2017年度工学院大学 情報学部情報通信工学科

情報学概論(Intorduction to Infomatics)[4D14]

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1単位
管村  昇 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
近藤 公久 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
橘  完太 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
藤川 真樹 准教授  
大塚 裕幸 教授  [ 教員業績  JP  EN ]
三木 良雄 教授  
竹川 高志 准教授  [ 教員業績  JP  EN ]
最終更新日 : 2018/09/28

<授業のねらい>
現代社会において、情報に関する技術は、我々が日常生活を送る上で欠かせないものである。しかしながら、情報に関する技術は広範囲にわたっており、分野だけではなく、研究開発のフェーズも、基礎研究から応用、さらには実用化、商品開発まで多岐にわたっている。本講義では、社会の第一線でご活躍されている講師を大学外部からお招きして、オムニバス形式で講義を進める。本講義を通して、情報に関するさまざまな分野の知識と研究開発に触れ、自らの視野を大きく広げてもらいたい。

<受講にあたっての前提条件>
日頃から、情報に関する技術やその社会での利用などについて、新聞、テレビ、インターネットなどで情報を取得しその内容について自分なりの考えをもっておくこと。講師の先生方から事前の課題があれば、必ずそれを事前に実行しておくこと(課題がある場合には事前に周知する)。

<具体的な到達目標>
講師の先生方の講義を通して、情報分野の最先端の技術、またその社会における利用などを修得すること。

<授業計画及び準備学習>
1.4月13日
講師:坂本真一(株式会社 オトデザイナーズ、代表取締役)

講義題目:聴覚心理学と音が伝わる技術 〜研究成果の実用化と起業〜
  内容:日本の聴覚心理学研究は古い歴史を持ち、世界的に知られる数多くの研究成果を産み出してきているが、これらの研究成果が実用化された事例は数少ない。本講義では、聴覚心理的知見の産業応用を目指して創業された(株)オトデザイナーズの事例を基に、研究成果の産業応用に関する問題点などを議論したい。
参考図書:「オトデザイナーが教える!伝わる技術(WAVE出版)」「サウンドと
オーディオ技術の基礎知識(リットーミュージック)」

担当教員:近藤 公久

2.4月20日
講師:樋口知之(統計数理研究所、所長)

講義題目:ビッグデータ時代に生きる力を育む情報デザイン学
内容:スマホ、セキュリティセンサー、駅の改札、コンビニでの購買、などなど、私たちの身の回りの生活行動がまるごとデジタル化され、クラウド上に集積される時代がもう目の前です。このような状況に対応して、これまで人間が行ってきた認識・予測・判断をコンピュータにおきかえる研究開発も大学・産業界を問わず活発です。いずれホワイトカラーの多くの仕事は人工知能に置き換わることを予想する研究者もいます。本講演では、ビッグデータ時代に私たちが身につけねばならない情報リテラシーを概説し、近い将来、私たち人間に残された(人間しかできない)仕事は何になるのかをみんなで考えてみたいと思います。

下記のホームページを参照すること。
     http://tswww.ism.ac.jp/higuchi/index_jp/new/index.html

  担当教員:橘 完太

3.4月27日
講師:木谷 強 株式会社 NTTデータ 取締役常務執行役員、技術革新統括本部長
●情報デザイン学科推薦

講義題目:新技術トレンドNTT DATA Technology Foresight 2017

内容:NTTデータは、情報社会および技術のトレンドをもとに社会やビジネスにおける将来の構造変化を予見する「NTT DATA Technology Foresight」を発信している。
本講義では、最新の「NTT DATA Technology Foresight 2017」から主要な技術トレンドを取り上げ、IoTや人工知能が実現する近未来のデジタル世界を展望する。先進技術が高齢化などの社会環境の変化にどのように関係し、ビジネス革新を生み出していくのか、事例を交えながら解き明かしていく。

