2017年度工学院大学 先進工学部生命化学科

ゲノム科学(Genomics)[5B19]

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1単位
水島 純子 特任教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
われわれ人間は、元をただせば誰もがたった1個の受精卵に行きつく。受精卵は、分裂・増殖を繰り返し、60兆個もの細胞となり人間の体を形成する。60兆個の細胞は、すべてが同じゲノム情報を持っている。それにもかかわらず、心臓、胃、脳など別個の役割をもつ臓器に分化するのはなぜかを解説する。ヒトゲノムが解読された現在、ゲノム医療という新しい医療が生まれ、がんなどの病気は、以前に比べ、各段に良く治るようになった。医薬品開発、人工知能AIによる治療方針の決定、などを含め、ゲノム医療の最前線を紹介する。

<受講にあたっての前提条件>
高校で学ぶ生物の基礎知識を習得しておくこと
「分子生物学」を履修していることが望ましい
「遺伝子工学」を並行履修することが望ましい

<具体的な到達目標>
(1)ゲノムとはなにかについて正しく理解する。(2)1塩基多型(SNP)などのゲノムの多様性について理解する。(3)ゲノムと病気との関連について理解し、ゲノム創薬と医薬品開発について理解する。

<授業計画及び準備学習>
1.ゲノムとはなにか?ーゲノムとDNAと遺伝子の違い
2.ゲノム配列決定法について−自宅で自分のゲノム配列がわかる日がもうすぐやってくる
     授業内容についてレポートを課す。レポートは返却しないが、正解を次回に述べる。
3.ヒトゲノムと他の生物ゲノムとの違いーヒトとチンパンジーのゲノムは1%しか違わない
4.ヒトゲノムは一人一人異なっているーDNA多型の種類
5.新型出生前診断についてー生まれる命は誰のもの?
6.がんのゲノム変異とがん治療最前線ーゲノム創薬
     授業内容についてレポートを課す。レポートは返却しないが、正解を次回に述べる。
7.学習成果の確認(試験)

<成績評価方法>
定期試験とレポートで最終成績を評価、60点以上の者に単位を認める。試験の際には自筆ノート、および配付資料の持ち込み可
定期試験9割レポート1割で評価を行う。

<教科書>
「ゲノムでわかることできること」水島-菅野 純子著 羊土社
「よくわかるゲノム医学、改訂第2版」服部成介・水島-菅野純子著 菅野純夫監修 羊土社

<参考書>
好きになる分子生物学 萩原清文著 講談社サイエンティフィク
ゲノム第3版 T.A.Brown著 村松正実、木南凌監訳 メディカルサイエンスインターナショナル

<オフィスアワー>
毎週金曜日 10時55分〜11時05分 新宿校舎 講師室A-1231にて、相談、質問を受け付けます。
簡単な質問は授業後の教室でも受け付けます。
メールでの場合は、bt40488@ns.kogakuin.ac.jpで受け付けます。

<学生へのメッセージ>
学問とは本来面白いものです。生命の不思議に魅せられれば、生命を動かしている原理を知りたくなるでしょう。教科書で事前に予習して授業を聞いていれば、さらに知りたいという意欲が出て、復習にも力が入るでしょう。勉強していてわからないことがあったらどんどん質問しましょう。疑問に思い、調べ、質問する、という過程を大切にして勉強していってください。


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