2017年度工学院大学 情報学部情報デザイン学科

CG数学(Basic mathematics for Computer Graphics)[4L28]

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2単位
小林 彰夫 非常勤講師  
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)の学習に必要な線形代数を学びます。本講に継続する「コンピュータグラフィックス」の科目が受講できる知識を得ることが目的です。講義では、線形代数の基礎から始まり、座標の変換やベクトルどうしの外積といったことがらを正しく理解できるようにします。

<受講にあたっての前提条件>
線形代数学を履修していること。

<具体的な到達目標>
1. 線形代数で基礎となるベクトルや行列の演算が行えるようになる。
2. 座標と座標系による考え方を学び、行列に基づく座標の変換を自身で計算できるようになる。
3. 3次元ベクトル空間を学び、ベクトルどうしの外積や行列による回転・拡大を自身で計算できるようになる。
4. 3次元空間上の物体を2次元に投影する手法を学び、自身で計算できるようになる。

<授業計画及び準備学習>
14回分の授業計画は以下のとおりです。
講義の半分程度は演習時間とします。演習問題は講義内もしくは次の回の講義冒頭で答え合わせをします。

1 授業概要(線形代数の復習)
14回の授業の概要と学習の目的を説明する。複素平面やベクトルなどの高校〜大学初年度までに学習した内容をおさらいし、本講義の基礎的な知識を確認する。
(準備学習) 特に必要なし
2 行列とベクトル
行列とベクトルを学ぶ。行列の要素表示、四則演算等の基礎を理解する。
(準備学習) 教科書第1章の該当箇所をよく読んでおくこと。線形代数で学習した行列の演算とベクトルの内積などを復習しておくこと。
3 三角関数と回転行列
三角関数と平面上の回転について学び、行列による回転(線形変換)を理解する。
(準備学習) 教科書第1章〜第2章の該当箇所を読んでおくこと。第2回目の演習(行列とベクトルの演算)を自力で解いておくこと。
4 座標系と座標変換
デカルト座標や極座標といった座標系を学び、相互に変換できることを理解する。
(準備学習) 教科書第2章第1節〜第4節まで(第2節は除く)の該当箇所をよく読んでおくこと。
5 曲線と曲面(レポート課題1)
曲線・曲面の数式による表現方法を学ぶ。また、曲面の回転、平行移動についても学習する。
(準備学習) 教科書第2章第2節の該当箇所をよく読んでおくこと。
(レポート課題) 第1回目から第5回目までの内容に関する演習形式のレポート(締め切りは後日講義内、キューポートで伝える)
6 写像
写像の概念、特に2次元座標系での一次(アフィン)変換を学ぶ。
(準備学習) 教科書第2章第4節の該当箇所をよく読んでおくこと。
7 3次元空間と座標系
座標系を2次元平面から3次元空間へ拡張し、理解する。
(準備学習) 教科書第2章第2節,第3節の該当箇所をよく読んでおくこと。
8 空間ベクトル
3次元空間のベクトルとベクトルどうしの積(内積・外積)を学ぶ。
(準備学習) 教科書第3章第1節の該当箇所をよく読んでおくこと。
9 空間ベクトルと行列 1
3次元空間の回転や拡大を行列で行うことを学ぶ。3次元空間でのアフィン変換を理解する。
第9回講義では、3次元空間の回転や拡大などの基礎的な内容を導入する。
(準備学習) 教科書第3章第3節の該当箇所を読んでおくこと。
10 空間ベクトルと行列 2
第10回講義では、第9回よりも複雑な(回転や平行移動を組みあわせた)アフィン変換を学ぶ。また、幾何学的に図形がどのように動くのかをあわせて理解する。
(準備学習) 教科書第3章第3節の該当箇所を読んでおくこと。
11 アフィン変換とベクトル積 1
3次元空間でのアフィン変換とベクトル積を学ぶ(第11回は演習主体とする)。
(準備学習) 教科書第3章までの内容、第8回目から第9回目までの内容、演習問題を復習しておくこと。
12 アフィン変換とベクトル積 2
第11回の演習問題を振り返り、回転や平行移動を組み合わせた複雑なアフィン変換を理解する。
(準備学習) 第11回の演習問題を講義前に解いておくこと。わからないことがあれば、講義内で理解できるよう努めるか、講義終了後に質問すること。
13 投影法
3次元空間から2次元空間への投影を学ぶ。
(準備学習) 教科書第4章第1節を事前に読んでおくこと。
14 3次元ビューイング変換と講義内容の振り返り(レポート課題2)
コンピューターグラフィックスで必要な視点座標への変換を学ぶ(演習はなし)。また、全14回の講義内容を振り返り、自らが理解できているかどうかを確認する。本回は演習時間を設けない。
(準備学習) 教科書第4章第2節を事前に読んでおくこと。
(レポート課題)第13回および第14回にの内容に関する演習形式のレポート(締め切りは講義内、キューポートで伝える)

<成績評価方法>
本講義の成績評価は
1. 講義内容に関する演習形式のレポート(2回実施、各回評価の20%、計40%)
2. 定期試験(評価の60%)
とします。
また、各回の演習では学生のみなさんによる発表形式の解答確認を行います。
この際、発表内容に応じて全評価の10%までの加点をしますので、演習問題が解けたら積極的に手を上げて発表してください。

レポート、定期試験、講義での発表内容を合計した成績を元に、2015年度以降の入学者はA+、A、B,C、D、FのGradeで評価し、Grade D以上を合格とします。
2014年度以前の入学者は、S(評点90以上)、A(80以上)、B(70以上)、C(60以上)、Fにより成績評価を行い、評価C以上を合格とします。

<教科書>
CGのための線形代数 郡山 原 峯崎著、森北出版 (ISBN 978-4-627-82689-2)
*昨年と同一であるため、再履修者は購入の必要はありません。

<参考書>
指定参考書なし。

<オフィスアワー>
授業終了後に講義室にて質問事項を受け付けます。その日の授業内容だけではなく、自分がつまづいたところや分からないところがあれば、適宜質問してください。

<学生へのメッセージ>
本講義では、昨年度よりも線形代数の基礎に重きを置きます。ベクトルや行列の計算といった線形代数の基礎を完全に理解できるよう、またアフィン変換やベクトルの外積といった新しい概念が確実に身につくよう、みなさんの奮起を期待します。


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