2017年度工学院大学 先進工学部応用化学科
△応用化学実験B(Applied Chemistry LaboratoryB)[5E30]
1単位 奥村 和 教授 [ 教員業績 JP EN ] 飯田 肇 講師 [ 教員業績 JP EN ] 阿相 英孝 教授 [ 教員業績 JP EN ] 橋本 英樹 助教
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- B-1.ガスビュレットを用いた過酸化水素の分解反応の速度解析
二酸化マンガンを触媒とし,過酸化水素の分解反応を行い,ガスビュレットによって発生する酸素の体積を追跡する。得られたデータから一次反応の速度定数および活性化エネルギーを求め,反応速度の解析方法を学ぶ。酵素などの生物系の試料を用いて同様に過酸化水素の分解反応を行い,反応速度論的解析を行う。これによりその原理を理解し,ミカエリス定数Km等を求める。 〔関連講義:物理化学II、物理化学演習II、触媒設計〕 B-2.電気分解とファラデーの法則 アルミニウムのアノード酸化ならびに銅の電解析出を例に取り,表面・界面の反応を電気化学的に評価する。電気分解の手法を用いた材料の表面処理・改質や機能性付与ならびに関連する機器分析に関してもデータ解析を通じて基礎を学ぶ。 〔関連講義:電気化学、機器分析、機能性先端材料〕
- <受講にあたっての前提条件>
- 1,2年次の実験科目を受講していること。
- <具体的な到達目標>
- B-1.実験データから微分法・積分法を用いて1次反応の速度解析ができる。
アレニウス式を用いて活性化エネルギーを求められる。ミカエリス・メンテン式を使用し,Km等を求められる。 B-2.材料の表面処理や機能性素材の作製手法を理解し,実際に適用する。 電気化学的な測定・評価法だけでなく,熱重量分析(TGDTA)やX線回折(XRD)の測定原理,同定方法を理解する。
- <授業計画及び準備学習>
- B-1
<授業計画> 1. 1週目は二酸化マンガンを触媒とし、過酸化水素の分解反応を行い、ガスビュレットによって発生する酸素の体積を追跡する。得られたデータから一次反応の速度定数および活性化エネルギーを求める。 2. 2,3週目は酵素等の生物系の試料を触媒として過酸化水素の分解反応を実施し,ミカエリス定数Km、最大速度Vmaxを求める。 準備学習:事前にテキストで実験内容を予習し,実験ノートにまとめてくること。 B-2 <授業計画> 1. 電気分解によりアルミニウム基板上に酸化皮膜を形成した後,水の電気分解を利用して生成したアルミナ皮膜を基板からはく離する。得られた非晶質アルミナをモデル試料として,TGDTA,XRDを用いた機器分析に関しても基礎を学ぶ。 2. 電気量で生成物の量を制御できることを,アルミナの膜厚測定を通して確認し,誘電体厚さの変化と静電容量の関係から,電解コンデンサの構成原理を学ぶ。 3. アノード反応だけでなく,カソード反応にも着目し,銅の電解析出時の質量変化から実際にファラデー定数を求める。 準備学習:事前にテキストで実験項目を確認し,実験ノートに予習をしてくること。
- <成績評価方法>
- 出席は全出席でレポートも全て提出を原則とする。評価は、出席、実験態度、レポートで評価する。出席状況が悪い者、レポート未提出の者は単位を認定しない。
- <教科書>
- 「応用化学実験」工学院大学先進工学部応用化学科編
キューポートから電子教材として各自ダウンロードする。
- <参考書>
- 指定参考書なし。
参考資料はキューポートから電子教材として各自ダウンロードすること。
- <オフィスアワー>
- B-1.金曜日 17:30-18:00 新宿校舎19階 1972室
B-2.新宿校舎20階化学系共用研究室3 A-2067室 簡単な質問は授業後の教室でも受け付ける。
- <学生へのメッセージ>
- 実験にあたっては、テキストに書いてある通り機械的に実験してレポートを書くというのではなく、記述されている実験の内容について、自分で必要な試料・器具・手順を考えて、問題点がないかどうかを確認したのち、実験ノートに記入し、当日の実験に備えることが必要である。また実験における諸注意を守り、事故を起こさぬように注意しなければならない。危険性のある試薬等を扱う場合は安全メガネ(またはメガネ)をかけることが必要である。
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