2017年度工学院大学 情報学部システム数理学科
△データベース論(Database Theory)[4A22]
2単位 北山 大輔 准教授 [ 教員業績 JP EN ]
- <学位授与の方針>
○ | 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | ○ | 3. 汎用的問題解決技能 | ○ | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- Googleの検索システム,Amazonの商品推薦,銀行のATM,コンビニ等の小売店,その裏ではデータベースの技術が重要な位置を占めている.本講義では,このようなデータベース技術の理論を学び,リレーショナルデータベースの操作言語であるSQLを習得する.また,SQLの演習を行うことで理解を深める.
- <受講にあたっての前提条件>
- 特になし
- <具体的な到達目標>
- データベースの設計思想,データの結合演算等の基礎的な理論を身につける.
データベースの正規化理論,トランザクションの概念を身につけ,整合性のあるデータベースの設計方法を身につける. 基本的なSQLを記述し,データベースの構築,検索が可能になる.
- <授業計画及び準備学習>
- 講義においてデータベースの理論を学び,講義中に出す課題によってデータベースの設計・操作の習熟を目指す.
課題に関しては,次の講義で解説を行い,復習を兼ねる. 毎回の講義に際し,教科書の該当する章を熟読して望むこと. 理論に関しては講義資料,設計・操作に関しては講義中に示すWebページを参考に復習し,理解を進めること.
1. ガイダンス
2. データベースのための基礎理論(教科書p21-36) 集合,関数,命題論理,グラフといったデータベースの基礎となる概念を学ぶ. 事前学習:第1回に指定した演習を行っておくこと
3. リレーショナルデータモデル(教科書p37-46) リレーションを理解し,第一正規形および主キー,外部キーを学ぶ. 事前学習:第2回に指定した演習を行っておくこと
4. 射影演算とSQL(教科書p47-94) 射影演算の概念とそれをDBMS(データベースマネジメントシステム)で実現するためのSQL文を学ぶ. 事前学習:第3回に指定した演習を行っておくこと
5. 選択・結合演算とSQL(教科書p47-94) 選択・結合演算の概念とそれをDBMSで実現するためのSQL文を学ぶ. 事前学習:第4回に指定した演習を行っておくこと
6. リレーショナル代数とSQLによる高度な問い合わせ(教科書p47-94) 複数のテーブルの結合や集約演算など,より実践的な問い合わせについて学ぶ. 事前学習:第5回に指定した演習を行っておくこと
7. 正規化(教科書p95-110) 第2正規形,第3正規形といったより高次の正規化について学び,正規形でないデータベースの不具合を理解する. 事前学習:第6回に指定した演習を行っておくこと
8. データモデリング(教科書p111-127) データベースの設計方法について学び,概念データモデルを理解する. 事前学習:第7回に指定した演習を行っておくこと
9. データベース管理システム(教科書p128-145) データベースの物理的な側面を学び,また検索の高速化について理解する. 事前学習:第8回に指定した課題を行っておくこと
10. トランザクションと同時実行制御(教科書p146-162) トランザクションの概念を学び,複数のトランザクションを不整合なく実行する仕組みを理解する. 事前学習:第9回に指定した演習を行っておくこと
11. 障害時回復(教科書p163-175) データベースに起こる障害の種類とその回復方法について学ぶ. 事前学習:第10回に指定した演習を行っておくこと
12.半構造データとXML,マルチメディアデータベース(教科書p176-211) リレーショナルデータベース以外のデータベースについて紹介する.
13. NOSQLデータベースとビッグデータ(教科書p212-235) 近年活発になっているNOSQLの概念を学ぶとともに,ビッグデータの取り扱いについても触れる.
14. 学習内容の振り返り 準備学習:定期試験で解けなかった問題の解き方を考えておく
- <成績評価方法>
- 毎回の講義中に課題の提出を求める.成績は課題および定期試験の成績で判定する.
講義中に示す課題,学期末試験の評価割合は2:8とし,A+~Fの6段階評価でD以上のものを合格とする.
- <教科書>
- データベース ービッグデータ時代の基礎ー,白鳥則郎 著,共立出版
- <参考書>
- 指定参考書なし
- <オフィスアワー>
- 曜日:水曜日
時間:11:05〜12:50 居室:A2473(新宿キャンパス)
- <学生へのメッセージ>
- データベースは業務システムでも必ずと言っていいほど使われ,プログラム言語と連携して用いることも多々あリます.この講義は,なるべく演習に近い事を取り入れて,実践的に行うことを考えており,非常に大変な講義になると思います.その分,社会に出てから皆さんの力になると信じて講義を行いますので,楽しく学んで下さい.
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