2017年度工学院大学 情報学部システム数理学科
システム幾何学(k)[5D21]
2単位 長谷川 研二 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 本科目では幾何学の基本的な対象である平面上の曲線の性質を調べる方法を学ぶことが授業のねらいである。2年前期までに履修する微分積分や線形代数では計算方法を主に習うが、それ以降ではそれらを道具として使うことが求められ本科目もその一環である。
- <受講にあたっての前提条件>
- 微分、積分、偏微分、重積分、線形代数学1〜4の内容を理解している。
- <具体的な到達目標>
- 様々な形で表現された曲線の長さや、曲線で囲まれた領域の面積が計算できる。
- 曲線の曲がり具合を表す曲率や曲線を近似する曲率円が求められる。
- 2次曲線を回転と平行移動により標準形に変換できる。
- すべての2次曲線の概形が把握できる。
- <授業計画及び準備学習>
- 曲線の表現方法と接線:
平面上の曲線は方程式f(x,y)=0または媒介変数表示x=f(t),y=g(t)で表せる。関数のグラフの接線は関数の微分係数が傾きであることから求まるが、一般の曲線の接線を微分や偏微分で求める方法を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:プリントは事前に配布できないので微分積分の復習をしておく。
- 直交座標と極座標:
平面において直交する2本の直線を座標軸にすれば点の位置を表す座標が定まるが、これを直交座標と呼ぶ。座標の定め方は他にもあり、よく利用されるものとして極座標とその変換方法を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 極座標と極方程式:
曲線上の点の座標が満たす等式は曲線の方程式であるが、座標が極座標の場合は極方程式と呼ぶ。直交座標の方程式と極方程式の関係を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 領域の面積:
媒介変数や極方程式で定義された曲線で囲まれた領域の面積の計算方法を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 曲線の長さ:
面積と同様に曲線の長さを定積分で求める公式を導き、媒介変数や極方程式で定義された曲線の長さを計算する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 曲線の曲率:
曲率は曲線の曲がり具合を数値で表したものである。曲率の定義を理解して公式を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 曲率円:
曲線に接する円で半径が曲率の逆数のとき、この円を曲率円と呼ぶ。曲率円が曲線を近似することを理解して、曲線の方程式から曲率円の中心と半径である曲率中心と曲率半径を求める公式を学ぶ。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 2次曲線とベクトル、対称行列:
曲線の方程式f(x,y)=0のfが2次式のとき2次曲線と呼ぶが、線形代数を応用するためにfをベクトルと対称行列で表現する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。線形代数を復習しておく。プリントを読んでおく。
- 回転と直交行列:
原点を中心とした回転を直交行列で表す。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 直交行列と対称行列の対角化:
固有値と固有ベクトルの計算により対称行列を直交行列で対角化する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 2次曲線の標準形:
2次曲線を回転及び平行移動させることにより方程式を標準形に変換する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 楕円・双曲線・放物線:
典型的な2次曲線である楕円・双曲線・放物線の方程式と概形を理解する。問題を解き答案用紙を提出する。(採点し次回の授業で返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 一般の2次曲線の分類:
回転や平行移動で標準形に変換することによって、2次曲線が前回で習った3種類の曲線または直線や点に分類できることを理解する。問題を解き答案用紙を提出する。(試験前最終授業なので、試験前のオフィスアワーで希望者に返却) 準備学習:返却された答案用紙を復習する。プリントを読んでおく。
- 学習内容の振り返り:
準備学習:定期試験で解けなかった問題の解き方を考えておく。
- <成績評価方法>
- 試験期間で実施する定期試験の得点が85点以上であればそれを成績点Xとする。定期試験の得点が85点未満であればそれをx点として、X=(ax)b(小数点以下四捨五入)とする。ただしa,bは(85a)b=85で合格基準点x0に対して(ax0)b=60を満たすように定める。合格基準点は60点以下で各受講生毎に定めるとして、授業中に解かせた問題の解答状況による平常点が高いほど合格基準点は低くなる。平常点が最高であれば基準点は40点前後であるが、他人の解答を写すだけの答案が多い場合は平常点を考慮しない(基準点を一律60点)で試験のみで成績評価することがある。Xが95以上であればA+、85〜94であればA、75〜84であればBとしてXが60〜74で試験の得点が60点以上がC、60点未満をDとする。
- <教科書>
- 理工系のための微分積分 長谷川研二 他 著 培風館
- 理工系のための線形代数 高木悟 他 著 培風館(この2冊は1年次で購入済)
- プリントを授業で配布するが、予習のためにキューポートにPDFファイルを事前にアップロードする。
- <参考書>
- 理工科系一般教育 微分・積分教科書 占部実・佐々木右左 編 共立出版
- 線形代数講義 金子晃 著 サイエンス社
- <オフィスアワー>
- 水曜日16:00〜17:00(1E-313数学研究室)
- <備 考>
- 「理工系のための微分積分」「理工系のための線形代数」の訂正は
http://home.att.ne.jp/air/satorut/book/index.html
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