2017年度工学院大学 建築学部
○基礎設計・図法(Introduction to Architectural Design,Theory of Design)[5105]
2単位 鈴木 敏彦 教授 [ 教員業績 JP EN ] 小俣 光一 非常勤講師 関谷 源次 非常勤講師 香川 浩 非常勤講師 武藤 かおり 非常勤講師
- <学位授与の方針>
| 1. 基礎知識の習得 | ◎ | 2. 専門分野知識の習得 | | 3. 汎用的問題解決技能 | | 4. 道徳的態度と社会性 |
- <授業のねらい>
- 製図のための基本的な技術を習得し、図面や模型から空間を読み解く力を学ぶ。
また、3次元の物質である家具・プロダクト、インテリア、建築のデザインを2次元の図面上で表現する各種手法を理解し、これらを適用して総合的に表現するトータル・デザインの表現技法を身につける。
- <受講にあたっての前提条件>
- 既習科目、または並行履修科目についての前提条件は特にない。指定教科書の熟読・理解、および、製図用具の入手は必ずしておくこと。
- <具体的な到達目標>
- 1)インテリアの演習を通して「もの」と「空間」のスケール感覚を身につけ理解する。
2)正投影図(Orthographic projection)の基本的な考え方を理解し、それを適用して正投影図による家具・プロダクト、インテリア、建築の基本図を解読でき、描けるようになる。 正投影図とは、家具・プロダクトの場合は三面図、インテリアの場合は平面図、展開図、建築の場合は配置図、平面図、断面図、立面図のことである。 3)透視図(Perspective projection)や軸測投影図(Axonometric projection)の原理を理解し、それを適用して基本的な透視図や軸測投影図が描けるようになり、図面を立体的に表現できるようになる。 本科目で取り上げる透視図は一点透視図と二点透視図、軸測投影図は等角投影図=アイソメ(Isometric projection)と不等角投影図=アクソメ(Trimetric projection)である。
- <授業計画及び準備学習>
- 建築学部「基礎設計・図法」は3クラスに分かれて実施される。各クラスで取り上げる課題内容は異なるが、「授業のねらい」、「受講にあたっての前提条件」、「具体的な達成目標」、および、基本的な進行は3クラス共通である。
本科目では「自習課題」、「最終課題」が出題される。それぞれの課題の評価方法と本科目の成績との関係については、下記<成績評価方法>を参照すること。 初回授業は講評室で開始する。第2回以降の授業はスケッチで開始するので、製図室に着席して待つこと。
1. 建築製図入門 ー製図用具の説明、使い方、および、基本的な線の引き方などの図法の基本ー 製図用具の使い方。基本的な線の引き方、着彩の方法、等図法の基礎 「コエ・タロのレンガ目地」の線を引く 準備学習:製図用具の入手。教科書pp.30〜31、p.43、p.71の予習 2. 身近なものを表現してみよう(1) ープロダクトの三面図の描き方ー 「スツール60」「ドア・ハンドル」の実測・作図(三面図) 準備学習:教科書pp.24〜29の予習 3. 身近なものを表現してみよう(2) ー椅子の模型のつくりかたー 自習課題1(スツール60の1/5模型) 準備学習:教科書pp.20〜23の予習 4. 建築の図法(1) ー建築の基本図面ー 「コエ・タロ」を題材に基本図(平面図・立面図・断面図)について学ぶ ー平面図の描き方ー 「ルイ・カレ邸」の平面図1/100を作成 自習課題2(ルイ・カレ邸の平面図1/100) 準備学習:教科書p.64、pp.66-70、pp.36-42の予習 5. 建築の図法(2) ー立面図・断面図の描き方ー 「ルイ・カレ邸」の立面図1/100・断面図1/100を作成 自習課題3(ルイ・カレ邸の立面図1/100・断面図1/100) 準備学習:教科書pp.72-83の予習 6. 建築の図法(3) ー配置図、添景の描き方ー 「ルイ・カレ邸」の配置図と添景 準備学習:教科書pp.90-91の予習 7. 建築の立体的表現技法(1) ー内観パースの描き方ー 「コエ・タロ」の内観パース 自習課題4(コエ・タロの内観パース) 準備学習:教科書pp.50-54の予習 8. 建築の立体的表現技法(2) ー外観パースの描き方ー 「コエ・タロ」の外観パース 準備学習:教科書p.55の予習 9. 建築の立体的表現技法(3) ー建築模型の作り方ー 「コエ・タロ」の外観模型 自習課題5(コエ・タロ」の外観模型1/100) 準備学習:教科書pp.100〜105の予習 10. 