2017年度工学院大学 情報学部
○論理回路(Logic Circuits)[2219]
2単位 福田 一帆 准教授
- <授業のねらい>
- 論理回路はディジタル回路を設計する場合の数理モデルといえます.ディジタル回路はコンピュータの主要構成要素であり,コンピュータを理解するために論理回路に関する知識は不可欠です.本講義では,論理回路の基礎を学びます.演習などを交えながら講義を進めるので,更に教科書を使って予習,復習をして,知識を身につけて下さい.
- <受講にあたっての前提条件>
- 特にありません.
- <具体的な到達目標>
- 論理回路の基礎を理解し,教科書および授業中に扱うレベルの基礎的な問題に対して正しく解答できるようになることを目的とします.
- <授業計画及び準備学習>
- 教科書および配布する追加資料の内容に沿って,解説→例題→演習問題の順に授業を進めます.
[毎回の準備学習] 予習:教科書の該当する章を熟読して例題を解き,理解の難しいところに印を付けて疑問点を書き出しておいて下さい. 復習:教科書の例題・演習問題を自力で解けるようになるまで繰り返し練習して下さい. 1.ガイダンス,ディジタルとは何か(教科書 第1章) 講義の概要を説明します.また,アナログとディジタルの違い,基数変換について学びます. 2.論理ゲート(第2章),ブール代数(第3章) 論理ゲートの種類とその働き,論理回路と集合の関係,ブール代数の公式を使った論理式の変換について学びます.
3.正論理と負論理(第4章) 限られた種類の論理ゲートで任意の論理回路を構成する原理と方法について学びます. 4.論理関数の標準系,カルノー図を用いた論理関数の簡単化(第5,6章) 真理値表からそれに対応する論理式を確実に導く方法,その論理式を簡単化する方法について学びます. 5.論理関数の標準系,カルノー図を用いた論理関数の簡単化2(第5,6章) 真理値表から論理関数の標準系を導き簡単化する具体的な手順について,例題や練習問題を利用して学びます. 6.講義前半の学習成果の確認(第1〜6章) 前半の学習成果を確認します. 準備学習:授業で解説した内容を復習しておいて下さい.特に,教科書第1〜6章の例題,演習問題,講義中の追加問題と,それらの類題に正答できるよう学習しておくことが必要です. 7.組み合わせ回路の応用(第8章) 組合せ回路の応用例として,エンコーダ,デコーダ,マルチプレクサ,デマルチプレクサの回路設計方法について学びます. 8.加算器(第9章) 加算器の原理と設計および2の補数を用いた減算の方法について学びます. 9.フリップフロップ(第10章) フリップフロップとは何かを説明し,3種類のフリップフロップについて学びます. 10.フリップフロップの応用例(第11章) フリップフロップの応用例として,シフトレジスタとカウンタについて学びます. 11.同期式順序回路の解析(第12章) 順序回路とは組合せ回路と記憶回路から構成される回路です.順序回路の動作を理解するための状態遷移図の読み方と,その作成方法について学びます. 12.同期式順序回路の設計(第13章) 要求される動作を実現する同期式順序回路を,Dフリップフロップを用いて設計する方法を学びます. 13.同期式順序回路の解析と設計(第12,13章) 同期式順序回路の解析と設計について,その具体的手順を例題や練習問題を利用して学びます. 14. 学習内容の振り返り
- <成績評価方法>
- 授業内試験(a)と授業中の演習課題提出(b)および学期末試験(c)の結果をもとに成績を評価します.(a), (b), (c) の評価割合は3:1:6です.到達目標に照らして,6段階のGrade (A+,A,B,C,D,F) で評価し,D以上の者を合格とします.
成績不良による再試験はおこないません.追試験は学則規定の手続きを経て承認された者に限り受験を認めます.
- <教科書>
- 三堀 邦彦他 わかりやすい論理回路 コロナ社
- <参考書>
- 教科書以外の指定参考書はありません.
- <オフィスアワー>
- 火曜日12:50 – 13:50 八王子キャンパス講師室にて質問を受け付けます(福田)
- <学生へのメッセージ>
- 前半の学習内容を修得しないと,後半の内容を理解して問題を解くことはできません.毎週の講義内容を確実に修得していくようにして下さい.この講義で学ぶ知識は2年生の実験科目でも必要になるので,しっかり勉強して身に付けて下さい.
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