2017年度工学院大学 先進工学部生命化学科

くらしと化学(Chemistry in Life)[4A34]

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1単位
大野  修 准教授  
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
皆さんは「化学」を志して入学されました。将来は漠然と化学産業で仕事をするのかな、と思っておられるかもしれません。しかしながら、わたくしたちの身の回りは、「化学」にかかわる「もの」であふれかえっています。普段みなさんが何気なく接している衣料品、食品、住まいにかかわる製品も、化学の力がなければ成り立ちません。つまり皆さんの未来の進路はありとあらゆる産業分野につながっている訳です。この講座では、わたくしたちのくらしと化学の関係を整理し、化学者の卵である皆さんの知識の幅を広げるとともに、将来の皆さんの進路を選ぶための情報を提供します。

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
(1)わたくしたちのくらしが「化学」で成り立っていることを理解できる。(2)みなさんの進路が非常に幅広いことを自覚できる。

<授業計画及び準備学習>
1.総論:わたくしたちのくらしと化学
【概要】わたくしたちの毎日の生活をふりかえりどのような「もの」が化学と関係あるのかをお話します。わたくしたちの身の回りの化学物質についての知識を深めます。

2.食品
【準備学習】食品のどれか一つをとりあげ、「化学」とどのような関係にあるかを予習しておいてください。
【概要】わたくしたちのからだと食品とのかかわりについてまとめ、その中で化学がどのようにかかわっているかをお話します。

3.医薬品
【準備学習】医薬品のどれか一つをとりあげ、「化学」とどのような関係にあるかを予習しておいてください。
【概要】伝統的な医薬品から近代的な医薬品までをシームレスにつなぎ、その中で化学がどのようにかかわっているかをお話します。

4.くらしの中のプラスチック、陶磁器、文具など
【準備学習】皆さんの身のまわりにあるプラスチックを5種類以上挙げてください。
【概要】プラスチックは私たちのくらしの中でなくてはならない素材です。わたくしたちのくらしの中でどのようなプラスチックが使われていて、それぞれどのような特性や機能をもつかについてお話しをします。また陶磁器、文具などについて触れ、化学とのかかわりをお話します。

5.洗剤、電気―発光と化学エネルギー―
【準備学習】石鹸、中性洗剤、逆性石鹸の違いについて予習しておいてください。
【概要】洗剤の基礎をまとめ、洗浄のメカニズムについて化学の視点でお話します。また、電池の発電メカニズム、くらしの中の照明器具(水銀灯、蛍光灯、発光ダイオード、有機EL)の発光メカニズムについて化学の視点でお話します。

6.原子力と環境の化学
【準備学習】原子力発電の仕組みについて予習しておいてください。
【概要】原子力発電の原理について、原子核反応、核分裂の観点からお話をします。また放射線、放射能の基礎知識を学びます。また環境問題(公害、地球温暖化)について、化学がどのようにかかわっているかお話します。

7.学習のふりかえり

<成績評価方法>
授業にきちんと出席することが成績評価の前提です。授業の最後に実施する確認テストで評価をします。A+〜Fの6段階評価でD以上の者を合格とします。

<教科書>
斎藤勝裕「あなたと化学」裳華房 ISBN978-4-7853-3505-2

<参考書>
上野景平「化学反応はなぜおこるか―授業ではわからなかった化学の基礎」講談社ブルーバックス ISBN 978-4-0613-2969-0

<オフィスアワー>
大野(ハイブリッド留学生担当):講義の後、教場で対応します。

<学生へのメッセージ>
「化学」を学問としてみるのではなく、まず皆さんの身の回りの「もの」や「しくみ」が「化学」と密接にかかわっていることを理解していただきます。受講生の皆さんが、この講座を通じて、より幅広い分野に興味をもつようになっていただければ幸いです。


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