建築の立体的表現技法(4) ーアクソメ・アイソメの描き方ー 「コエ・タロ」、「スツール60」のアクソメ・アイソメ 準備学習:教科書pp.84-89の予習 11. プレゼンテーションの技法(1) 短期自由課題 ープレゼンテーションのテクニック1ー 「添景、配置図・立面図の着彩」 自習課題6(添景、配置図・立面図の着彩) 準備学習:教科書pp.90〜97の予習 12. プレゼンテーションの技法(2) ープレゼンテーションのテクニック2ー 「アールトのトータルデザイン」について1枚のシートにまとめる 「プレゼンテーションボードの作り方」 最終課題(総合プレゼンテーションボード) 準備学習:教科書p.65、pp.98-99の予習 13. 総評 最終課題の評価・講評 ロッカールームの残置物の処理 準備学習:最終課題を完成させる。 14. 学習内容の振り返り 準備学習:前回までの総復習を行う。
- <成績評価方法>
- 1)「自習課題」6題と「最終課題」1題が出題され、主な評価の対象となる。これらは自習として授業時間外に実施するものである。授業中にも複数の「即日課題」が課される。
2)「自習課題」と「最終課題」は、課題ごとに100点満点で採点する。「即日課題」は、その合計得点を100点満点とする。 3)次の式により「最終得点」を決定する。 「最終得点」=(「自習課題」合計得点+「最終課題」得点×3+「即日課題」合計得点)÷10 すなわち、「自習課題」、「最終課題」、「即日課題」の評価の配分は、6:3:1である。 4)「最終課題」の得点、または「最終得点」が60点以上の者に、達成目標に達したと認め単位を授ける。 5)「最終得点」を以下のように換算してグレードとする。 90点以上→A+、80〜89点→A、70〜79点→B、60〜69点→C、60点未満→F ただし、「最終課題」の得点が60点未満の場合はグレードを1段階下げる。また、「最終得点」が60点未満でも、「最終課題」の得点が60点以上であれば、グレードをDとする。
- <教科書>
- 日本建築学会編:『コンパクト建築設計資料集成』第3版、丸善、2005年
書名:北欧の巨匠に学ぶ図法 ー家具・インテリア・建築デザイン基礎ー 著者名:鈴木敏彦+大塚篤+小川真樹+半田雅俊+村山隆司 出版社名:彰国社 但し、今年度から題材をアルネ・ヤコブセンの「アントチェア」「SAS606」「未来の家」から、同じく北欧の巨匠であるアルヴァ・アールトの「スツール60」「ルイ・カレ邸」「コエ・タロ」に変更した。題材は変われど、表現技法は同じなので、対応するページを授業計画で明記した。
- <参考書>
- 工学院大学建築学部編:『2016年度建築設計課題及び案内』、工学院大学建築学部、2016年(初回授業に配布する)
書名:北欧の巨匠に学ぶデザイン ―アスプルンド/アールト/ヤコブセン― 著者名:鈴木敏彦+杉原有紀 出版社名:彰国社 *後期「建築計画1」において教科書指定しているので、先行的に購入することを推奨する。
- <オフィスアワー>
- 時間:前期月曜日の19:00〜19:30
場所:新宿キャンパス高層棟26階鈴木研究室 その他、簡単な質問は授業前後に教室でも受け付ける。
- <学生へのメッセージ>
- 1) この授業は授業時間内だけで完結するものではなく、「自習課題」、「最終課題」を伴っているので、各自、授業時間外の「自習課題」、「最終課題」のための時間をしっかり確保すること。
2) 「自習課題」、「最終課題」提出日直前の病気・怪我などの不測の事態も考慮して、締切直前まで先送りせず、帰宅後すぐに課題に取りかかるようにすること。 また、「即日課題」は必ず授業時間内に仕上げて提出すること。 3) 「自習課題」、「最終課題」をその都度仕上げる作業には時間と根気を要するので、各自タイムマネージメントをしっかり行うこと。 4) 要求されているのはただの努力ではなく、結果(課題が期日通りに望ましい質をもって提出されること)を伴う努力であることを肝に銘じること。
- <備 考>
- 1)原則として、GPA のためのリピート(再履修)は受け入れるが、製図台などの確保の点で希望に添えないこともある。
2)授業の情報はキューポートに随時掲載するので、頻繁にキューポートを確認すること。キューポートの通知をメイル転送する場合は、携帯キャリア・メイルは絶対に避けること。また、下記サイトにも掲示することがある。
教科書:『北欧の巨匠に学ぶ図法 ー家具・インテリア・建築デザイン基礎ー』 http://www.shokokusha.co.jp/?p=3883 参考書:『北欧の巨匠に学ぶデザイン―アスプルンド/アールト/ヤコブセン―』 http://www.atelier-opa.com/suzuki-lab/aaj.html
- <参考ホームページアドレス>
- www.atelier-opa.com
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