2017年度工学院大学 先進工学部応用化学科
自然科学の歩き方(Fundamentals in Natural Sciences)[4358]
1単位 武藤 恭之 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <授業のねらい>
- 自然現象を理解するうえでは、測定データに忠実であることが求められる。
この授業では、これから大学で学ぶ自然科学全般の基礎として、「データをどのように解釈し、人間の理解できる形にするか」を学ぶ。この考え方は、将来どの分野に進むとしても必須のものである。
- <受講にあたっての前提条件>
- 高校までの微積分を道具として使いこなせること。
- <具体的な到達目標>
- ・与えられたデータをグラフに表現できること
・データが表す現象を数式を用いた「モデル」として表現できること ・「モデル」の数式が、現実の現象として何を表しているかを言葉で表現できること
- <授業計画及び準備学習>
- 授業全体を通じて、一つのデータセットを使い、そのデータをモデルフィットする手法について学ぶ。
1.関数の概念・測定値 (講義) ・関数とは何か、また、関数のグラフとは何かについて講義する ・グラフの表す現象を言葉で表す方法について講義する (実習) ・ある一つのデータセットをグラフに表現する
2.近似曲線と分散 (講義) ・データを表現する「モデル」の概念について講義する ・モデルがどの程度良いかを定量的に表す方法(二乗誤差)について講義する (実習) ・1で使ったデータセットから「モデル」の候補を推定し、モデルとデータのずれを計算する
3.最小二乗法の考え方 (講義) ・2で講義した、二乗誤差を最小にするためのモデルの修正について講義する (実習) ・モデルのパラメータを変えながら二乗誤差を計算し、その値が最小となるモデルパラメータを推定する
4.関数の線形近似と微分の概念 (講義) ・1〜3の講義で行ってきた内容について、数学的な定式化を行うための準備として、微分の概念について講義する ・特に、グラフの傾きと微分計算の関係について説明し、最小値を出すために微分係数がゼロとなる点を探せば良いということを講義する (実習) ・様々な関数のグラフの慨形を描く
5.パラメータ推定(最小二乗法) (講義) ・最小二乗法について、微分計算(あるいは、偏微分計算)を用いた定式化を行う (実習) ・1〜3の講義におけるモデルのパラメータ推定を、この定式化を用いて実際に行う
6.より一般的なモデル推定の方法 (講義) ・現象のモデル化について、より進んだ内容(高次のテイラー展開・フーリエ展開など)に関して説明し、自然科学の研究の現場でどのようにその考え方が用いられているかを講義する
- <成績評価方法>
- 課題の提出に依って理解度を評価し、Grade D 以上を合格とする。
- <教科書>
- 特になし
- <参考書>
- 特になし
- <オフィスアワー>
- (前期)木曜日2限 八王子校舎 総合教育棟1S−322
(後期)火曜日3限 八王子校舎 総合教育棟1S−322
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