角関数のグラフの形を復習しておく。
3.量子力学の理論的基礎
 準備学習:ベクトルの基底や内積を復習しておく。
      線形代数の固有値と固有ベクトルを復習しておく。
4.量子の運動と確率の流れ
 準備学習:連続の式について調べておく。
5.フーリエ変換と不確定性原理
 準備学習:フーリエ級数展開について調べておく。
6.透過と反射・トンネル効果
 準備学習:三角関数と双曲線関数の関係について調べておく。
7.調和振動子(1)生成消滅演算子
 準備学習:演算子の交換関係とエルミート演算子について復習しておく。
8.調和振動子(2)ブラ・ケットと行列表示
 準備学習:行列の積について復習しておく。
      固有ベクトルの求め方を復習しておく。
9.調和振動子(3)エルミート多項式
 準備学習:エルミート多項式とエルミート方程式について調べておく。
10.調和振動子(4)コヒーレント状態
 準備学習:生成消滅演算子について復習しておく。
11.角運動量(1)昇降演算子
 準備学習:極座標と球座標について復習しておく。
12.角運動量(2)行列表示
 準備学習:各種の角運動量演算子間の交換関係をまとめておく。
13.角運動量(3)球面調和関数
 準備学習:ルジャンドル陪関数について調べておく。
14.授業内容の振り返り
 準備学習:定期試験で解けなかった問題の解き方を考えておく。

<成績評価方法>
授業中不定期に課す課題30%、試験期間に実施する授業内容全てを範囲とする学期末試験70%でGrade評価し、D以上を合格とする。

<教科書>
指定しない。プリントを配布する。

<参考書>
猪木慶治・川合光『基礎量子力学』『量子力学1』『量子力学2』講談社サイエンティフィク
原康夫『量子力学』岩波書店
前野昌弘『よくわかる量子力学』東京図書
清水清孝『シュレーディンガー方程式の解き方教えます』共立出版

<オフィスアワー>
授業後教室で受け付ける。
電子メール(kt13229@ns.kogakuin.ac.jp)でも随時受け付ける。

<学生へのメッセージ>
量子力学は、常識の通じない世界です。これまで学んだ物理と数学の力をフルに使って自然界の真の姿を明らかにして行ける事に感動しながら、学んで行って下さい。


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