2017年度工学院大学 情報学部システム数理学科

システム数理学基礎論(k)[4D22]

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2単位
大和 淳司 教授  
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
システム数理学の基礎である経営情報、情報システム、データ科学の概要と相互関係を習得し、データ分析、データ取得、収集の意味を理解した上でデータ分析法の基礎を学ぶ。これらを通じて「情報」教職課程の問題解決に関わる事項を学習する。

<受講にあたっての前提条件>
特になし

<具体的な到達目標>
システム数理学におけるデータ分析の基礎として、どのようなデータに意味があり、逆にどのようなデータを取得する必要があるのかを識るため、数理モデルや分析的な考え方の基礎を学ぶ。Python言語によるデータの操作、分析、可視化を通してデータ分析の基礎を学び、高等学校「情報」教職課程における“問題解決とコンピュータの活用“、”情報の管理と問題解決“に関する内容を学習することで、実践力のある問題解決力を養成する。

<授業計画及び準備学習>
1.システムと数理,ガイダンス
システム数理学の柱である経営情報、情報システム、データ科学に関して、活用のおおまかな手順や相互の関係を学ぶことにより、システム並びに数理の重要性を理解する。並行してPython言語の概要について学ぶ。

2.情報の蓄積・管理とデータベース
データの種類と用途に応じた蓄積、管理、検索のためのデータベース基礎概念を理解することで、データ分析、問題解決における活用方法を習得する。

3.問題解決の概要
5W1H、SWOT、ロジックツリーなどの問題整理に用いられるフレームワークを学ぶことにより、問題解決の体系的手法の必要性を習得する。

4.問題の発見と整理
ブレーンストーミングやKJ法などの思考ならびに課題整理の手法を体験することで、潜在的な問題の発見や問題の形式化方法を習得する。ここまでで並行してPython言語の基礎を学び演習を行う。

5.Python言語のまとめ
関数、構造型、デバッグの基本までのまとめと演習を行う。

6. 計算複雑性
計算複雑性についての概要説明と、いくつかの重要な計算複雑性のクラスについて説明と比較を行う。。

7. アルゴリズムとデータ構造
探索、ソートを例にアルゴリズムとデータ構造の基本を学ぶ。

8.確率・統計とプログラム
推計統計とシミュレーションの関係、モデル化とシミュレーションの考え方や方法を理解させ,実際の問題解決に活用できるようにする。

10.ランダムウォークと可視化、モンテカルロシミュレーション
ランダムウォークを使ったシミュレーションとその可視化、モンテカルロ・シミュレーションの基礎を学び、統計モデルとの関係を理解する。

11.実験データの理解
実験的に得られたデータのモデル化手法と、統計的なモデル化、統計的結論の妥当性について学ぶ。

12.統計の濫用
統計手法の誤用、濫用、また可視化手法の濫用について学ぶ。合わせて実験・研究におけるデータの取り扱いの基礎と倫理についても学ぶ。

13.実験計画法の基礎
近年実務的に使われる、クラスタリング、決定木、機械学習などの概要と応用シーンとの関係を学ぶことで、上級学習における専門知識の意味と価値を養う。

14.企業経営とデータ分析
マーケティングの事例に基づき、データマイニングなどの手法が実際の企業経営の中でどのような役割をはたしているのかを学ぶ。ここまでの学習内容を振り返り、どのように活用されているかを学ぶ。

<成績評価方法>
定期試験60%。その他として、提出課題等にて40%。到達目標に照らして、6段階のGrade(A+,A,B,C,D,F)で評価し、D以上の者に単位を認める。

<教科書>
Introduction to Computation and Programing using Python, J. Guttag, MIT Press
邦訳:Python言語によるプログラミングイントロダクション、近代科学社

<参考書>
データサイエンス入門、酒巻・里、SBクリエイティブ
Excelで学ぶ実験計画法、渕上他、オーム社

<オフィスアワー>
毎週木曜日 10時〜11時、八王子キャンパス 研究室(2−505)


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