2017年度工学院大学 情報学部コンピュータ科学科

電気回路(Electric Circuit Theory)[4B16]

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2単位
馬場 則男 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/09/28

<学位授与の方針>
1. 基礎知識の習得
2. 専門分野知識の習得
3. 汎用的問題解決技能
4. 道徳的態度と社会性

<授業のねらい>
交流回路を含む電気回路の基礎理論を特に情報工学を学ぶ学生に合わせて平易に解説する。

<受講にあたっての前提条件>
三角関数、指数関数、対数関数などの初等関数についての基本的知識があること。
 複素数の性質についての基本的知識があること。
 線形代数についての基本的知識があること。

<具体的な到達目標>
参考となる資料を利用できるという前提条件が満足されていさえすれば、交流回路(直流回路を含む)の解析や設計ができる技量を修得すること。

<授業計画及び準備学習>
1.理想回路素子としての電源。基本的な受動回路素子としてのキャパシタC、インダクタLおよび抵抗R。電圧と電流の関係、オームの法則。
  準備学習:参考書やインターネットなどから上記の事柄を調べ、理解できない部分をノートしておく。
2.回路の電圧と電流を定めるための基本法則としてのキルヒホッフの法則。
  準備学習:参考書やインターネットなどから上記の事柄を調べ、理解できない部分をノートしておく。
3.節点電位法と網目電流法による回路解析法。キルヒホッフの電流、電圧則との関係に重点を置いて。
  準備学習:参考書やインターネットなどから上記の解析法に関する方程式を立てる予習を試みてみる。
4.正弦波定常状態解析。交流信号(正弦波信号)の周波数、周期、振幅、位相とは。複素数を用いて表した正弦波電源(複素電源)とオイラーの公式。
  準備学習:複素数について十分に復習しておくこと。
5.フェーザと複素電源。複素平面上での電圧と電流の位相関係。極座標形式と直行座標形式での複素数表現。
  準備学習:複素数のベクトル表記について十分に復習しておくこと。
6.直流電源に対する抵抗と、複素電源に対するインピーダンスの意味。L,Cを含む回路の電圧と電流の位相関係。位相の進みと遅れの意味。
  準備学習:前回の複素数表現による電圧と電流の関係を用いて、直流回路のときと同じ扱いで抵抗を複素数演算してみよ。
7.等価回路の考え方に基づく電源変換、テブナン等価回路。情報の効率的な伝達法としての最大電力の伝達という考え方、重ね合わせの理。
  準備学習:参考書やインターネットなどからテブナンの定理について調べておく。
8.正弦波定常状態での電力の計算。瞬時電力、有効電力、無効電力、力率、交流の実行値。
  準備学習:直流回路における抵抗素子の消費電力の考えを復習し、交流回路においてはどのように考えられるか考察してみること。
9.複素電力の定義。その実数部(有効電力)と虚数部(無効電力)。インピーダンスマッチング。
  準備学習:前回の授業内容を整理してくること。
10.相互インダクタンスを持つ回路。自己インダクタンスとは。相互インダクタンスとは。相互誘導電圧の極性決定法(ドット便法)。回路網上での相互インダクタンスの表現法。
  準備学習:インダクター(コイル)による誘導起電力などについて調べてくること。
11.共振回路。L、Cの性質と回路の共振。並列共振の性質。帯域幅と回路のQ。
  準備学習:共振について参考書やインターネットなどから調べてくること。
12.直列共振の性質。共振周波数より低い周波数と高い周波数における回路の性質。共振回路の応用。
  準備学習:前回の共振現象をよく復習してくること。
13.2−ポート回路(4端子回路)。2−ポート回路の考え方。端子方程式。
  準備学習:4端子回路について参考書やインターネットなどから調べてくること。
14.復習を兼ねた学習内容全体に渡る振り返りと説明。
  準備学習:本講義全体に渡る理解しにくかった部分をノートにまとめておく。

<成績評価方法>
授業にきちんと出席し、講義を聴いていることが成績評価の前提。
期末試験の結果をA+からFの6段階に評価し、D以上の者を合格とする。

<教科書>
指定教科書なし。

<参考書>
電気回路教本 秋月影雄、橋本洋志[オーム社]
基本からわかる電気回路:西方正司 監修、岩崎久雄、鈴木憲史、鷹野一朗、松井幹彦、宮下収「オーム社]
この他多くの書籍が刊行されているので、自身にあった参考書を探してみるとよい。

<オフィスアワー>
木曜日、16:00〜17:00 研究室(A-1578)


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