2017年度工学院大学 先進工学部環境化学科
△ロジカルライティングI(Logical Writing through Critical Thinking I)[3450]
2単位 井上 知樹 非常勤講師
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | | 2. 専門分野知識の習得 | ◎ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- キーワード:
わかりやすい表現・論理的な文章を書く・批判的、論理的に考える・研究活動の基礎力および社会人基礎力(社会で活躍するために必要な力)の養成
高等学校までは知識を覚える授業が主でした。社会に出ると、自分で考え、自分の考えを表現する(相手に伝える)ことが求められます。これからの大学生活(授業他)の様々な場面で批判的に考え、論理的に述べる力を磨いていくことが必要です。
この授業では、大学生としての「主体的な学び」を実践するために必要なクリティカルシンキング、ロジカルライティング、ロジカルスピーキングなどのスキルを習得することで、専門分野における研究活動のための基礎力や、社会人としての基礎力を身につけることを目指します。
具体的には、ロジカルライティングI、IIをとおし、「読み、聴き、話し、書く」を通じて「理解する力、考えて主張を組み立てる力、表現する力」を身につけること、「協働力」として「他者と議論し、協働する力」を身につけることがねらいです。
- <受講にあたっての前提条件>
- 高等学校までに身につけるべき国語力があることが必須です。日頃より新聞や文庫本などを積極的に読み、正しい「書き言葉」を意識し、そして漢字の読み書きを身につけるようにしておいてください。
また、授業はアクティブラーニング形式です。積極的に授業にのぞんでもらうことを期待します。
- <具体的な到達目標>
- 1.与えられた情報を整理して構造的にとらえることができる
2.文献や講義の要点を理解し、要約としてまとめることができる 3.考えたことを論理的にまとめ、相手に伝わりやすい形で文章にまとめることができる 4.人と話す、人前で話すことに慣れる
グループワークによる様々な議論・討論、レポート作成を繰り返し、論理的な思考力および文章力をつけることを目標とします。お互いの持つ異なる考えを知り、新しい発見をすることで、批判的思考力(クリティカルシンキング)を養い、これまでとは違う考え方ができるようになることも目標とします。
- <授業計画及び準備学習>
- 【テーマ1: 授業目標を考える】
□ねらい 授業目標を設定する。まずは書いてみる □課題1 「あなたはこの授業で何を学びたいか」
●第1週 [ガイダンス] この科目を通しての目標を設定する。「仲間づくり」をする 準備学習: シラバスをきちんと読んでおく
【テーマ2: 自分の特徴について考える】 □ねらい 書くことになれる/構成を学ぶ □課題2 「あなたの特徴」
●第2週 [ロジカルライティングに挑戦] ライティングの基本を学ぶ。書くための素材を整理する。ライティングの基本にそって書いてみる 準備学習: 課題1の振り返り ●第3週 [読みやすい文章とは] 書いたレポートをライティングの基本にそってチェックし、書き直す 準備学習: 課題2の振り返り
【テーマ3: 大学で学ぶ姿勢を考える】 □ねらい 要約の方法を学ぶ。主張、根拠を深める(文献を読んで) □課題3 「技術者として生きていくために学生時代にすべきこと」
●第4週 [文献からの情報収集] 文献から得た情報を要約する方法を学ぶ。配布された文献を要約する 準備学習: 大学で学ぶ姿勢について考える
●第5週 [文献から得た情報をもとにしたライティング] 文献の要約をふまえたライティングの練習(課題3) 準備学習: 文献の要約を振り返る
【テーマ4: 自分の4年後を考える】 □ねらい 要約を繰り返す。主張、根拠を深める(人の話を聞いて) □課題4 「あなたはこの4年間、どう成長したいか」
●第6週 [ノートテーキングと要約に挑戦] 先輩(1人目)の経験談を聞き、ノートテーキング&要約する 準備学習: 前回のテーマで学んだ要約の方法を振り返る
●第7週 [ノートテーキングと要約の基本] ノートテーキングと要約のポイントを理解する。個人の要約をもとに先輩の話をグループでまとめる 準備学習: 前回授業で書いた要約を振り返る
●第8週 [ノートテーキングと要約に再挑戦] 先輩(2人目)の経験談のノートテーキング&要約 準備学習:ノートテーキング、要約の方法を再確認する
●第9週 [ノートテーキングと要約の自己・他己評価] 聞いたことをもとに自身の考えを書き(課題4のライティング)、それを評価する 準備学習: それまでのノートテーキング、要約を振り返る
【テーマ5: 世の中に目を向ける(『新聞ログ』を書く)】 □ねらい 主張の組み立て方を学ぶ □課題5 「自分の専門分野で気になる新聞記事を1つ選び、あなたの考えを述べる」
●第10週 [文献(新聞)からの情報収集] 新聞の読み方を学ぶ。新聞から得た情報を整理する 準備学習: 新聞を読み、自分の専門分野で気になる記事を選んでくる
●第11週 [文献(新聞)から得た情報をもとに、主張の組み立て] 書いた「新聞ログ」を評価し、新聞ログを書きなおす 準備学習: 「新聞ログ」のライティング
●第12週 [自分の主張の発表] 新聞ログで書いた自分の「考え」を人前で発表する 準備学習: 書いた「新聞ログ」を見直す
【テーマ6: 授業を振り返る】 □ねらい 授業を振り返る □課題6 「この授業で学んだこと」
●第13週 [学習の総括] 授業を振り返り、これまでの学習成果を確認し、発表する 準備学習: これまでの授業の確認
●第14週 [学習の総括] 授業の振り返り、これまでの学習成果を文章でまとめる 準備学習: これまでの授業の確認
※各課題は変更になる場合があります
- <成績評価方法>
- 授業に出席し、積極的に議論に参加する(人と話す)ことは大前提です。
課題レポート(60%)に、授業への取り組み(授業態度のほか宿題シートやワークシート、振り返りシートで把握します)(40%)を加味して総合的に評価します。
- <教科書>
- 指定教科書なし。適宜、プリントを配布します。
- <参考書>
- 「Logical Writing ―論理的な文章力を鍛える―」(大学生基礎力BOOKシリーズ)(株)ベネッセコーポレーション 。
その他、普段から新聞や文庫本をたくさん読むことを勧めます。
- <オフィスアワー>
- 授業の前後に、教場又は講師室にて。
- <学生へのメッセージ>
- 皆さんは、日常、ラインやツイッター、メールを仲間の中で使っていると思います。その際、絵文字やスタンプを使って感情も文字の中に盛り込んでいるのではないでしょうか。そういった感情を表す物が文面に欠けると、例えば、「これ〇〇ちゃんからもらったプレゼント、かわいくない」と書くと、「?」やルンルン気分を表すスタンプが欠けるだけで、嬉しさを表すプチ自慢から相手を傷つける言葉へと変わってしまいます。或いは、「お前、明日何で来るの?」と書くだけでは、相手が来ることを前提に電車かバスか徒歩か聞いている文面が、「お前は来るな」といういじめにも似た表現に変わってしまいます。
ところが、大人=社会人=仕事・職業の場面では絵文字やスタンプは使えません。言葉だけで表現しなければなりません。この講義を履修・修得することで、言葉を駆使する能力を獲得して、大人=社会人=職業人へと一歩一歩成長していって下さい。
- <備 考>
- この科目は大学での学び方を学ぶ先進工学部1年生のための科目です。
決められたクラスで受講してください。上級生や他学部生は受講できません。
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