担当教員:管村 昇

4.5月11日
講師:高橋浩 B-frontier 研究所 代表
●システム数理学科推薦

講義題目:最先端ITサービス

内容:コンピュータが誕生し70年が経過しましたが、その間、情報学の中心課題はコンピュータや周辺装置の性能や機能の高度化にありました。一方で近年、我々の生活や経済を牽引しているのはGoogle, AmazonなどのITサービスです。最近話題のUberや民泊のAirbnbもITサービスです。そこで、本講演ではサービスという側面からITの持つ特性やサービスの特徴を整理し、みなさんがサービスを創り運営して行く際の方向性・着眼点などについて考えてみたいと思います。」

担当教員:三木良雄

5.5月18日
講師:二見 聡 綜合警備保障株式会社 セキュリティ科学研究所 課長 
●コンピュータ科学科推薦

講義題目:情報技術を活用した最前線のセキュリティサービスについて

内容:
情報処理技術の進展により、ICT、IoT、ビッグデータ、AIなどといった新しい技術が生まれており、さまざまな分野への活用が期待されている。警備業界では、これまでにない質の高いセキュリティサービスの提供を目指している。その一例としてビッグデータの活用がある。たとえば、画像、センサー、ウェアラブル端末等から収集される大量のビッグデータを分析活用し、不審行動検知、サイバー犯罪対策、空間セキュリティなどを高度化している。ALSOKでは、新しいスタイルのセキュリティサービスの実現に向けた研究開発を日々進めている。本講義では、情報技術を用いた、最前線のセキュリティサービスの研究開発について解説する.

担当教員:藤川真樹

6.5月25日
講師:奥村幸彦 NTTドコモ 先進技術研究所 主幹研究員 
●情報通信工学科推薦

講義題目:第5世代移動通信方式(5G)の実現に向けた研究開発動向

内容:
5Gは,10Gbpsを超える超高速な通信速度,飛躍的な通信容量の拡大,IoTの普及に伴う端末数の増加やサービス多様化への対応などをめざして研究開発および国際標準化が進められている次世代の移動通信方式です.現在,ドコモは世界の主要ベンダー13社と5Gの通信技術に関する共同実験を行っています.また,5Gトライアルサイトにおいて,5Gの商用サービス開始に向け,5Gの特長である超高速・大容量通信、低遅延、超多数の端末接続を活用した新たなサービスコンテンツをパートナー企業と連携して研究開発しています.本講義では,これらの5Gに向けた研究開発動向を紹介します.

担当教員:大塚裕幸

7.6月8日(6月1日は試験期間中のため講義はありません)
講師:岡田真人(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 教授 )

講義題目: スパースモデリング入門
内容: ビッグデータやIoT(Internet of Things)などに代表されるように,大量のデータに隠された規則性を抽出するデータ解析の系統的技術の開発は,今後のビジネスにおいて重要な課題です.まず,そのキーテクノロジーの一つであるスパースモデリング(SpM: Sparse Modeling)を紹介します.SpMの基本的な考え方は(1) データを説明する本質的な変数 (説明変数)がデータの次元数よりも少ない(スパース)と仮定し,(2)説明変数の個数が小さくなることと,データへの適合とを同時に要請することにより,(3)人手に頼らない自動的な説明変数の選択を可能にする枠組みです.SpMの適用例として,電波望遠鏡の信号からブラックホールを撮影する試みと,MRIの高速撮像などを紹介し,SpMが今後の科学技術の発展やビジネスに与える影響を議論します.

担当教員: 竹川高志

<成績評価方法>
毎回出席を取る。成績は毎回講師の先生が出される課題に対するレポートの合計点で評価する。

<教科書>
特になし

<参考書>
特になし

<オフィスアワー>
講師に対する質問等は、講義中または講義終了後。

<学生へのメッセージ>
研究、開発、ビジネスの分野で第一線でご活躍の講師の方々に、通常の講義ではなかなか聞けないお話をしていただくので、真剣に受講してもらいたい。また少し先の卒業研究の研究室配属、就職活動などの参考にしください。


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