2017年度工学院大学 先進工学部応用化学科
表面工学(Surface Chemical Engineering)[3B25]
2単位 高見 知秀 教授 小野 幸子 非常勤講師 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
◎ | 1. 基礎知識の習得 | | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 表面の構造や物理・化学的性質はきわめて多彩であり,物質や材料の特殊な機能が表面で決定されていることが多い.洗濯,接着,腐食,潤滑などの身近な現象にはすべて表面が関与しているが,20世紀の後半に開発されたすぐれた表面機能材料が現代社会を支えるナノテクノロジーやポストゲノムなどの最先端科学技術の主要なパートを占めている.したがって,化学はもとより,エレクトロニクス,医学,医薬,生化学などの広い領域で表面工学の知識が必要となる.
この授業は,前半の10回を高見知秀教授が,後半の5回を小野幸子非常勤講師が担当する.
- <受講にあたっての前提条件>
- 物理化学や無機化学の基礎知識を必要とする.
- <具体的な到達目標>
- 固体表面の構造,性質,化学的反応性などについての基礎を学ぶとともに,多分野への応用技術についての理解を深める.
- <授業計画及び準備学習>
- 【1-10. 高見担当】
1.はじめに−表面とはなにか−固体表面の成長と構造 (本講義の概論を学ぶ) 2.表面超構造−表面に特有な周期構造 (表面周期構造表記法を修得し、実際の周期構造について学ぶ) 3.規則性非周期表面−フラクタル構造やフィボナッチ数列が生み出す構造 (雪の結晶やヒマワリの種の配列から自然が生み出す規則性表面を学ぶ) 4.表面分析法とその応用 (分光法や顕微鏡法など様々な表面分析法を修得し、その応用例を学ぶ) 5.量子ドットやナノ構造の作製法 (表面での量子ドットやナノ構造の作製の方法について学ぶ) 6.表面薄膜作製法 (メッキやLB膜や自己組織化膜など様々な薄膜の作製方法について学ぶ) 7.液体接触表面−表面の親水性と疎水性 (液体に接した固体の表面とその解析法と応用例について学ぶ) 8.生体膜表面 (細胞膜などの生体膜とその表面で起こる現象やコスメトロジーについて学ぶ) 9.表面摩擦工学 (表面における摩擦工学について学ぶ) 10.学習成果の確認 【11-15. 小野担当】 11.腐食とは? 12.腐食科学と防食 13.表面処理1−ドライ(乾式)プロセス 14.表面処理2−ウエット(湿式)プロセス 15.学習成果の確認
- <成績評価方法>
- 原則として,10回目に行なう試験を65点満点,最終回に行なう試験を35点満点で評価し,合計60点以上を合格とする.
- <教科書>
- 第1-10回は、参考書に示した本から抜粋した内容を講義で用いるので、それをまとめた配布資料を配布する.
配布資料はKUPORTまたは学内ホームページ(intra.ns.kogakuin.ac.jp/~ft13537/)から各自入手すること. 第11-15回は参考テキストを電子教材としてキューポート内に提示する.
- <参考書>
- 下記に挙げた本はすべて八王子校舎4号館308号室の居室にありますので、閲覧したい方はオフィスアワーなどを利用してください。
「アトキンス 物理化学(上下)」第8版(東京化学同人)(第1-10回の講義全般) 「表面物性工学ハンドブック」第2版 小間篤 他編(丸善)(第1-10回の講義全般の工学についての解説本ですが、高価な本です) 「ベーシック表面化学」岩澤康裕,中村潤児,福井賢一,吉信淳 共著(化学同人)(第1-10回の講義全般の主に学問的な内容) 「ナノテクノロジーのための表面電子回折法」日本表面科学会 編(丸善)(第2回の講義内容) 「新しい局面を迎えた界面の分子科学」日本化学会 編(化学同人)(第6-8回の講義の内容の一部) 「表面の科学」筏義人 著(産業図書)(第6-8回の講義の内容の一部) 「摩擦の科学」河野彰夫 著(裳華房)(第9回の講義の内容の一部) 「問題と解説で学ぶ表面科学」日本表面科学会編(共立出版) (第1-10回の講義を理解するための演習) 「界面化学 新版」近藤保 著(三共出版) 「界面化学」近澤正敏,田嶋和夫 共著(丸善)
- <オフィスアワー>
- (高見)火〜木曜日12:50-13:40 八王子校舎4号館308号室.メールで連絡・質問する場合は、ft13537@ns.kogakuin.ac.jpまで.
(小野)講義後(水曜日10:55〜)あるいはメールで日時を約束の上,対応する.対応場所:20階フロア E-mail:sachiono@cc.kogakuin.ac.jp
- <学生へのメッセージ>
- 前期科目の「電気化学」や後期科目の「触媒設計」も表面現象が密接に関係しています.表面現象の不可思議さと面白さを学びましょう.
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