2017年度工学院大学 先進工学部環境化学科

化学装置設計(Chemical Equipment Design)[3H24]

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2単位
岡田 文雄 特別専任教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
化学反応は、有用な物質を合成したり、有害な物質を無害化したり、様々な目的で産業に利用されており、我々の身近な製品の生産に利用されている。こうした化学反応は、実験によって反応次数、反応速度定数とその温度依存性などを解析し、その解析解または数値解析結果を利用してプラントを設計する。この講義により、反応の基礎的な解析方法を習得し、それが卒論研究や反応装置の設計にとても役立つことを理解してもらう。

<受講にあたっての前提条件>
必須ではないが、「物理化学II」を受講していること。受講していない場合には、化学反応速度および化学平衡を勉強しておくこと。

<具体的な到達目標>
反応装置内で起きる化学反応を定量的に解析して、卒論研究の遂行に役立てるとともに反応装置を設計できるようにすることを目指す。

<授業計画及び準備学習>
1. 反応工学序論:(9月13日)
  化学工業や生化学工業で用いられている各種の反応と反応装置、プラントを知る。
  準備学習: 教科書第1章、電子教材第1章の予習
2. 反応式と化学量論比:(9月20日)
  化学反応の分類と反応現象の定式を理解し、反応の量論比を求められるようにする
  準備学習:教科書第2章、電子教材第4章の予習
3. 反応と反応熱:(9月27日)
  標準生成エンタルピーと自由エネルギー変化を理解し、各種反応の反応熱を計算する。
  準備学習:物理化学IIの復習、電子教材第2, 4章の予習
4. 反応温度と反応速度との関係(10月 4日)
  Arrhenius式を用いて反応速度定数の温度依存性を解析する。
  準備学習:教科書第3章、電子教材第6,7章の予習
5. 反応の種類と反応速度式(10月11日)
  様々な反応における反応速度式の立て方を理解する。
  準備学習:教科書第2, 9章, 電子教材第4, 5, 8章の予習
6. ゼロ次反応と一次反応(10月18日)
  単一原料の分解反応の速度式を立て、その解析解を導出する方法を学ぶ。
  準備学習:教科書第9章, 電子教材第5章の予習
7. 中間試験(10月25日)
  6回までの内容に関しての試験を受験する。
  準備学習:6回までの講義内容の理解
8. 二次以上の高次反応(11月1日)
  二次以上の反応について反応速度式を立てて、解析解を導出する方法を学ぶ。
  準備学習:教科書第9章, 電子教材第6, 9章,の予習
9. 複雑な二次反応(11月 8日)
  原料が2種類の場合の反応速度式を立て、その解析解(岡田の式)を導出する方法を学ぶ。
  準備学習:教科書第9章, 電子教材第6章の予習
10. 化学平衡と可逆反応(11月15日)
  化学平衡を伴う反応の解析方法と解析解を学ぶ。
  準備学習:教科書第14章の予習
☆ 11月22日は、新宿際のため休講
11. 並列反応と逐次反応(11月29日)
  上記反応の解析方法と解析解を理解する。
  準備学習:教科書第14章の予習
12. 槽型、管型反応器の反応解析(12月6日)
  これまでの講義で学んだ各種反応の解析解が、そのまま槽型反応器と管型反応器の
  設計に適用できることを学ぶ。
  準備学習:教科書第8, 9, 10章, 電子教材第9, 11章、の予習
13. 連続槽型、連続多層型反応器の反応解析(12月13日)
  複数の反応が起こっている場合の反応率、選択性を理解する。
  準備学習:教科書第11章, 電子教材第11章の予習
14. まとめと演習(12月20日)
   反応工学で重要な点を解説し、演習問題を解く。
☆ 1月10日(水)に期末テストを予定

<成績評価方法>
講義時間内で行う理解度調査テストの成績を20%、中間試験を30%、定期試験を50%の重みとし、100点満点で60点以上であれば、合格とする。ただし4回以上講義を欠席した学生は履修放棄とみなし、成績評価は行わない。

<教科書>
1. 電子教材(長本英俊先生が作られた「反応工学」の講義資料)
2. 「反応工学」草壁克己、増田隆夫、三共出版

<参考書>
「反応工学」小宮山宏、培風館
「(改訂版)反応工学」橋本健治、培風館

<オフィスアワー>
授業終了後の30分間、新宿校舎19階1918室(岡田の居室)にて質問等を受けつけます。

<学生へのメッセージ>
本講義では、反応工学の本質をできるだけわかりやすく解説します。数式が多く、手ごわい内容ではありますが、反応工学を学ぶことにより、化学分野での様々な課題を解決できるようになり、卒論研究に役立つと共に装置設計ができるようになります。社会へ出てからとても役立つ知識を獲得できるので、がんばってください。


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