2017年度工学院大学 先進工学部応用化学科

有機化学III(Organic Chemistry III)[4A30]

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2単位
小林 元康 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
アルコールとカルボニル化合物の命名法と性質、合成、反応機構の原理、有機化合物における酸化・還元のしくみを理解する。

<受講にあたっての前提条件>
有機化学T、Uの単位を修得済み、または平行して受講していること。マクマリー有機化学概説の1〜5章が十分に理解していること。

<具体的な到達目標>
(1)アルコール、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、エステル、アミド化合物の名称を答えることができる。
(2)アルコール、ケトン、アルデヒド、カルボン酸の酸化還元反応式を書ける
(3)カルボニル炭素への求核攻撃を伴う基本的な反応機構を説明できる。
(4)αプロトンの引き抜き反応とエノレートの求核反応機構を書くことができる。
(5)αβ不飽和カルボニル化合物へのマイケル付加反応を説明できる。

<授業計画及び準備学習>
講義は下記のスケジュールで行う。毎回、前の週に課題を配付しておくので、講義当日までに教科書を読み予習して、解答を用意しておくこと。講義ではその解答を受講者に発表してもらい、議論を進めながら学習を深めてゆく。
1. アルコールの酸化:カルボニル化合物の生成(p.254-257, 273)
2. Williamsonエーテルの合成 (p.240-266)
3. アルデヒドとケトン (p.273-286)
4. カルボン酸とその誘導体の名称 (p.309-312, 312)
5. カルボニル化合物の反応機構:エステル (p.322-330)
6. カルボニル化合物の反応機構:アミド(p.333,389-412)
7. 前半の復習 (中間試験)
8. Grignard反応 (p.210-212)
9. ケト・エノール互変異性とαプロトンの引き抜き反応(p.357-366)
10. アルドール反応とクライゼン縮合 (p.372-375)
11. 有機化合物の酸化と還元(p.240-346)
12. マロン酸エステル合成とマイケル付加 (p.357-376)
13. Wittig反応とジアゾカップリング (p.294-403)
14. 学習のふりかえり

<成績評価方法>
定期試験期間内に期末試験を実施する。以下(1)〜(2)の評価法の中で最高得点を成績として採用する。
(1)定期(期末)試験の点数
(2)中間試験の点数(配分50%)と期末試験の点数(配分50%)の合計点
成績は6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価する。
およその目安はC=60点以上、B=70点以上、A=85点以上、A+=95点以上である。出席は成績には反映されない。

<教科書>
マクマリー有機化学概説 第6版(東京化学同人)ISBN:978-4-8079-0662-8
有機化学ワークブック(丸善出版)奥村格 ISBN:978-4-621-08179-2

<参考書>
ブルース有機化学概説(第3版)(東京化学同人)ISBN:978-4759818314
マクマリー有機化学(上、中、下)(東京化学同人)
HGS分子構造模型(丸善)
ウェイド有機化学(上、下) 丸善(中村浩之ら訳)
Claayden, Greeves, Warren, Wothers, "Organic Chemistry", Oxford University Press
S. ウォーレン「プログラム学習 有機合成反応」(講談社)

<オフィスアワー>
木曜15:00-17:00八王子キャンパス 5号館202号室
土曜11:00-14:00八王子キャンパス 5号館202号室
月曜09:00-11:00新宿キャンパス 20階A-2066号室
これ以外の時間に訪問する場合は事前にメールで問い合わせ下さい。
小林:motokoba@cc.kogakuin.ac.jp

<学生へのメッセージ>
有機化学Vは学部で学ぶ有機化学の総まとめである。有機化学の楽しさ、面白さを最も感じることのできる科目である。医薬品や合成高分子をはじめ、身の回りにある様々な有機物質や有機材料の成り立ちや分子構造を理解する上でにカルボニル化合物は欠かすことができない。反応機構は何度も自分で繰り返し書いてこそ理解が進む。じっくりあせらず考え抜く力を養うこと。十分に楽しむコツは、受講する前に教科書の対応する節を読んでおくことである。また、有機化学ワークブック(丸善出版)(奥村格)を副読本として強く推奨する。


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